kyupinの日記 気が向けば更新 -876ページ目

精神疾患の障害年金

精神障害の障害年金については、本来、知的発達障害、統合失調症、重度の躁うつ病に対し支給する想定があるような気がする。障害年金の中の書式がそれっぽいからだ。しかし実際は「日常生活能力の程度」が低い場合、特に疾患にかかわらず支給される。疾患名で決まるわけではない。


この疾患名に関しては、ローカルな面もあって、珍しい病名のケースでは無条件に落ちる場合もある。これは審査しているドクターの裁量にもより全県にわたって公平ではないと思われる面もある。だから、同じ病気、同じ病状でも、ある県では認められてある県では認められない場合がありえる。本当になんとかしてほしいものであるが。統合失調症の場合、県によるバラツキは最も少ないと思われる。


障害年金には障害基礎年金と、障害厚生(共済)年金の2種類がある。障害基礎年金はいわゆる国民年金の加入者、障害厚生(共済)年金は厚生年金または共済年金の加入者が障害者になったときに受けられるものである。注意してほしいのは、このどちらかに加入していない人は、障害者になっても年金を受けられないこと。初診が20歳以前の場合、無条件に国民年金に加入しているとみなされるため障害基礎年金を受ける資格がある。


知的発達障害は生来性であるため、たとえ50歳で初診したとしても障害基礎年金を受ける資格がある。知的発達障害者は普通、遅くても3歳児検診ぐらいで発見されるので、成人してから初診するなんてありえないと思うだろうが、以前はそういうことがあったのだ。僕は40~50歳の知的発達障害の患者さんの診断書を2回ぐらい書いたことがある。この人たちは障害年金が支給されるようになったが、はっきり言って精神科に来るのが遅すぎた。その損失は数千万になるだろう。(家族はそういうサービスがあるのを知らなかったらしい)


知的発達障害についてはIQにより決まるので、IQ50台の人なら落ちる場合がある。授産施設に入っているのに落ちるということがあるので、これはちょっと困る。落ちる場合があると書いたのは知的発達障害の場合、それ以外の症状、例えば、興奮、他人への暴力、てんかんを伴うかどうかとか、IQ以外の要素がからむからだ。日常生活能力の程度はIQだけでは決まらない。


統合失調症は未成年時に初診している場合は無条件に受給資格がある。精神科に初診しなくても、中学生時に小児科に拒食症くらいで初診していても初診とみなされる。初診時の診断名は、必ずしも「統合失調症」でなくてもよい。初診時に、まだ幻覚妄想などはっきりした症状が出ていなくて、うつ状態で初診なんてことはありふれているからだ。


最も問題なのは大学生である。現役で大学入学した場合、18歳で入学し22歳で卒業する。以前の大学生は、ほとんどの学生が国民年金に加入していなかった。親も仕送りが大変だしそんな余裕までないからだ。国民年金を支払ってなくて、学生時代の20~22歳時に統合失調症が発病した場合(未加入時に初診した場合)、受給資格がない。また卒業した後にフリーターのような状態で、国民年金も厚生年金も納めていない場合も資格がない。統合失調症の人で最も悪いパターンは、いったん就職するがなんとなく仕事を辞めてしまい、その後自宅でしばらくブラブラしていて、かなり時間が経ってからやっと精神科に初診するような場合である。このケースでは、いくら病状が重くても年金は受けられない。統合失調症はその病気の性質上、あんがい受給用件を満たしてない人が多い。


一般に障害基礎年金の場合、受給用件として加入しなけばならない期間の3分の2以上の保険料が納められているか、初診日の前々月までの1年間に保険料が納められているかのどちらかの条件を満たすことが必要である。国民年金の保険料は、本来、後でさかのぼって納めることが可能であるが、初診以後にまとめて払っても認められない。これができるくらいなら、みんなそうするだろうと思われるし、真面目に払っている人が報われない。もともと障害基礎年金にしろ障害厚生年金にしろ、あくまで保険の1つであることを認識してほしい。


大学生時代に障害者になり国民年金を納めていないため年金がもらえない人たちが裁判を起こしたが、全般的に負けていることが多い。彼ら(原告)は車椅子であることが多かった。詳しくはわからないが、おそらく交通事故などの身体の障害などであろうと思われる。国が国民年金の義務付けのアナウンスを怠っていた時期があり、その期間に生じた障害者のみ原告が勝利している。その後、特例で精神科でも年金が認められた人たちがいて、うちの病院でも2~3人いる。この年金の額であるが、一般の障害基礎年金、障害厚生年金よりやや少ない額になっている。障害認定日という概念があり、初診以後1年半しないと年金申請できない。


DMAE(その2)


