今回ご紹介するのは、富山県中新川郡上市町・立山町を走る富山地方鉄道本線の駅めぐりです。1913年(大正2年)開業の歴史ある無人駅・新宮川(しんみやかわ)駅、1931年(昭和6年)開業の越中泉駅・相ノ木駅、そして2013年(平成25年)開業とまだ新しい新相ノ木駅。北陸三セク旅から少し脱線して、富山地方鉄道への寄り道旅です。
目的はただひとつ、前回撮影に失敗した新宮川駅の駅名標を撮影すること。
そのためだけに、はるばる福岡から再び富山へやって来ました。傍から見れば何とも不思議な旅ですが、鉄道好きにとっては大切なリベンジ戦。
無事に目的を達成したあとは、越中泉駅・新相ノ木駅・相ノ木駅といった周辺の小さな無人駅にも立ち寄り、ローカル線の魅力を味わってきました。
前回までのお話
北陸新幹線敦賀延伸開業後に在来線を移管した区間をめぐる旅。
前回から富山地方鉄道に寄り道旅。鉄道線で唯一未撮影だった駅名標を求めて移動中です。
越中舟橋駅
前回は、目的地に向かう前に越中舟橋駅に寄り道のそのまた寄り道をしたところまでのお話でした。
新宮川駅
そして、唯一未撮影だった新宮川(しんみやかわ)駅に到着です。
新宮川駅は富山地方鉄道本線の駅で、大正2年(1913年)に開業した歴史ある駅です。
開業当初は「江上(えがみ)駅」、その後「宮川駅」を経て現在の駅名になりました。
周辺には田園風景が広がり、のどかな雰囲気が漂う駅ですが、駐車場や駐輪場も整備されており、地域の生活を支える駅として利用されています。
駅名標
目的達成!
皆さんは「なんでわざわざこんな駅に」と思われるでしょうが、私的には大満足。
前回のリベンジを果たしました。
実は前回、新宮川駅を通過した際にホーム待合室の撮影に気をとられて駅名標の撮影に失敗。
その後、復路でもトライしたのですが、夕暮れで暗くなって撮影することができませんでした。
これまで福岡から、この新宮川駅の駅名標を撮影するためにやってきた旅人は、私だけだろうと思います。
何の自慢にもなりませんけどね。
今回は確実に撮影するために下車して撮影したので、駅全体の紹介もしましょうね。
構内
1面1線の棒線駅です。駅の裏には水田が広がっています。
この、ちょっと古そうなホーム待合室に気をとられて、前回は駅名標撮影に失敗したのです。
そう思うと、ちょっとこの待合室に腹立たしくなる私です。
もちろん自分が悪いんですけどね。
駅全景
駅前の道路から撮影した駅全景です。
駅のある上市(かみいち)町は、立山連峰の伏流水に恵まれた自然豊かな町です。
町内には清流が流れ、米づくりが盛んな地域として知られています。
駅周辺も田園風景が広がり、富山らしい穏やかな景色を楽しむことができます。
本当に静かな駅でした。
待合室
何もないと思ったらそうではありませんでした。道路の反対側に立派な待合室があって、その奥にはトイレと駐輪場も見えます。
利用者も意外と多いのかもしれませんね。
これで新宮川駅の訪問は終了。
まだ明るいるに、もうちょっと寄り道をしましょう。
越中泉駅
電鉄富山方面に戻って、こちらの駅を訪問しました。
越中泉(えっちゅういずみ)駅は昭和6年(1931年)、富山電気鉄道の開業とともに設置された駅です。
開業当初は「泉駅」でしたが、後に現在の駅名へ改称されました。
駅舎はなく、ホーム上に待合室が設けられたシンプルな無人駅です。
駅名標
ホーム待合室頭上の駅名標です。
駅全景
プレハブのような待合室だけがある棒線駅でした。住宅地の中にあり、地域の利用者に支えられている駅という印象です。
新相ノ木駅
再び上市方面に逆行して、新相ノ木(しんあいのき)駅です。
新相ノ木駅は平成25年(2013年)に開業した、富山地方鉄道では比較的新しい駅です。
地元からの要望によって設置された駅で、通勤・通学利用を支える新しい玄関口となっています。
駅名標
次の上市駅はスイッチバック駅。
二つ前に訪問した新宮川駅は上市駅より先、宇奈月温泉方面にありますので、スイッチバック駅の上市駅を挟んで行ったり来たりしていることになります。
