吉井駅|上信電鉄の町を支えた藩庁の面影と、生活のにおいが漂う駅舎 | 日本中の駅を旅する 駅と駅舎のブログ

日本中の駅を旅する 駅と駅舎のブログ

 日本中の駅を旅したいというあなたのために、有名木造駅舎から無名のホームだけの駅まで、1駅1駅ご紹介して、各駅下車の駅めぐりをしている気分を味わっていただくブログです。
 空旅、企画旅、鉄道クイズもあります。

高崎市街から列車で20分ほど。 車窓に流れる風景が町の色を帯び始めると、そこはかつての吉井藩の城下町・吉井。上信電鉄の中でも特に「町の中心」を感じさせるこの駅には、今も人と鉄道の時間が静かに流れています。

 

 

 

 

駅舎

 

駅舎全景

吉井駅舎の全景と駅前

冬の澄んだ青空の下に佇む木造平屋建ての吉井駅舎。右部分には板張りの意匠が残ります。
 

駅舎正面

吉井駅舎、青空の下の木造平屋建て正面部分はモルタル塗りとなっています。

駅舎の建築は昭和初期ごろとされ、当時は駅構内の別位置から移築されたとの記録も残っています。長い年月の中で補修を重ねながらも、どこか懐かしい木の温もりを感じる駅舎です。

 


 

駅前

 

駅前

吉井駅前通り、店舗と住宅が並ぶ道

駅周辺は、日常の商店が並び、周囲には民家と田畑が点在します。生活のにおいが感じられる、まさに「町の入り口」。
また、旅の足を支える無料レンタサイクルも利用可能。町歩きや史跡巡りにも便利です。

 


 

 

駅舎内

 

待合スペース

吉井駅構内のポスターとベンチ

明るいグリーンの内壁に、木製枠の窓ガラス。作り付けの長いベンチがあり、待合室には 時間の流れの穏やかさが漂います。
 
出入口

吉井駅舎内の掲示物とベンチ

山名駅と同様、木製の大きな引き戸が利用客を迎えてくれます。
 
出札と改札

吉井駅の待合スペースと出札口

記事作成時の情報では終日有人駅
通常は列車別改札で、改札口には チェーンが設けられています。

 


 

構内

 

改札を抜けて構内へ

吉井駅ホームと線路

構内は 島式1面2線ホーム。上信電鉄の駅は地表を渡ってホームに向かう動線が残り、昔ながらの地方鉄道らしい趣のある構内が残っています。

ホームの屋根下にはベンチが設けられ、冬の日差しを受けながら静かに列車を待つことができます。
 
作業スペース

吉井駅構内の作業スペースと線路

構内の一角には保線用の作業スペースがあり、レール部品が点在して少し雑然とした雰囲気。それもまた「現役の鉄道」の息遣いを感じさせる一場面です。
 
下仁田方面

吉井駅構内、島式ホームと線路

遠くには、冬の透明な空気の中で 上州の山並みが淡く連なって見えます。
 
高崎方面

吉井駅構内:線路とプラットフォーム、周囲の住宅地

側線もあり、構内はこれまでの途中駅に比べて格段に広くなっています。

 


 

駅名標

 

地表型

吉井駅の駅名標と上信電鉄バス案内

上信電鉄標準タイプの地表式駅名標が設置されています。文字はやや小さめで控えめな印象。
 
吊り下げ式

吉井駅の駅名標

ひらがな吊り下げ式駅名標も見られ、長い歴史を刻んできた駅の重みを感じます。

電照式の厚みのあるものですが、写真では配線を見つけることができません、もしかしたらもう灯りがともることはないのかもしれません。

 


 

駅の歴史と背景

 

平成の吉井駅

吉井駅舎、青空の下に佇む木造駅舎

古い写真では外壁が汚れ、看板も風化していたかつての吉井駅舎。それでも形状は現在とほとんど変わらず、地域の人々の暮らしとともに歩んできた姿が印象的です。

吉井駅は、かつて多野郡吉井町の中心駅でした。平成の市町村合併で高崎市の一部となりましたが、今も「吉井の町の顔」として機能しています。

 


 

 

沿線の観光案内

 

吉井陣屋跡

駅から徒歩約15分。江戸時代、この地には吉井藩の藩庁・吉井陣屋が置かれ、地域行政の中心として栄えました。陣屋跡には石碑や説明板が設けられ、今も当時の構えを偲ぶことができます。
この「藩庁を持つ町」という歴史が、吉井駅が今も沿線で特別な存在感を放つ理由のひとつなのかもしれません。

 

多湖碑

吉井駅から徒歩約25分(またはレンタサイクルで約10分)。上野三碑のひとつに数えられる古代石碑で、奈良時代の和銅4年(711年)に建立された、多湖郡の設置を記した石碑です。

 


 

未紹介の途中駅ミニ案内

 

