kyupinの日記 気が向けば更新 -8ページ目

最近、ミノムシ、モンシロチョウ、ヘビを見なくなったこと

 

仔猫とヘビ、減る生き物たち

 

散歩をしていると、昔は普通に見ていた動物や昆虫を見なくなったことに気づく。

 

よく思うのは、ヘビを見なくなったこと。川の近くでも全然見ないので、かなり減っていて、もしかしたら市内では絶滅しているのではないかと思っていた。

 

ところがある日の夕方、川辺の草むらに仔猫が2匹、香箱座りしており、近くまで行ってみると、なんと仔猫の目の前に小さな赤いヘビがとぐろを巻いていたのである。2匹のネコは手で触ろうとするなどのアクションはなかった。2匹でその小さなヘビを見守っている感じだった。

 

猫2匹と草むら、石垣

 

近年、生態系が変化して、昔は普通に見ていた動物や昆虫をあまり見なくなっている。例えば、ミノムシとモンシロチョウである。

 

特にミノムシは、子供の頃は至る所にいたのに全然見なくなった。ミノムシは元々外来種であり、木製品などに紛れて大陸から渡ってきたらしい。外来種とは言え、ここ100年以内でなく、江戸時代頃には既に日本に定着していたようである。

 

ところが1990年代半ばに、ミノムシ(オオミノガの幼虫)に特異的に寄生する外来種のハエ(オオミノガヤドリバエ)が中国大陸から侵入したことで、一転して個体数が激減したと言う。

 

1990年代は最近とは言えないかもだが、江戸時代以前に既に日本にいたとしたら、十分に最近の話である。またミノムシが激減したことにより、天敵のオオミノガヤドリバエも著しく減少することになった。

 

野良猫とヘビの遭遇

 

また、モンシロチョウも散歩中にみることがまずない。しかしアゲハ蝶は時々見かける。子供の頃、モンシロチョウの幼虫はキャベツ畑でたくさん見ていた。いわゆる青虫とサナギである。モンシロチョウの卵も特徴があり、キャベツの葉の裏に産み付けられていて、理科の教材にもなっていた。

 

青虫はキャベツや白菜の葉に穴を開け商品価値を下げるので、農薬で強力に駆除されたか、有機農業ならビニールハウスなどで寄って来ないようにしているのであろう。青虫が食すキャベツや白菜以外の草花も激減していることもあり、モンシロチョウを見なくなったのだと思う。

 

アゲハ蝶の一部は幼虫が柑橘類につくため、まだ見るような気がする。柑橘類の葉は商品ではないし、アゲハ蝶の大量発生も聴かないので、強力には駆除されていないのだと思う。

 

斑猫と落ち葉、石垣の植物

 

他、少なくとも散歩中に滅多に見なくなったものとして、スズメ、シオカラトンボを挙げたい。少なくとも僕が住む地方の都市部ではほとんど見ない。一方、スズメ以外のカラス、鳩は全然減っていない。

 

シオカラトンボは子供の頃、最もありふれたトンボだった。薄い青色で、わりあい小型のトンボだった。一方、ギンヤンマ、オニヤンマは当時もあまり見ないトンボだった。

 

小学生の頃、空からすごい音が聴こえたので見上げると、電柱に巨大なオニヤンマが止まり、大型の蜂を食べていた。あのオニヤンマのサイズだとツバメも容易に捕まえられないと思った。

 

トンボといえば、夏の終わりに赤とんぼは見た。ただし昔とは違っていて、大した数ではなかった。

 

減少している動物や昆虫の一部は、やがて本当に絶滅してしまうのだと思う。

 

家の中がゴミ屋敷でも仕事や遊びにはきちんとして出かけるメカニズム

 

 

今日は上の記事の続きである。

 

ある時、診察の話である患者さんから家の中が散らかりまくり、ゴミ屋敷状態になっていると言う話を聴いた。しかし仕事には遅刻せず、きちんと身だしなみを整えていると言うのである。

 

このように気が緩む場面では、片付けなども含め綺麗に整理整頓出来ないが、仕事の場面では全く周囲に気付かれないほどに振る舞える人がいる。

 

これはその人にとって仕事が特殊な環境であることがうかがえる。

 

そもそも仕事が楽しくてたまらないなんて、伝統的な日本社会ではあまりない話だと思う。

 

だから本人にとって楽しくなくきついと思う職場あればあるほど、脳内にノルアドレナリンが出る環境になる。このノルアドレナリンがなんとか仕事を最後まで全うできる源泉の1つだと思う。だからこそ、嫌で嫌でたまらない気持ちで出勤しても、なんとかその日の仕事を問題なく終えられる。

 

一方、うつ気味の人はなんとか家にたどり着くと、たちまちノルアドレナリンが不足する状況になり、その日の疲れが一度にどっと出る。疲労困憊である。

 

