北陸新幹線で加賀温泉駅へワープし、いよいよIRいしかわ鉄道の乗り潰しがスタート。
まず訪れたのは難読駅として知られる動橋駅と、温泉地の玄関口・粟津駅です。
どちらも立派な木造駅舎が残り、駅前にはかつて北陸鉄道の支線が伸びていました。
現役の鉄道だけでなく、失われた路線の痕跡もたどりながら、石川県南部の駅をめぐります。
前回までのお話
北陸新幹線敦賀延伸開業後に在来線を移管した区間をめぐる旅。
前回は1日目の宿泊先、ドーミーインPREMIUM福井の宿泊レビューをお届けしました。
本日は、乗り潰し旅再開、福井から北上して、IRいしかわ鉄道の乗り潰しに向かいます。
福井県から石川県へ
福井駅
加賀温泉駅
やってきたのは石川県の加賀温泉駅、福井駅からは北陸新幹線でワープしました。
IRいしかわ鉄道駅名標
IRいしかわ鉄道の駅名標は、ロゴ以外は、ほぼJR西日本というデザインです。
IRいしかわ鉄道について
IRいしかわ鉄道は、北陸新幹線の金沢開業時にすでに営業を開始していましたから、初めて乗る路線ではありませんが、ここでどのような路線か紹介をしておきましょう。
IRいしかわ鉄道は、平成27年(2015年)3月14日の北陸新幹線金沢開業に伴い設立された第三セクター鉄道です。
当初は金沢~倶利伽羅間のみを運営していましたが、令和6年(2024年)3月16日の北陸新幹線敦賀延伸開業に伴い、大聖寺~金沢間が移管されました。
現在は大聖寺~倶利伽羅間64.2km、19駅を運営し、石川県内の並行在来線の大部分を担っています。
車両は主にJR西日本から引き継いだ521系電車を使用し、ハピラインふくいやあいの風とやま鉄道との直通運転も実施。
北陸本線当時と同様に、石川県内の通勤・通学輸送を支える重要な路線であることに変わりありません。
開業当初は県内の一部区間(倶利伽羅~金沢)だけを運営する少し変わった第三セクター鉄道でしたが、敦賀延伸によって石川県内の並行在来線をほぼ一体的に運営する会社へと変化しました。
では、本日の乗り潰し旅スタートです。
動橋駅
金沢方面に一駅進みます。
動橋は「いぶりはし」と読みます。北陸には、他に石動「いするぎ」駅など「動」という漢字を使った難読駅がありますね。
動橋駅は明治30年(1897年)に北陸線の駅として開業しました。
駅名標とハピラインふくいの車両
地味なIRいしかわ鉄道の駅名標に色を添える、ハピラインふくいのかわいいピンクの車両です。
正確な建築年は確認できませんでしたが、長年地域を見守ってきた風格を感じる駅舎です。
三セク化で、木造駅舎の保存率は高くなるのではないかと淡い期待を持っている私です。
駅内部
改札
左側にカーブする道路、なんだか廃線跡に見えませんか?
ということで昔の写真と比べてみましょう。
昭和40年の動橋駅前
……と、ここまで得意顔で書いたのですが、この写真をよく見て、あることに気がつきました。
駅の北側にも、線路跡らしきスペースが広がっているではありませんか。
調べてみると、動橋駅には北側にも 北陸鉄道片山津線が発着していたのです。
廃線跡を見つけた!と喜んでいたら、実はもう一本あったというオチ。
動橋駅、南と北の両側から私鉄が出ていた、なんとも賑やかな交通の結節点だったのです。
駅の歴史
駅内部に戻るとこんな動橋駅の歴史をつづった年表もありましたよ。
給水塔もあったんですねえ。
先に読んでおけってことですよね。
粟津駅
もう1駅、金沢駅方向に進みます。
粟津駅、たしか温泉がありますよね。
粟津駅は明治40年(1907年)に開業した駅です。
駅名のとおり、北陸最古と言われ、開湯1300年を超える粟津温泉の最寄駅として発展してきました。
現在でも温泉街への玄関口として利用されています。
駅名標とIRいしかわ鉄道の車両
IRいしかわ鉄道の車両と一緒に撮影できました。北陸の三セクは相互に乗り入れしているので、カラーのレパートリーが豊富ですよねえ。
金沢駅では、IRいしかわ鉄道、ハピラインふくい、あいの風とやま鉄道の3社の車両を見ることができます。
第三セクター鉄道3社の車両がそろう光景は、全国的にもなかなか珍しいのではないでしょうか。
こちらはIRいしかわ鉄道の521系電車。
JR西日本から引き継がれた車両ですがIRいしかわ鉄道カラーの青を基調としたラッピングが特徴です。
正面から見ると青い森鉄道の車両と少し雰囲気が似ていますね。
駅舎
カラフルな柱はありますが、こちらも古そうな木造駅舎が残っているようです。地域の玄関口らしい落ち着いた雰囲気を感じます。
駅前
駅前の空き地がとても広いです。もしかして、ここも廃線跡?
昭和40年の粟津駅前
もうちょっと駅前に進んで見たら見つけられたんですよねえ、悔しい!
動橋駅では廃線跡を見つける活躍を見せた私ですが、粟津ではあと数歩が足りませんでした。廃線探し、まだまだ修行が足りません。
この付近には、かつて北陸鉄道粟津線が走っていました。
粟津温泉方面へ向かう路線で、昭和37年(1962年)に廃止されています。
廃止の理由がまたユニークで、国道8号の拡幅工事のため、というのです。
戦争でも災害でもなく、道路工事に負けた鉄道。
モータリゼーションの波をそのまま体現したような最期です。
粟津線の新粟津駅は国鉄の粟津駅に接続していましたが、動橋の片山津線と同じく線路はつながっておらず、乗り換えが必要な構造でした。
このあたり北陸の私鉄路線に共通するこのちぐはぐさも、今となっては愛おしいポイントですが、廃止が早まった理由にもなったのかもしれませんね。
現地を歩くと、道路の形や敷地の配置に、かつての鉄道を思わせる風景がまだ残っているかもしれません。
次に来るときは、もう少し足を延ばしてみようと思います。
ラッセル車
構内にはラッセル車も留置されていましたよ。
北陸らしい光景ですね。
雪山
晴れていれば加賀平野の向こうに白山連峰を望むことができます。この日見えていた山も、その白山連峰かもしれません。
次回は、粟津駅から逆行し、県境の駅であり鉄道会社の境界駅でもある大聖寺駅を目指します。
(令和6年5月撮影)
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