「あの頃私いつも家出すること考えてた。
お母さんがなんで怒るのかまったくわからなかった。
勉強しろ、って言われて、わかんない、っていうと怒られて、
テーブルをひっくり返して、どうしたらいいかわかんなかった。
家出しても行く場所はなかったから、家にいたけど」
これ、今日、娘っ子が私に言った言葉。
偶然にも、この本を読み終わった日の会話だった。
彼女が口にしたのは、10年ほど前におこったこと。
彼女はいまだに鮮明に覚えている。
私も覚えている。自分がしたことだから。
でもあの頃の自分は、自分であって自分でない気がする。
私はこの本でいうところの「精神的に未熟な親」だった。
今もそうかもしれない。
読んでいて苦しかった。
ページのあちこちに、自分の姿が見え隠れしたから。
「毒親」という言葉はよく使われるけど、
結局どんな人がそうなのかがわかりにくい。
臨床心理学者リンジー・C・ギブソンはそう指摘して、
代わりに「精神的に未熟な親」という言葉を使う。
人の気持ちに共感できない、感情をコントロールできない。
それが精神的な未熟さで、
自分の未熟さに気づいていない人が子どもを育てれば、
悲劇が生まれるのは当然のこと。
子どもはただ愛を求めているだけなのに、
未熟な親はその気持ちを察することも、
寄り添う方法もわからない。わかっていたとしても、
その方法が子どもを満たすとは限らない。
この本は、そんな親のもとで育った子どもが、
親自身の課題を客観視することで
「私がダメだから親がああだったんだ」を手放し、
自由になることに重きを置いている。
本の中では、未熟な親を4タイプに分けている。
感情的な親/がむしゃらな親/受け身の親/拒む親
私はおそらく感情的な親。
気分にムラがあり、ストレスをコントロールできず、
感情のままに突拍子もないことをしてしまう。
何が自分をそこまで怒らせるのか自分でもわからず、
そのエネルギーの持って行き場がわからないまま、
テーブルをひっくり返していた。
娘っ子は言っていた。
「お母さんの怒るツボがわからないからいつもドキドキしていた」
私はわかっていた。「このままでは人間としてだめだ」と。
でもどうしたらいいのかわからなかった。
そんな時にルイーズ・ヘイの本と出会い、ワークを一つ一つやっていくうちに、
私の親もまた、いろんな意味で精神的に未熟だったとわかった。
父は拒む親で、子どもとの交流よりも家族を支配することが大切だった。
母は受け身の親で、物事が感情的になると自分を守るために距離を置く。
私はその頃すでに40を過ぎていて、父はもう他界していたから、
母に変わってほしいとは思わなかった。
それはルイーズ・ヘイの本を読んでいたからかもしれない。
「人を変えようとするより、自分を変える方が早い」し、
「人を変えようとする」のはコントロールであり、
自分の課題から目をそらして責任転嫁しているだけだから。
だからすでに当時70歳過ぎた「母を変えよう」とするのではなく、
娘との関係をよくするために「自分」を変えることに専念した。
アファメーションを唱え、
瞑想をして、
自分を許し、親を許し、
ありのままの自分を愛し受け入れ、認めたように
娘を受け入れると自分に誓った。
完璧な親になれたとは言わない。
今日、娘っ子があの日の話を落ち着いて話せて、
私もそれをちゃんと聞けたこと。
そしてただただ「ごめんね」と繰り返し言ったこと。
それが、10年かけて変わった「私」の証拠だと思う。
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