なんだか方向感覚が分からなくなっちゃいそうです。
駅舎
こちらは立派な駅舎がありました。
無人駅ですが、待合室やトイレを備えたしっかりした建物です。
駅前には駐輪場や駐車場も整備されていて、近年開業した駅らしい充実した設備が目を引きました。
相ノ木駅
またまた電鉄富山方面に逆行して、相ノ木(あいのき)駅です。
相ノ木駅は1931年(昭和6年)に開業した駅ですが、実はこの駅名と場所には少し複雑な歴史があります(詳しくは後ほどコラムでご紹介しますね)。
駅舎のない無人駅ですが、周辺は住宅地が広がり、地域の足として利用されています。
駅名標
行ったり来たりしていたら、過去に訪問済みの寺田駅・上市駅の前後駅も連続訪問することができました。
電鉄富山駅から新宮川駅までは全駅訪問済みになったと思います。
うふふ(笑)
越中泉駅のようなプレハブっぽい待合室があります。
待合室内部
それに雪かき道具がさりげなく置いてあるのも北国らしいですね。
構内
1面1線の棒線駅です。
駅の前後には線路を跨ぐ橋があります。
実は相ノ木駅の近くでは北陸自動車道や県道が線路を跨しており、小さな無人駅の近くを高速道路が通るという少し不思議な風景を見ることができます。写真は相ノ木駅から新相ノ木駅方向を見たところです。
駅を巡って気づいた"開業日の不思議"の話
今回、1910年代開業の駅や2010年代開業の新しい駅を巡ってきましたが、ここでふと気づいたことがあります。
「あれ、新宮川駅って、越中泉駅や相ノ木駅より開業が古くない?電鉄富山駅から見たら先にあるのに?」
実はこれ、地鉄の歴史を知るとなるほどと思う"ちょっと面白い理由"があるんです。
■ 新宮川駅は1913年開業の"別会社の途中駅"だった
新宮川駅(旧・江上駅)は、立山軽便鉄道(のちの立山鉄道)が1913年に滑川駅~旧立山駅(現在の岩峅寺駅)間を一括開業した際の途中駅として設置されました。
滑川駅から五百石駅を経て岩峅寺方面を結ぶ路線の途中駅であり、新宮川駅自体が終着駅だったわけではありません。
一方、越中泉駅は、富山電気鉄道が富山田地方(とやまでんぢかた)駅から上市駅(2代目、のちの上市口駅)まで1931年に開業させた新線の駅です。
◼️そしてもう一つ面白いのが相ノ木駅。
実は今の相ノ木駅は、1931年からずっと同じ場所にあったわけではないんです。
1931年9月1日にまず「経田(きょうだ)駅」として開業しました(現在の地鉄本線にある魚津市の「経田(きょうでん)駅」とは読み方が異なります)。
その後、1936年に「相ノ木駅」へ改称。
ところが1944年、戦時下の輸送体制見直しで一度廃止されてしまい、1949年になって現在の場所で「相ノ木停留場」として再出発しています。
つまり相ノ木駅は、新宮川駅とはまた違った意味で"いったん途切れた歴史"を持つ駅だったわけです。
現在は一本の「地鉄本線」に見えても、もともとは別会社が別々に作った路線が、後に合併して一本になった"寄せ木細工"の歴史。さらに駅によっては、廃止・再開業という"段差"まで挟まっています。
だから、
・上市駅より先にある新宮川駅のほうが古い
・相ノ木駅は実は一度途切れている
という、ちょっと不思議な並びが生まれているわけ。
地鉄の駅を巡ると、こうした"歴史の段差"が見えてくるのが本当に面白いところ。
ローカル線の旅は、こういう小さな発見があるからやめられません。
2日目のゴールへ
富山地鉄の新宮川駅の駅名標を撮影するという、私にとっての最大の目的は果たしました。
今夜の宿泊地へ移動します。
地鉄の車両と別の車両も見えますね。
宿泊先のホテルが奥に見えています。
さて、ここはどこなのでしょうか。
次回は、このホテルをご紹介します。
駅チカで格安、それでいて富山グルメも満喫できる素敵なホテルですよ。
(令和6年5月撮影)
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