日々、その繰り返しである。

 

職場環境では、ドパミンが出る瞬間などほとんどないのがポイントである。つまりとても楽しく脳が喜ぶ場面がない。

 

家に帰って、ゲームをしたり、SNSに書き込みをしたり、あるいはぼんやりYouTubeを見たりする時間は、その人の脳が渇望しているドパミンがなにがしか得られるので、問題なくできる。

 

部屋を片付け整理整頓することは,鬱陶しくなかなかスタートできない。つまり整理整頓はその人にはドパミンが出る要素がない。

 

このような理由で、ゴミ屋敷の中でゲームやSNSをしていると言う光景が生じる。簡単に言えば、好きなことは出来るといったところである。

 

このようなこと考えていくと、人間にとって「出勤して仕事をすること」は社会的規範であり、外部からの強制力を持つルールであることがわかる。これは脳に刷り込まれているのである。

 

部屋がゴミ屋敷になっても、その中でゲームをしたり、SNSなどへの投稿は普通にしているのは、ある種の脳への補給行為である。それにより、その人はなんとかバランスを取っている。

 

このようなバランスを取る行動は、人によればフィギュアを集めたりといった趣味なども含まれる。

 

このようにバランスを取る行動の中で、「甘いもの」の渇望は重要だと思う。これは過食ではなく具体的に「甘いもの」である。実際、過食では食パンとかキャベツなど、甘いものとは言い難い食物を大量に摂る人もおり、この2つは異なる行動に見える。

 

甘いものは、それを渇望している時に食べることで、ドパミンが脳内から放出されるのであろう。

 

今日の記事はASD、ADHDのテーマに入れているが便宜的なものだ。

 

臨床医は、その人が診断基準的に厳密にADHDかどうかはあまり重視していない。こう言う症状はADHDにありがちだが、そうでない人もこの症状が診られることがあるよね、と言ったスタンスである。

 

そのようなことから、僕は「片付けが苦手」というのは考え方はしない。

 

参考

過去ログの似た記事

 

2025年MLBのNLCS第4戦と大谷翔平

 

 

2025年のMLBワールドシリーズは、ロサンゼルス・ドジャースがトロント・ブルージェイズに勝利し2連覇を達成した。ドジャースは大谷翔平、山本由伸、佐々木朗希が所属していることもあり、日本国内でも注目度が高くNHKがポストシーズンのドジャースの試合を毎試合放映していた。

 

今年のワールドシリーズは、ドジャース対ブルージェイズが大接戦で最終戦までもつれ込んだ上、劇的な場面も多くあり、歴代でも最高のワールドシリーズの1つだったと思う。

 

上記はワールドシリーズの前のNLCS、ドジャース対ブルワーズ第4戦のハイライトである。この試合、大谷翔平は打っては3ホームラン、投げては6回3分の0を無失点、10奪三振を奪う大活躍であった。しかもホームランのうち1本は場外弾というおまけ付きである。

 

大谷翔平はNLCSでは、この試合まで印象に残る活躍をしていなかったが、この1試合の個人パフォーマンスが信じがたい内容だったこともあり、MVPを獲得している。もし大谷翔平がここまでの活躍をしていなかったら、おそらくMVPはブルワーズ戦で完投勝利した山本由伸が獲得していたのでは?と思う。

 

 

上は2本目のホームラン、場外弾のドジャースベンチやブルペンの様子である。マンシーが顔を真っ赤にして喜んでいることに注目。

 

ドジャースは、地区シリーズのフィリーズ戦では佐々木朗希が素晴らしいリリーフでの活躍を見せた。もし地区シリーズにMVPがあったなら、おそらく佐々木朗希が獲得していたと思う。ワールドシリーズは山本由伸がMVPを獲得しており、もし日本人の3人のうち1人でも欠けていたなら、ドジャースはワールドシリーズを勝てなかった可能性の方が高い。それどころかレギュラーシーズンですら優勝していたかあやしいものだ。

 

ポストシーズンでの彼らは、日本人を元気付けるには十分な活躍だったと思う。

 

よく考えると、大谷翔平のいわゆる二刀流は昔なら考えられないようなことで、故、水島新司氏でさえこのような漫画は描いていない。これが映画の脚本だったとしても、「書き直して来い」と言われかねないものだと思う。

 

大谷翔平の活躍を見ていると、若くで亡くなった友人を思い出す。以下に出てくる友人である。

 

 

長く生きていれば、彼も大谷翔平の活躍を見ることが出来たのに、である。(なぜか亡くなった友人について、いつも同じことを思う)

 

それほどまでに大谷翔平の活躍は唯一無二で異次元なものだ。

 

