世界遺産・富岡製糸場の玄関口として知られる上州富岡駅。
近代化の風を取り入れながらも、上信電鉄らしい温かみが息づく駅。冬晴れの空の下、ここから歩いていくまちの記憶をたどります。
駅舎
駅舎全景
開放的な大屋根が印象的な上州富岡駅。
現在の駅舎は平成26年、富岡製糸場の世界遺産登録に合わせて建て替えられたものです。屋根の下には駅舎と観光案内所がゆったりと並び、まるで「人を迎える広場」のような空間が生まれています。
駅舎そのものはコンパクトながら、レンガ調の外壁と木材の質感が調和し、どこか繭のような柔らかさを感じさせます。
駅前
駅前のゆるキャラ・お富ちゃん
駅前で迎えてくれるのは、富岡市の人気ゆるキャラ「お富ちゃん」。
繭をモチーフにした髪飾りとにっこり笑顔が印象的。旅人の心をふっと和ませてくれます。
駅前の風景
駅前は意外にも静かで、広がるのは穏やかな町並み。
駅周辺は市街地というよりも、少し落ち着いた旧市街の趣です。実際の中心商店街や富岡製糸場は駅から徒歩約15分ほどの場所にあり、駅から製糸場へ向かうまでの散策こそがこの町の楽しみでもあります。
駅前には「県立世界遺産センター」があり、そのレトロな外観に思わず「ここが製糸場?」と錯覚してしまうほど。
富岡製糸場の歴史
富岡製糸場案内パネル
富岡製糸場は明治5(1872)年、日本初の官営模範製糸場として誕生しました。
当時の日本は輸出産業として生糸を重視し、技術導入のためにフランス人技師ブリュナ氏を招聘。
この工場では最新の製糸技術が導入され、後に全国へと伝えられます。
閉鎖後も保存活動が続けられ、平成26(2014)年にユネスコ世界文化遺産に登録されました。
「近代化の原点」でありながら、赤レンガの建物群には女性工女たちの息遣いが今も残るようです。
駅からの道のりには「富岡まちなか観光通り」が整備され、カフェやお土産店をのぞきながら歩くのもおすすめです。
駅舎内部へ
駅看板と時計
駅舎正面にはレンガ調の壁とレトロフォントの駅名看板。
その上に掲げられた時計は繭をかたどったデザインで、富岡らしいセンスを感じます。
出札
駅は有人駅。
窓口はやや低めで、訪れる人との距離が近い印象です。
これまでご紹介した上信電鉄の駅にはなかったタッチパネル式券売機が導入され、富岡市の中心駅であり観光拠点駅らしい現代的な表情を見せています。
待合スペース
中央にはアイランド型のベンチがあり、窓からさす優しい冬の陽をあびて列車を待つ時間は穏やかに感じられそうです。
この居心地のよさが、観光客だけでなく地元の人々にも愛される理由でしょう。
観光案内所
駅舎の横には、駅舎と続く大屋根に守られた観光案内所があります。
改札・構内
改札
改札には上信電鉄としては珍しい液晶式発車標が設置されています。
上信線の中でも「途中駅」でこの設備があるのはここが初めて。
ここにも観光の起点としての役割がよく表れています。
構内全景
構内は島式ホーム1面2線を中心に構成されています。
駅舎側にもホームがありますが、現在は、1・2番線ホームのみを使用しており、駅舎側の旧ホームは閉鎖されているようです。
そのため、実際の乗降は島式ホームに集約され、効率的な運用がなされています。
ホーム上屋
ホームの上屋は古い木造のままで、上信電鉄らしい温もりが残ります。
新しい駅舎との対比がどこか懐かしく、時の流れが一枚の写真の中で交わるようです。
のりば案内
「のりば案内」も昔のままで、鉄道ファンにはたまらない一枚です。
駅名標
地表形は上信電鉄標準タイプ、吊り下げ型は、モノクロでフォントは明朝体となっており、レトロ感を演出しています。
旧駅舎とトイレの記憶
旧駅舎
旧駅舎は2階建てのコンクリート造で、立派な構えでした。
かつては上信電鉄の本社や車両基地が併設されていた時代もあり、まさに「上信の中心」だった場所です。
トイレ
そして駅前には、電気機関車の形をしたトイレがありました。
パンタグラフまでついた遊び心に満ちたデザインは多くの鉄道ファンに愛されましたが、今は撤去されてしまったようです。
このトイレを懐かしむ声も多く、「上州富岡=あの機関車トイレ」と語る人もいるほどでした。
まとめ
上州富岡駅は、単なる観光拠点ではなく、上信電鉄の象徴的な存在。
新しい駅舎と古い上屋が共存し、伝統と近代化の調和を体現しています。
ここから歩く「富岡製糸場」への道には、明治から令和までの日本の近代化の歩みが刻まれていました。
ゆるやかに時を運ぶ列車の音が、今もこのまちの鼓動を伝えています。
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上州富岡駅情報
所属:上信電鉄
開業:明治30年7月7日
場所:群馬県富岡市
形状:平屋駅舎
乗換:なし
詳しい駅情報・駅時刻表は、上州富岡駅|上信電鉄株式会社で
札幌駅、東京駅、名古屋駅、大阪駅、高松駅、博多駅から上州富岡駅へのアクセス
札幌駅から:15時05分着 所要時間9時間05分 31,750円 新函館北斗・大宮・高崎乗換 □■■□
東京駅から:7時51分着 所要時間1時間43分 5,300円 高崎乗換 ■□
名古屋駅から:10時05分着 所要時間3時間28分 15,200円 東京・高崎乗換 ■■□
大阪駅から:10時34分着 所要時間4時間44分 18,290円 新大阪・東京・高崎乗換 □■■□
高松駅から:11時32分着 所要時間6時間57分 21,450円 岡山・東京・高崎乗換 □■■□
博多駅から:13時30分着 所要時間7時間30分 26,530円 東京・高崎乗換 ■■□
*データはNAVITIMEで検索したもので、平日、鉄道だけで最も早い時間(最速ではありません)に到達できる時間と料金です。
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