ここまで旅をしてきて、訪問できなかった途中駅について触れておきたいと思います。


  • 南高崎駅:高崎駅のすぐ隣、構内には側線が多く、上信電鉄の車両基地に隣接。駅舎は簡素な鉄骨スレート造。

  • 高崎商科大学前駅:平成14年開業、大学最寄り駅らしく新しいホーム上屋を備えた無人駅。学生の通学時間帯は賑わいを見せる。

  • 西山名駅:改装された駅入口と小さな無人駅舎(ホーム待合室)がある、のどかなローカル駅。近隣には集落と田園風景が広がり、時間が止まったような空気感が魅力。

  •  

 

まとめ

 

吉井駅は、上信電鉄沿線で最も「町の鼓動」を感じる駅。古い木造駅舎が現役で使われ、生活のにおいと歴史が自然に交わる。
かつて藩庁を擁した町の中心としての誇りが、駅のたたずまいに今も静かに息づいています。

 

 
(令和3年12月訪問)
 

**********

 

吉井駅情報

所属:上信電鉄
開業:明治30年5月10日
場所:群馬県高崎市
形状:木造モルタル駅舎
乗換:なし

詳しい駅情報・駅時刻表は、吉井駅|上信電鉄株式会社

 

札幌駅、東京駅、名古屋駅、大阪駅、高松駅、博多駅から吉井駅へのアクセス

札幌駅から:14時50分着 所要時間8時間50分 31,510円 新函館北斗・大宮・高崎乗換 □■■□

東京駅から:7時34分着 所要時間1時間26分 5,060円 高崎乗換 ■□

名古屋駅から:9時49分着 所要時間3時間12分 14,960円 東京・高崎乗換 ■■□

大阪駅から:10時19分着 所要時間4時間29分 18,050円 新大阪・東京・高崎乗換 □■■□

高松駅から:11時15分着 所要時間6時間40分 21,210円 岡山・東京・高崎乗換 □■■□

博多駅から:13時16分着 所要時間7時間16分 26,290円 東京・高崎乗換 ■■□

 

*データはNAVITIMEで検索したもので、平日、鉄道だけで最も早い時間(最速ではありません)に到達できる時間と料金です。

*記事作成時点の情報で(記事公開日とは異なります)、検索条件によっては異なる結果になることがあります。

 

群馬の駅をぐるり 記事リスト

群馬のビジネス街にある近代的な駅舎 上越線・高崎問屋町駅 

上越線に残っていた木造駅舎のぬくもり 上越線・井野駅 

高崎と前橋、ライバル都市のはざまに生まれた駅 上越線・新前橋駅 

木造駅舎が語りかける時間の物語 上越線・群馬総社駅 

木造駅舎と宿場町の面影 上越線・八木原駅 

伊香保温泉・草津温泉への玄関口と今昔の姿 上越線・渋川駅 

尾瀬の玄関口に残るレトロ風木造駅舎 上越線・沼田駅 

築堤の上に立つ静かな無人駅 上越線・上牧駅 

月夜野の町を支える静かな玄関口 上越線・後閑駅 

水上駅|平成の記憶と令和の姿を重ねて 

湯桧曽駅|トンネルにホームがある駅とループ線旧駅跡の謎 

土合駅|上越線の秘境駅で体験するトンネルホーム 

群馬原町駅|吾妻線のまんなか、静けさと暮らしが交わる駅 

郷原駅|ハート型土偶が語る、小さな駅と古代の記憶 

矢倉駅|山あいにひっそりと佇む、探すようにたどり着く小駅 

岩島駅|吾妻川の原風景が残る旧線区間の駅 

川原湯温泉駅|八ッ場の記憶をつなぐ、橋と湯けむりの物語 

長野原草津口駅|吾妻渓谷を見守り続けた温泉玄関口と旧線の記憶 

大前駅|終着の静寂に立つ、線路の果ての物語 

佐野のわたし駅|地域の想いを乗せて渡る、新しい“わたし”の駅 

根小屋駅|猫と駅員さんが迎えてくれる、木造駅舎のぬくもり 

山名駅|冬晴れの静寂に佇む、山名氏と古碑の里 

馬庭駅|2か所の改札が語る、上信電鉄の静かな記憶 

吉井駅|上信電鉄沿線の中心地に息づく歴史と静寂 

上州新屋駅|ピンクの木造駅舎に別れを告げた日 

上州福島駅|木造駅舎が語りかける上信の真ん中で 

上州富岡駅|世界遺産の街に息づく繭のような柔らかさを感じる駅 

上州七日市駅|本と木の香りに包まれた、ふたつの出口を持つ駅 

上州一ノ宮駅|御来光に照らされる木造駅舎と「上野一宮」への玄関口 

南蛇井駅|「なんじゃい」と呼ばれる木造駅舎の不思議な魅力 

下仁田駅|木造駅舎と「ねぎとこんにゃく」終着駅のぬくもり

 

お越しになった日にちによっては、まだ公開前となっている記事があります。

 

これまでの駅舎・駅めぐりブログ

 
 

福岡県のJR駅をめぐります

 

 

滋賀県のJR駅をめぐります

 

 

 

 

 

 

 

写真は、平成10〜20年代撮影のものが多くあります。現在の状況とは変わっていることがありますので、参考にする際はご注意ください。

また、当ブログをご利用される際は、必ずこちらの記事「免責事項について」をお読みの上、ご覧ください。