MLBを観ていると、アメリカ人がMLBのプレーのうち、ホームランと三振が凄く好きなのがよくわかる。つまりわかりやすいプレーが好きなのである。それを両方ともハイレベルで出来る大谷翔平が好かれないわけがない。つまり「ドジャースは悪の帝国だが、大谷翔平は別格で嫌いになれない」と言った感じである。

 

今回のワールドシリーズに限らず、レギュラーシーズンやポストシーズンで戦った選手たちに小学生くらいの孫ができた頃、「爺ちゃんは、昔、大谷翔平と戦った」と話すはずである。

 

それくらい将来、同じことができる選手は現れそうにない。

 

MLBの今回のポストシーズンでは、以下のようなことが語られていた。

 

“Born too late to explore the world, born too early to explore space, but born just in time to watch Shohei Ohtani play baseball”

 

私たちは、世界中を探検するには遅すぎ、宇宙を探検するには早すぎたが、大谷翔平を見るにはちょうど良い時に生まれた。

 

 

 

 

急にクマが人を襲い出した謎

ここ数年、ヒトの居住地で熊が目撃されることが多くなり、ヒトを襲って死亡ないし大怪我をさせる事件が増えてきた。地球温暖化も含め以前のような環境ではなく、餌のどんぐりなどの不作など様々な原因があり、今の状況があると言われている。

 

熊による獣害事件として、カメラマン星野道夫さんのロシアでの熊撮影中の死亡事件が知られている。

 

 

Wikipediaから

https://ja.wikipedia.org/wiki/%E6%98%9F%E9%87%8E%E9%81%93%E5%A4%AB

 

この事件の原因として、熊が餌付けされていたためヒトに対する警戒感が乏しかったことが挙げられている。星野道夫さんは熊のことをよく知っており自信を持っていたこともあり、危険と思われる場所から撮影していた。彼が撮影しようとしていた熊は、実は彼がよく知っている野生のクマではなかったのである。

 

つまり、熊は安易に餌付けしてはならないことがわかる。

 

現在の日本国内のヒト居住地の熊の出没や獣害被害の激増だが、広く全国各地で同時に起こっていることは不思議だ。そもそも熊はヒトを恐れて、ヒト居住地には近寄らない性質があるのである。

 

また、全国各地で広く熊を餌付けしたという話も聴かない。

 

各地の熊はスマホを持たずテレビをみないので、相互の連絡というか情報共有などできない。

 

しかし相互の連絡がないはずの熊が、時系列的に、同時に一斉にヒトを襲い始めたのである。熊による獣害被害や、スーパーマーケットや住居に入り込んだという事件を聴くたびに、僕は不思議でならないでいる。

 

余談だが、九州には熊が生息していない。過去には生息していたらしいが、多く狩猟されたとか、人工林が多いなどの理由で熊が減少し2012年に絶滅宣言が出されている。比較的近年であることに驚く。

 

 

九州では、今でもたまに熊の目撃情報があるらしいが、他の動物の見間違いであろうと言われている。

 

 

 

リエゾンで診るウェルニッケ脳症

1990年代に初めてウェルニッケ脳症の患者さんを診た。その患者さんは僕の担当患者さんではなかったが、非常に興味深いと思ったので保護室によく診に行っていた。

 

ウェルニッケ脳症は三主徴などと言われるが、臨床的には全て揃っていることはかなり少ないと思う。その患者さんは明らかに意識障害があり、そのために精神科病院に入院していたのである。

 

ウェルニッケ脳症の三主徴とは、眼症状(眼球運動障害など)、小脳性運動失調(歩行失調など)、 意識障害である。

 

当時、最初の患者さんを診ながら驚いたことは、連日、アリナミンFを大量に静注しているうちにほとんど正常な人に戻ってしまったことである。アリナミンF(フルスルチアミン)はビタミンB1の誘導体である。治療のポイントは、アリナミンFを絨毯爆撃のように投与することだった。

 

アリナミンFのアンプルは25、50、100㎎の3剤型があり、添付文書を見てもウェルニッケ脳症の適応の記載こそあるが、明確にいくら投与せよと言う記載がない。ウェルニッケ脳症の治療法を知らず、のんびり100㎎くらい毎日投与していると、重要な良くなる時期を逸し認知症(コルサコフ症候群)に至る。

 

これは治療者としては大失策で、裁判になればほぼ負ける事例である。

 

絨毯爆撃とはいかなる用量かと言えば、症状が重いウェルニッケ脳症では、500 mg 静注を1日3回、3~5日間投与するが、良くならないならもう少し長くても良い。なお、1500㎎は1日100㎎アンプルを15本である。これが絨毯爆撃でなくてなんであろう。

 

明確に良くなれば、1日250㎎くらいを数日投与する(5日間くらい)。その後、経口投与を長期に続ける。

 

