JR大湊線・下北駅と廃線・大畑線の歴史をたどる | 日本中の駅を旅する 駅と駅舎のブログ

日本中の駅を旅する 駅と駅舎のブログ

 日本中の駅を旅したいというあなたのために、有名木造駅舎から無名のホームだけの駅まで、1駅1駅ご紹介して、各駅下車の駅めぐりをしている気分を味わっていただくブログです。
 空旅、企画旅、鉄道クイズもあります。

 

 

青森県むつ市の中心駅、JR大湊線下北駅

終点の大湊駅よりも知名度は低いかもしれませんが、下北半島の鉄道交通を支えてきた重要な駅です。

かつては旧国鉄大畑線、後の下北交通大畑線が分岐し、下北半島北部への玄関口として賑わいました。

現在の構内は意外なほどコンパクトですが、昭和時代の航空写真を見比べると、その歴史の大きさに驚かされます。

今回は現在の下北駅を訪ねるとともに、廃止された大畑線の痕跡を航空写真やストリートビューで追いかけてみました。

 

 


 

下北駅|駅舎と駅前

 

本日は、下北駅です。

下北駅は1939年(昭和14年)12月6日に開業しました。

その後、1941年(昭和16年)12月に国鉄大畑線が開業すると、大湊線大畑線を結ぶ接続駅となり、下北半島北部の交通拠点として発展しました。

現在は大湊線単独の駅となっていますが、むつ市の代表駅としての役割を担っています。

 

駅舎

下北駅舎と駅前広場、記念オブジェ

訪問は14年前ですが、当時としては新しそうな駅舎がありました。雨天の夕方の訪問で、あまり写りはよくありませんがご了承ください。

現在の駅舎は、2009年(平成21年)1月完成なので、完成3年後の訪問だったことになります。

下北半島の玄関口らしく、観光案内機能も備えた駅舎となっています。
 

駅前

下北駅前、雨の日の街並みとオブジェ

駅前はむつ市の市街地にあります。終点の大湊駅に比べると駅は小さいですが、駅前は交通量も多く賑やかです。

現在のむつ市は2005年(平成17年)に旧むつ市・川内町・大畑町・脇野沢村が合併して誕生しました。

駅周辺はかつての田名部(たなぶ)地区にあたり、江戸時代には南部藩の商業中心地として栄えた歴史があるそうです。

現在も行政機関や商業施設の多くは田名部地区周辺に集まり、下北駅はその最寄駅として機能しています。

 

 

下北駅|駅舎内部

 

本州最北端の駅

下北駅|本州最北端の駅

終点の大湊駅や津軽線の三厩駅より下北駅のほうが北にあるんですね、これは意外でした。

そのため「本州最北端の駅」としてPRされています。
観光客向けの記念撮影スポットにもなっています。

 

出札窓口

下北駅みどりの窓口で切符を買う人々

訪問当時はみどりの窓口がありました。

調べてみたら、現在もみどりの窓口の営業は営業していますが、営業時間は短縮されているようです。

指定席券売機や話せる指定席券売機は、現在も設置されていません。

 

 

下北駅|構内

 

構内(野辺地方面)

下北駅のホーム、女人と線路

1面1線の棒線駅。
これも意外でした。駅舎が大きかったので、もっと広い構内を想像していました。

駅名標(木製タイプ)
JR下北駅の木製案内板と列車
こちらは陸奥横浜駅にもあるタイプの駅名標ですね。
観光用としてしっかり作られています。
屋根の下に設置されているため、比較的良好な状態が保たれているのかもしれません。

駅名標(大湊線オリジナルタイプ)
下北駅の駅名標(Shimokita Station Sign)
こちらは大湊線オリジナルタイプです。
沿線駅で共通して見られるデザインで、JR東日本の盛岡支社エリアのローカル線らしい統一感があります。
 
 

