人から何かを頼まれると
私は基本「NO」と言っていました。
理由はいろいろあったけど
突き詰めていくと
怖かったんだと思う。
なんでもかんでもに「YES」と言うと
いいように使われてしまうかもしれない。
引き受けて仕事ができないのがばれたらいやだ。
お給料以上のことをやって損したくない。
しばらくしたら
何も頼まれなくなって、
それはそれで面倒くさくなくてよかったけど、
どこかさみしいな、とも感じていました。
そんなある日のこと。
英会話スクールで勤務していたんだけど、
インストラクターが急にこれなくなって、
でももう顧客の方は待合室にいたので、
マネージャーも切羽詰まっていたんですね。
「加代子さんがもうお仕事終わりなのは知っていますが、この仕事、やって頂けませんか?」
「ちょっともうかえりたいから無理なんだけど。。。」
「そこをなんとか!お礼しますので!」
そんな感じで引き受けたお仕事。
顧客の方に思いがけずすごく喜んでいただいたのね。
そうしたらそのマネージャーさんも
すっごく喜んでくれて、
次の日スクールに行ったら
「ケーキを買ってきたので、持ってかえってください!
昨日はありがとうございました!
顧客様すごく喜んで、これからもレッスン続けたい!っていって一番
最長コースの契約とれました!」
そのケーキの箱には
デパートのお高いケーキが6個も入っていたの。
それにもびっくりしたけど、
そのマネージャーさんがあんまりに喜んでくれて
わたし、恥ずかしくなった。
彼女が契約を取れたのはうれしい。
お高いケーキもらえたのもうれしい。
顧客様がレッスン喜んでくれたのも嬉しい。
でも私はなんて嫌な奴だったんだろう。
「これからは頼まれたら、気持ちよく引き受けよう」
NOと言えない人がたくさんいることを私は知っている。
けれどわたしのように
NOを言いすぎてYESと言えない人もいる。
私は
「自分を守るため」にNOを使っていた。
でも今振り返るとそれは少し違っていたと思う。
本当の意味での「自分を守る」というのは
ただ断ることではなくて
自分の本音に正直でいることなんですよね。
あの日の私は
「もう帰りたい」
そう思っていた。
でも同時に
「この人、本当に困ってるな」
「ここで私がやったら助かるよね」
そんな気持ちも、少しはあった。
本音はひとつじゃなかった。
それなのに私は
「NOかYESか」でしか考えていなかった。
でも自愛って本当はもっとフレキシブル。
「やりたくないことはやらない」も自愛だけど
「やりたい気持ちがあるならやる」も自愛。
あの日、私は最初はしぶしぶだったけど
結果として人に喜ばれて
感謝されて自分も満たされた。
ここで大事なのは
YESを言ったことではなくて
自分の中にあった「やってもいいかも」という気持ちに従ったこと。
もしあの時、
本当に心の底から嫌だったら、
本当に都合が悪かったら
私はやらなくてよかった。
でも
少しでも
「やってみてもいいかな」
「役に立てたらうれしいな」
そんな気持ちがあったからやったのだと思う。
それは
NOを我慢したのではなくて
自分の別の気持ちにYESを出したということ。
ここ大事なところなんだけど、
自愛は
「全部NOにすること」でも
「全部YESにすること」でもないのね。
自分のなかにあるどの声を採用するか、自分で選ぶこと。
NOが言えない人は
相手の声ばかり採用してしまう。
YESが言えない人は
自分を守ることに偏りすぎてしまう。
どちらも悪いわけじゃない。
ただ、少しバランスが崩れている。
だから大切なのは
NOかYESかを言うことではなくて
「これは本当に私の選択?」と自分に聞くこと。
その答えがNOなら
NOを言えばいい。
YESなら
気持ちよくYESを言えばいい。
そしてそのどちらも
自愛です。
私はあの出来事から
NOだけではなく
YESもまた
自分を大切にする選択になり得ると学びました。
だから今は
こう思っています。
「NOもYESも、どちらも自分のために使えばいい」
50代からの人生は
我慢するか、断るかの二択じゃなくていい。
選ぶ人生でいい。
その選択のひとつひとつが
自分を大切にすることにつながっていくのだと思います。
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