信じたい。でも、信じ切れない
夏休みが終わり、支援学校が始まって2週間経ちました。今のところ、長男は順調に学校に行ってくれています。夏休みに入る直前に、スクールバスの中で本を叩く常同行動の音があまりにうるさすぎてクレームが入り、夏休み明けはどうしようかなと途方に暮れていたところ、担任の先生が連絡をくださいました。叩いても音があまりしないものということで、クッションを置くのはどうかという提案をしていただきました。ひとまず置いてみたのですが、やはり硬さを求めるのかクッションにはあまり手を付けず手持ち無沙汰な様子……で、もう一度担任の先生と相談した結果、口にくわえて噛み噛みするためのハンカチをバスの行き帰りに持たせることにしました(最近歯固めやセンサリーグッズにはあまり興味を示さないので)。そうしたらそれが大ヒット!ずーっと噛んでいるようです。あまり衛生的ではないし、慣れない人が見ると不快感を抱かせるかもしれませんが、まぁスクールバス限定ということで。うるさくなければ、とりあえずオッケーです。というわけで、もう捨てようと思っていたボロボロのハンカチが9月からのバスのお供になりました。学校では落ち着いて授業を受けられているようですが、怒ったり不穏になったり泣き出したり他害が出たり……と、一日に最低一度は感情が爆発する瞬間があるようです。連絡帳ではさらっと書かれていますが、筋肉質でガタイがよく、それでいて意思の疎通を図るのが難しい長男をなだめるのは大変だと思います。スクールバスから降りてきたら怪我をしていた、ということも何度かありました。暴れている時にどこかで足を打ったということもありましたし、狭いトイレの個室内で暴れた長男を止めようとした先生の手が当たって顔と手を怪我したこともありました。先生がたはいつも申し訳ないと言ってくださいますが、こちらこそ申し訳なく感じます。だって、先生たちも無傷では済んでいないと思うから。家庭でも、車に乗っている時に隣に座っていた次男を引っかいて顔と手の甲に怪我をさせてしまったことが一度あり、すぐに次男は助手席に移しました。他害のきっかけはよく分かりません。そして昨日、通っている一箇所のデイで、話しかけてきた子に対して爪を立てて引っかく他害をしてしまったそうです。そちらでは以前もスタッフさんに対する他害があったので、利用前日には爪を短く切っておいたのですが、その日のお迎えの際には、「短く爪を切ってください」と言われてしまいました。思わず、「昨日切ったばかりなんです」と言い返してしまいました。「そうなの?」「長男は爪を立てるから、短くても痛かったと思いますが……」「相手の子は血が出るような怪我はしなかったけど……とりあえずお願いしますね」ヤスリをかければよかったかな。起きている時には爪が切れなくて、寝ている時に必死で切っている。眠りが浅くて切れない日もある。そんな自分の努力を否定されたようで、なんだかとても悲しかった。もちろん、他害は悪いこと。手を出した長男が悪い。でも長男みたいに重度の知的障害がある子の他害は、どこまでが親の責任なんだろう。私はずっと険しい顔をしていたのでしょう。長男は帰宅後も不穏で、怒ったような悲しそうな目をしてました。他害が起きた時の状況は詳しく分かりません。長男なりにまだもやもやが晴れていなかったのかな。夜に私に強く抱きついて、身体を絡めてきました。「分かっているよ、ママは長男が大好きだよ」と語りかけると、目に見えて表情がほころびました。この子を信じてあげたい。でも、信じ切る事はできない。未来永劫に。無理をさせないようにしているし、愛情もたくさん与えているつもり。支援者と協力して、適切な教育や医療や福祉の恩恵をこれ以上ないくらい受けている。それでも、重すぎる障害ゆえにこの子の心のもやもやを消すことはできない。だって、嫌なことがあっても嫌とは言えないし、相手の言っている言葉を全て理解できないし、イライラすることがあっても言語化することはできないし、気を紛らわせるためにできる余暇活動もあまりないんだもの。とりあえず学校の連絡帳に事の次第を書いて、気をつけて見ていただけるようにというお願いと、学校でも先生に爪を立てることをありますか?と質問を書きました。相談員さんにも話してみようと思います。7月の担当者会議でも、他害が出ることと物を叩くことが課題と言われていました。身体が大きくなると、どちらもそれなりに他者を脅かすことになります。この子は、将来どこで生きていけるのかな。今は学校があるけれど……いずれはね。そんな不安は常にあります。