昭和の下北駅を探る


棒線駅であることにびっくりした理由はもう一つ。
かつての下北駅は国鉄・下北交通大畑線の分岐駅だったはずです。
鉄路はここから下北半島北部へ続いていました。
しかし現在の構内からは、その痕跡をほとんど見つけることができません。
そこで、いつものような昭和の写真と現在の写真を見比べて痕跡を探してみることにしましょう。
その前に、大畑線のことを調べてみました。
 

大畑線の歩み
 

大畑線は1941年(昭和16年)12月に国鉄線として開業しました。
しかし利用者減少により1985年(昭和60年)に国鉄線としては廃止。
その後、第三セクターではなくバス会社だった下北交通株式会社が引き継ぐ、全国でも珍しい形で存続しました。
しかし経営状況は厳しく、2001年(平成13年)4月1日をもって廃止されています。
現在は駅跡や橋梁、築堤などが各地に残されているそうです。
なお、終点だった旧大畑駅(大畑駅総合案内所)では、大畑線キハ85動態保存会の方々によって当時の車両(キハ85・元国鉄キハ22形)が大切に動態保存されており、定期的に運転体験会や展示が行われているとのことです。

 

下北駅
下北駅と廃線跡の比較航空写真
左側は1976年(昭和51年)の下北駅、右側は現在の下北駅です。
駅構内の広さの違いにびっくりです。
でも、大畑線がありません。
そのまま大湊方面を探索しますが、どこにもないのです。
 
分岐部分
下北駅 昭和・現在の航空写真比較私の先入観でした。
当然野辺地方面からやってきて下北駅を過ぎてから分岐していると思った大畑線。
実は下北駅から陸奥横浜方面(野辺地方)へ向かう側で分岐していました。
つまり野辺地方面から大畑方面へ向かう場合は下北駅からスイッチバックのようにして直通するだったのです。
現在の航空写真でも、緩やかにカーブする廃線跡らしき地形を確認できます。

分岐部分のストリートビュー画像 下北駅周辺の緑地と建物
う~ん、まあそう言われたら廃線跡かなと思う程度。
年月の経過を感じてしまいます。
市街地部分では道路へ転用されている箇所も多いですね。
 
鉄橋
昭和と現在の下北駅周辺空撮比較
築堤を登り鉄橋を渡っている部分を見つけました。
ここをストリートビューで見てみましょう。

鉄橋前の築堤
草地と家並み、青空
鉄橋自体は何らかの構造物が残っているように見えましたが、接続道路がなくストリートビューからは確認できませんでした。
ただ、築堤部分には今でも廃線跡らしい雰囲気が残っています。
レールやトンネルなどが残る場所があるなら、いつか実際に歩いて探索してみたいものです。
 
 

下北駅|まとめ

 
下北駅は現在こそ1面1線のコンパクトな駅ですが、その歴史を振り返ると下北半島の交通を支えてきた重要な拠点駅でした。
むつ市中心部に位置し、現在も下北観光の玄関口として多くの利用者を迎えています。そして何より興味深いのは、かつてここから分岐していた大畑線の存在です。
航空写真を見比べるだけでも、駅がたどってきた歴史の大きさを感じることができます。
現在の静かな構内と、かつて広大だった構内。そのギャップこそが下北駅最大の見どころなのかもしれません。


(平成24年10月訪問)
**********

 

下北駅情報

所属:JR東日本盛岡支社
開業:昭和14年12月6日

場所:青森県むつ市
形状:不明
乗換:なし

詳しい駅情報・時刻表は、JR東日本駅情報|下北駅

 

札幌駅、東京駅、名古屋駅、大阪駅、高松駅、博多駅から下北駅へのアクセス

札幌駅から:13時56分着 所要時間7時間56分 21,630円 新函館北斗・八戸・野辺地乗換

東京駅から:11時07分着 所要時間4時間35分 18,970円 八戸乗換

名古屋駅から:13時56分着 所要時間6時間34分 26,010円 東京・八戸・野辺地乗換

大阪駅から:13時56分着 所要時間7時間36分 28,740円 新大阪・東京・八戸・野辺地乗換

高松駅から:16時47分着 所要時間9時間39分 30,720円 岡山・東京・八戸乗換

博多駅から:16時47分着 所要時間10時間11分 36,130円 東京・八戸乗換

 