なお、アリナミン投与は1日600㎎で良いと言う意見もある。いずれにせよ、ビタミンB1は多すぎたとしても尿に排出されるので、このような異常事態では大量投与する。同じ理由でウェルニッケ脳症の疑いでも投与した方が良い。

 

アリナミンFの100㎎アンプルは薬価的には1本100円くらいしかしないが、普通、院内薬局にたいした在庫がないことが多い。アリナミンFを常備するには、患者数としてはかなり少ないからである。そのためアリナミンFの100mgアンプルを購入しつつ治療を続ける。重篤なウェルニッケ脳症はいつも短期決戦である。

 

その後、ウェルニッケ脳症は自分の勤める単科精神科病院より、むしろリエゾンで診ることが多くなった。多いとは言え珍しい症例である。ただし、アルコール依存症専門の病院では事例はもう少し多いのでは?と思う。

 

リエゾンで診るウェルニッケ脳症は、たいてい無治療のアルコール依存症の患者さんであった。意識障害や幻覚があり、対応に困りリエゾンで紹介される。ちょっと驚いたのは、医師が上に挙げた投与すべきアリナミン用量を知らなかったことである。(1日1500㎎、1日600㎎いずれも正解)

 

そこで、身体科の担当医と薬剤師で話し合い、アリナミンFの投与量と購入計画を立てた。

 

普通、ウェルニッケ脳症はアリナミンFの大量投与が不発になり、速やかにコルサコフ症候群と呼ばれる重い認知症になったとしても、やむを得ないほどの重篤な器質性疾患である。

 

しかし、リエゾンで遭遇するウェルニッケ脳症は初回のアリナミンFの治療で、なぜか100%に近い確率で、見かけ上、普通の人に戻った。しかしながら、彼らは容易にアルコールを止めないので、永遠に入院しない限り予後不良である。

 

リエゾンでウェルニッケ脳症が初回治療で良くなる確率が高いように見えるのは、おそらく初めて精神科の治療を受けたからだと思う。

 

僕は本人と家族にいつも言う。「今回は幸運にも良くなりましたが、こういうことがまたあると、次は認知症になるリスクが高いです」

 

アルコール依存症があれほどの数いるのに、ウェルニッケ脳症になる人がかなり少ないのは、彼らに生物学的背景があると思わざるを得ない。

 

ビタミンB1は糖代謝に必須で、グルコース代謝が増えるほど大量に消費される。高需要になる状況とは、感染症、妊娠・授乳期、甲状腺機能亢進症、大量糖輸液などである。しかし、この程度の身体的背景で簡単にはウェルニッケ脳症にはならない。


主に大きな要因として、ビタミンB1の吸収低下(小腸でのトランスポーター異常)が挙げられる。ビタミンB1は小腸で主に SLC19A2 / SLC19A3 などを介して吸収される。

アルコール依存症のように栄養不足で連日飲酒していると、小腸粘膜が萎縮しトランスポーターがうまく働かなくなる。

 

 また、ビタミンB1をうまく利用できないというものがある。ビタミンB1を活性型(TDP:チアミン二リン酸)に変換するには酵素が必要である。Mg²⁺欠乏によるチアミンの活性化障害というものもある。マグネシウムはチアミンピロホスホキナーゼの補酵素である。

遺伝性チアミン利用障害(例えばSLC19A3変異)というものもある。 Leigh類似症候群・ビオチン/チアミン反応性脳症(BTBGD)

Mg欠乏はアルコール依存症や栄養不良に多く、チアミンを投与しても効きにくくなる。

 

アルコール依存症の人たちのうち、選ばれた人のみウェルニッケ脳症に至るのは、彼らにはこの辺りに脆弱性があるように思う。

 

なお、アルコール依存症の人で、アルコール性肝炎や肝硬変があると、予備のビタミンB1が不足しウェルニッケ脳症の促進要因となる。(これだけでは容易にならないが)

 

上でアリナミンFの大量投与により見かけ上、普通の人に戻ったと記載しているが、これは精神科の目から精神病症状、うつ状態、意識障害、あるいは認知症などが診られないことを言っている。

 

しかし、患者さんの妻や元妻などに聴くと、微妙だが昔のようではないと言う。精神症状でも家族にしかわからない僅かな変化、後遺症がきっとあるのだろうと思う。

 

また何度も意識障害を来たし、その都度、アリナミンF大量投与で見かけ上、普通の人に戻る人もいる。ウェルニッケ脳症になる人は特別だが、その中にもバリェーションがある。

 

リエゾンで診るウェルニッケ脳症に至るレベルのアルコール依存症は、治療後もなかなか精神科治療にのらず予後不良のことが多い。

 

たいてい5年以内に亡くなっている。

 

これはそれまで精神科にかかっていないような人、つまりウェルニッケ脳症に至るまで未治療の人は、その後も治療をしないのであろう。だから5年以内に亡くなるのである。

参考