2019年10月の鹿児島県薩摩半島を巡る一人湯旅の3日目。
市比野温泉を5施設ほどハシゴし、次の温泉地へ移動した。
いつものこれまで行程のリンク集、参考にされる方はぜひ。
<初日>
ラーメン楽天 日当山店 (食事)
居酒屋 ひろみち (食事)
<2日目>
筑豊ラーメンセンター 山小屋 川内店 (食事)
<3日目>
市比野温泉のシブい丸山温泉を後にし、国道328号まで行ってやや北上。
同じ薩摩川内市にある入来温泉が次の目的地。
入来温泉の開湯は約700年前と言われ、その時は副田湯の名前で文献に見られるとのこと。
この鹿児島旅でも度々取り上げる天保14年編纂の「三国名勝図会」には入来温泉として記載されているらしい。
そしてここは残念ながら西郷どん由来は見られなかったが
、その代わりと言っては何だが幕末系では大久保利通が入来温泉を気に入っていたようだ。
その入来温泉まで到着すると、再開発真っ只中と言った感じで、あちこちが区画整理されつつある。
これから立寄る公衆浴場の湯之山館も2015年4月にオープンしたまだ十分に新しい施設だ。
広い敷地には源泉棟らしき建物もあった。
入来温泉 湯之山館
11時45分頃に到着。
無料で利用できる足湯もある。
かけ流しで使用されていたが、使用源泉が同じと見て利用はせず。
あ、利用は無料だが足を拭く貸しタオルは有料(50円)なので、利用される方はできればタオル持参を![]()
それでは母屋へ。
なかなか立派な建物だが、こちらができる前は2つの市営の共同湯があった。
「網代湯」と「柴垣湯」であり、それぞれその名の通りの違う源泉が使われていたのだ。
土地区画整理事業で2つの共同浴場は取り壊され、この「湯之山館」にまとめられた。
そう、それぞれで使われていた違う源泉をそのまま2つとも引いており、浴槽を分けて使用している。
湯旅人としては、一気に2源泉とも入れるお得な施設となったのであった。
入浴料は270円。
2源泉ある立派な施設のわりには安いのでは。
家族風呂は1500円/hである。
営業時間は6時~22時で、受付終了が21時40分。
毎月第1と第3月曜、そして1/1が定休日とのこと。
※2020年5月現在では新型コロナウイルスの影響で県外客の利用はできない。その他、来訪の際はこちらで最新情報を確認願う。
無料(おそらく)で利用できる休憩所もあり。
別棟ではリーズナブルに食事もできる。
後で思うとそこで食事をしておくべきだったのだ(^-^;
沿革が館内の上方に掲げられていた。
掲げてあると言えば、脱衣所に入る前に2源泉それぞれの浴槽温度も表示されていた。
この「アゼロ」というのが、旧「網代湯」で使用されていた源泉である。
網代はアゼロって読むんやねぇ、こちらでは。
大きな施設で駐車車両も少しあったのだが、ほぼ独り占めで利用できたのはラッキーだった。
では浴場内へ。
奥の窓側に浴槽が2つ並び、向かって左がアゼロの源泉を使った浴槽、向かって右が柴垣の源泉を使った浴槽となる。
その前、浴槽よりも目立つのが、浴場の真ん中に作られた汲み湯式の洗い場。
これは以前の「網代湯」、「柴垣湯」のスタイルを受け継いだとのこと。
それとはまた別に、3方の壁に一般的な洗い場エリアも設けてある。
床などに見うけられる堂々たる沈着がよいムードである![]()
ではまず真ん中の汲み湯式の洗い場から。
この写真↑の方から見ると、左が柴垣、右がアゼロの源泉であり、ドバドバと言っていいぐらいふんだんに湯が注がれている。
黒くなった沈着も見ごたえがあり、右側のアゼロの様が成分が濃いのが分かるであろうか。
この湯槽前に陣取ると加水できる蛇口もあるのだが、少ない先客や後客はみんな壁側の洗い場を使っていた。
見た目も実際も何ともあっぱれなこの汲み湯槽、しかし残念なことがあった。
それは後で詳細を見ていく浴槽でもそうなのだが、消毒の塩素臭が香りにも味わいにも乗ってしまっているのだ![]()
鹿児島の今までの数多い湯の中で、初めて消毒風味で躓いた思い。
源泉自体に存在感があるので塩素のみってレベルまでにはいかないものの、何とも残念であった。
これがぼくが訪れたときのたまたまな状況なのか、いつもそうなのかは分からない。
より新しいレポートをいつか確認したいものである。
普通の洗い場はシャワー付きカランがたくさん並ぶ。
公衆浴場なので、シャンプー類はやはり持参の必要あり。
カラン・シャワーから源泉は出ず、真湯であった。