*データはNAVITIMEで検索したもので、平日、鉄道だけで最も早い時間(最速ではありません)に到達できる時間と料金です。

*記事作成時点の情報で(記事公開日とは異なります)、検索条件によっては異なる結果になることがあります。

 

青森の駅をぐるり 記事リスト

 苫米地駅|田園に佇む無人駅 青森の駅をぐるり1 

北高岩駅|昭和の風情が残る木造モルタルの無人駅 青森の駅をぐるり2 

陸奥市川駅|モダンな駅舎に秘められた軍事輸送の歴史 青森の駅をぐるり3 

下田駅|歴史を刻む木造駅舎に会いに行く 青森の駅をぐるり4 

向山駅|愛好会が守るミュージアムと廃線跡の記憶 青森の駅をぐるり5 

三沢駅|消えた十鉄と「白樺駅舎」の記憶をたどる 青森の駅をぐるり6 

小川原駅|防雪林に守られた静かな無人駅 青森の駅をぐるり7 

上北町駅|木造駅舎と温もりのある駅 青森の駅をぐるり8 

乙供駅|東北本線の名残を歩く 青森の駅をぐるり9 

千曳駅|鉄道の歴史が交差する静かな秘境駅 青森の駅をぐるり10 

野辺地駅|今も残る東北本線主要駅の風格 青森の駅をぐるり11 

北野辺地駅|住宅地に佇む静かな無人駅 青森の駅をぐるり12 

有戸駅|築堤上に立つ静かな無人駅 青森の駅をぐるり13 

吹越駅|防雪林に囲まれた静かな無人駅 青森の駅をぐるり14 

陸奥横浜駅|菜の花の町の静かな主要駅 青森の駅をぐるり15 

近川駅|夜に降り立った静かな無人駅 青森の駅をぐるり16 

下北駅|消えた大畑線の痕跡 青森の駅をぐるり17

狩場沢駅|白鳥が駆け抜けた冬の東北本線 青森の駅をぐるり18 

清水川駅|冬に佇む東北本線の木造駅舎 青森の駅をぐるり19 

小湊駅|雪の構内と竹山の故郷 青森の駅をぐるり20 

西平内駅|夏泊半島の付け根に佇む静かな無人駅 青森の駅をぐるり21 

浅虫温泉駅|東北の熱海と善知鳥崎の歴史 青森の駅をぐるり22 

野内駅|旧野内駅・貨物駅時代の面影残る広大な構内 青森の駅をぐるり23 

矢田前駅|住宅地に生まれた無人駅 青森の駅をぐるり24 

小柳駅|住宅地と通学を支える駅 青森の駅をぐるり25 

東青森駅|貨物拠点を併せ持つ無人駅 青森の駅をぐるり26 

八戸駅|元は尻内駅・新幹線が結ぶ駅の歩み 青森の駅をぐるり27 

長苗代駅|貨物線が寄り添う駅 青森の駅をぐるり28 

本八戸駅|元・八戸駅の風格!八戸中心街を支える駅 青森の駅をぐるり29 

陸奥湊駅|港町の息づく駅へ 青森の駅をぐるり30 

鮫駅|八戸線の海辺の駅 青森の駅をぐるり31(終) 

 

※お越しになった日にちによっては公開前の記事があります 

 

これまでの駅舎・駅めぐりブログ

 

 

群馬県のJR・上信電鉄の駅をめぐります

 

 

 

宮城県の仙台市地下鉄の全駅をめぐります

 

 

 

熊本県内のJR駅をめぐります

 

 

 

 

 

 

 

 

1 写真は、平成10〜20年代撮影のものが多くあります。現在の状況とは変わっていることがありますので、参考にする際はご注意ください。

2 コメント・メッセージについては、お返事はできないことが多いのでご了承ください。

3 ブログをご利用される際は、必ずこちらの記事「免責事項について」をお読みの上、ご覧ください。