上州一ノ宮駅|貫前神社の玄関口に残る背折屋根の木造駅舎 | 日本中の駅を旅する 駅と駅舎のブログ

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冬の朝、東の空から差し込むやわらかな光が、古びた駅舎の屋根を金色に染めていきます。
上州一ノ宮駅――この地の「一宮」である貫前神社へ向かう参拝客を見守り続けてきた、静かな始発の駅です。

 

 

 

 

 

駅舎|背折屋根が印象的な古い木造駅

 

駅舎全景

上州一ノ宮駅と貫前神社

冬の朝日を背にした上州一ノ宮駅の木造駅舎。
屋根は珍しい形で、上部の傾斜が急になった「背折屋根」と呼ばれる構造をしています。
外壁は古びたモルタル様の材質で一部には押縁下見板張りの部分も。
その静かな木目と影が朝日に照らされて浮かび上がり、まるで神社参道の一角に立つ社のような厳かさを感じさせます。

開業は明治30年。駅舎は二代目とされ。その建築年代は昭和14年です。和の顔を持つ木造駅舎でありながら洋風の要素も取り入れた、いかにも私鉄創世記の雰囲気をよく残す建築です。

 

駅舎正面と「貫前神社」

 

駅舎正面

上州一ノ宮駅の看板と提灯

正面の駅名看板は新しく書き換えられており、清々しい印象。
軒下には「貫前神社」と書かれた提灯が吊るされ、駅の名が示す通り、上野国一之宮・貫前神社への玄関口であることを教えてくれます。

貫前神社は、古代上野国の一宮(もっとも格式の高い神社)として知られ、創建は5世紀後半とも伝えられる古社。
特徴的なのは、本殿が参道より低い位置にある「下り宮」構造
全国でも珍しく、参拝者は石段を下って本殿へ向かう形になります。
古代から養蚕や製糸で栄えた地域の守護神として信仰を集め、上信沿線に点在する多くの神社に影響を与えたといわれています。

 

側面と付け庇に残る記憶

 

駅舎側面

上州一ノ宮駅舎と自転車

側面から見ると、駅舎の妻面は上部が切り取られたような独特の造形
構内側の屋根は背折にはなっておらず平面的で、付け庇には古いトタン屋根が残ります。

 

臨時改札?

上州一ノ宮駅と貫前神社の鳥居

その下にはラッチ(旧改札口の金属柵)が今も残っており、かつて賑わった参拝シーズンや行楽期の記憶を静かに伝えています。

 

 駅前と地下道

 

駅前上州一ノ宮駅前、青空と古い町並み

駅前は民家が並ぶ小さな通りで、奥はゆるやかな坂道。
その先に見える森の中に、貫前神社の杜が広がっています。
 
地下道

上州一ノ宮駅の古い地下道

また、駅前には古い地下道があり、反対側の地区と駅をつないでいます。
どこか昭和の香りを残すその造りも、この駅の魅力のひとつです。

 

出札改札

 

出札改札

上州一ノ宮駅の窓口と時刻表

駅舎内には古い木造の内壁と梁がそのまま残り、平日と隔週土曜日の朝・午後~夜営業の有人駅
床面は古い三和土(たたき)かコンクリートになっていて、朝日に照らされる凹凸が、長いこの駅の歴史を物語っています。

改札は金属製ラッチで、往時の姿を今に伝えています。

 

 

ホームから望む妙義山と浅間山

 

構内高崎方面

上州一ノ宮駅と貫前神社の看板

構内は 地表通路を渡る島式ホーム構造で上信電鉄ではこの光景をよく目にします。
 
構内下仁田方面

上州一ノ宮駅ホームと山並み

下仁田方面ホームに立つと、朝日を浴びる妙義山と雪化粧した浅間山が遠くに見えます。
この風景こそ、上信沿線ならではの贅沢。

 

 

駅名標の表情

 
駅舎の柱の駅名標

上州一ノ宮駅の木造駅舎と駐輪場

駅舎の柱に取り付けられた 木製縦型駅名標は、かすれた文字が歴史を感じさせる逸品。
 
ホーム駅名標(地表型)

上州一ノ宮駅の駅名標と駅舎

ホーム上の地表型駅名標は他駅と異なり、文字色が ブラック
 
ホーム駅名標(吊り下げ型)
上州一ノ宮駅と世界遺産登録決定
さらに吊り下げ型の駅名標は 茶色く変色し、 ひらがな表記のレトロフォントが、上信電鉄の長い歴史を語ります。

 

 

駅周辺の見どころ|上野国一之宮「貫前神社」へ

 

上州一ノ宮駅から貫前神社までは徒歩約10分。
道中には古い商家や石垣が残り、往時の 門前町の面影が漂います。
また、貫前神社では春と秋に 例大祭が行われ、神楽や山車が町を練り歩く姿が見られます。

この駅は、単なる交通の拠点ではなく、 古代の信仰と地域の歴史を今に伝える玄関口なのです。

 

まとめ

 

上州一ノ宮駅は、上信電鉄の中でも特に「木造駅舎の記憶」が息づく駅。
特徴的な屋根、残されたラッチ、そして貫前神社へと続く参道のような雰囲気。
朝日に照らされるその姿は、まるで御来光を迎える社のように静かで神聖でした。
 
 
(令和3年12月訪問)
 

**********

 

上州一ノ宮駅情報

所属:上信電鉄
開業:明治30年7月7日
場所:群馬県富岡市
形状:昭和木造駅舎
乗換:なし

詳しい駅情報・駅時刻表は、上州一ノ宮駅|上信電鉄株式会社

 

札幌駅、東京駅、名古屋駅、大阪駅、高松駅、博多駅から上州一ノ宮駅へのアクセス

札幌駅から:15時11分着 所要時間9時間11分 31,850円 新函館北斗・大宮・高崎乗換 □■■□

東京駅から:7時57分着 所要時間1時間49分 5,400円 高崎乗換 ■□

名古屋駅から:10時12分着 所要時間3時間35分 15,300円 東京・高崎乗換 ■■□

大阪駅から:11時01分着 所要時間4時間49分 18,390円 新大阪・東京・高崎乗換 □■■□

高松駅から:11時38分着 所要時間7時間03分 21,550円 岡山・東京・高崎乗換 □■■□

博多駅から:13時37分着 所要時間7時間37分 26,630円 東京・高崎乗換 ■■□

 

*データはNAVITIMEで検索したもので、平日、鉄道だけで最も早い時間(最速ではありません)に到達できる時間と料金です。

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