浴場の隅にはサウナと水風呂もあり。
メモが無いのだが、節水と書いてあるのでセルフ投入のかけ流しだったか。
それでは浴槽の方へ。
この写真↑で左がアゼロ、右が柴垣。
アゼロの浴槽の方がやや広い。
共にザンザンとかけ流されている。
なおどちらの源泉も詳細な分析書が見当たらなかった。
肝心の(その1)がなく、(その2)と(その3)のみ。
その3の湯使いを見ると、加水あり、加温なし、循環なし、塩素消毒ありとなっている。
これはおそらくアゼロ湯の方の分析表の後半だと思われる。
そう言うわけでネット上で検索、平成19年(アゼロ)と21年(柴垣)なのでやや古いが、いずれも以前にこちら湯之山館で掲げられていた分析書の数値が分かったので、以後出てくる数字はそちらのものからの引用となる。
まず向かって右の柴垣浴槽から。
小さい方とはいえ数人以上が楽に入れそうな規模。
黄土色やや濁りの湯は、源泉名が「入来2号」。
源泉温度34.8度、pH6.1のナトリウム-塩化物・炭酸水素塩温泉。
成分総計は1.945g/kg。
陽イオンではナトリウムイオンの他に目立つ数値でアルミニウムの10.5mg、鉄(Ⅱ)イオンの10.8mgあたりか。
陰イオンでは塩化物イオンの他だと、やはり炭酸水素イオンの402.9mg、そして硫酸イオンも130.1mgある。
遊離成分だとメタケイ酸は121.6mgで、遊離二酸化炭素が184.2mgとなっていた。
臭素系あたりの不思議な香りがあるのだが、やはり消毒の塩素臭が邪魔してしまう。
淡いが塩味はあった。そして消毒塩素味。
湯口で44.5度あるので、源泉温度と比べると加温してかけ流していることになる。
泉質らしいスベスベ感はあるが、少しキシキシ感も感じた。
次にアゼロ浴槽。
こちらは10人ぐらいは入れそうな規模。
湯の色は黄土色だがやや濁り方は強い。
使用源泉は「入来5号、入来6号の混合」。
源泉温度57.2度、pH6.3のナトリウム-塩化物・炭酸水素塩温泉。
成分総計は3.372g/kg。
陽イオンでは柴垣に10mg以上あった鉄(Ⅱ)イオンが1.7mgと少ない。
後は土類系が多くはないがまんべんなくある感じ。
陰イオンでは塩化物イオンの他だと、炭酸水素イオンの536.8mg、そして硫酸イオンも319.9mgある。
遊離成分だとメタケイ酸は162.9mgで、遊離二酸化炭素が356.3mgとなっていた。
湯口にパイプが2本引き込まれているが、それがそれぞれの源泉(入来5号と6号)の違いか、源泉と加水の違いかは分からなかった。
香りは似た感じなのだが、やはり消毒の塩素臭と塩素味が邪魔をしてしまう。
塩味が強いということもなく、やや塩味レベル。
湯口で48.8度なので、やや加水しているかどうかのレベルと思われる。
源泉棟で湯雨竹的な装置を使って温度を下げているという紹介記事を見たことがあったが、湯雨竹ならば加水など不要な上にもっと温度差が出るような気もする。
浴感も柴垣と似ており、スベスベ感にややキシ感がある感じ。
同じ泉質だがはっきり違いのある2源泉をかけ流しで使用し、茶色や黒の沈着も素晴らしい浴場だが、とにかく消毒の塩素風味でせっかくの魅力がぼくには半減してしまった。
よってインプレッションもちょっと適当となってスンマセン(^-^;
まあ270円だし、文句は言えないけど。
「今はもうそんな消毒の影響は見られないよ」というようなことになったら、また再訪したい。
入来温泉 湯之山館
児島県薩摩川内市入来町副田6179
0996-44-2301
6:00~22:00 (受付終了21:40)
定休日 第1・第3月曜と1/1
【柴垣浴槽】
<源泉名:入来2号>
ナトリウム-塩化物・炭酸水素塩温泉 (低張性・中性・温泉)
34.8度
pH6.1
成分総計 1.945g/kg
黄土色やや濁り
臭素系のような香りがあるが、消毒の塩素臭でよく分からず
淡塩味、消毒の塩素味あり
スベキシ感あり
加温かけ流し
【アゼロ浴槽】
<源泉名:入来2号>
ナトリウム-塩化物・炭酸水素塩温泉 (低張性・中性・高温泉)
57.2度
pH6.3
成分総計 3.372g/kg
黄土色濁りあり
臭素系のような香りがあるが、消毒の塩素臭でよく分からず
淡塩味、消毒の塩素味あり
スベキシ感あり
(加水?)かけ流し
2019年10月入湯
※数値はH21,19の分析書より




