DMAEは正常な状態でも、われわれの脳に少ない量だが存在している。DMAEは脳の機能を改善することで知られている。自然界ではシーフードに含まれていることがあり、シーフードが脳に良いと言われている理由の1つだ。DMAEは気分を改善し記憶力や学習能力を向上させる。また実験動物においては寿命を長くする効果があることがわかっている。DMAEは多くの人に使用されている。そのマイルドで安全な刺激効果が期待されるためである。しかしながら、通常量使用している場合は、他の刺激性薬物と違って不眠を起こさない。(カフェイン、リタリンなどに比較)


多くの人が、DMAEを使用するようになって疲れやすさが減り、少ない眠りでもわりあい疲れが取れることを報告している。通常の脳刺激薬との相違点として、例えばカフェインやアンフェタミン(覚せい剤)やリタリンに比べ、即効性がないことが挙げられる。DMAEは服用後すぐに元気になるとか、気分がよくなるとか、そういった効き方はしない。普通、服用を始めて3~4週間後から効果が出てきたという報告が多い。服用者によれば、持続的な温和な刺激を感じるという。普通の量ではあまり副作用の報告はない。またDMAEを突如中断した場合の離脱症状や、禁断症状は生じないといわれる。医療的には現在どのような病態に試みられているかというと、学習障害、ADHD、読字障害、分類不能の子供の行動障害などである。


有害作用。
オーバードーズでは、やはり不眠、頭重感、筋緊張などが出現する。これらの副作用は薬物を中止すれば速やかに消失すると言われる。ある種のてんかんの患者が使用する際は注意を要し、医師の助言に従うべきである。DMAEは躁うつ病の患者は使用してはならない。というのは、DMAEは鬱エピソードをより重くするといわれているからである。

(これは2002年頃にウエブにアップしたものです)

DMAE

ジメチルアミノエタノール


これは、アセチルコリン前駆体とされる。DMAEが体内でアセチルコリンという神経伝達物質に変換されるが、これは中枢神経の機能を調整するのでは?と考えられている。


適応は主に注意力欠如障害(ADD)や注意欠陥多動障害(ADHD)と思われる。これらの患者さんはリタリンを処方されている場合が結構あって、できればリタリンを長期使用したくない。だからこのような薬物が期待されている。リタリンは子供などに投与する場合は、依存性や耐性は起こりにくいと考えられているが、それでも子供の成長を遅らせるという研究もみられる。


ある研究では、学習障害のある子供74人にリタリン、DMAE、偽薬のいずれかを与えたところ、DMAEはリタリン同様に、行動障害や学習における問題も改善したと報告している。


有害作用としては、ADD治療剤を長期に使用した場合、精神病やホジキン病のような副作用の可能性も示されている。リタリンと比べられているため、うつ病と関連付けられているものと思われる。


(これは2002年頃にウエブにアップしたものです)


セント・ジョーンズ・ワート(その4)

その他の論文
レビュー:セントジョーンズワートはうつ病性障害に対しプラセボよりも有効である。(Cochrane Review,latest version 09 Jul 1998)

結果
データベースから抽出した45件のうち27件が基準に合致し、対象患者は2291名となった。このうち、17件の研究は、プラセボとセントジョーンズワートの比較であった。追跡期間は平均5.5週間。
  
結果はプラセボよりセントジョーンズワートに反応する患者の方が多く、(14研究、p<0.001)セントジョーンズワートと低用量の抗うつ剤では患者の反応率に差はなかった。副作用の数は、セントジョーンズワートの方が低容量の抗うつ剤よりも少なかった。

レビューの論評の抜粋。

多くの医師は、”民間療法”(alternative)に懐疑的で、有効な客観的証拠、特に無作為化対照試験のデータが存在しないという批判に応対している。(中略) 結果はセントジョーンズワートはプラセボより優れており、うつ病の治療には低用量の三環系抗うつ剤と同程度の効果があることが示唆されている。セントジョーンズワートの作用機序は、従来の抗うつ剤と同様にモノアミンの再摂取抑制であると思われる。(中略。ここでの論文は対象患者標本数が多く、質が高いことを強調。) 本研究で示されたセントジョーンズワートのデータを考慮すればその優位性を否定するのは公平ではないであろう。本研究はセントジョーンズワートをある程度支持するものの、解決すべき問題点はある。まず、用量に不詳な点が多く、これら臨床試験でも投与量は著しく異なる。薬草による治療は規律性を欠き、市場に出ても、一般の薬物に比して監視の対象になりにくい。したがって頻度の低い有害作用についてはほとんど知られていないのが現状である。ほとんどの臨床家は慣れ親しんだ抗うつ剤を処方し続けたがるものであるが、従来の抗うつ剤に耐えられなかった患者や、いわゆる「自然療法」を好む患者には、セントジョーンズワートは有用であると考えられる。

(これは2002年頃にウエブにアップしたものです)

セント・ジョーンズ・ワート(その3)

注意事項
薬物相互作用の情報

英国において、医療関係者並びに市民に対してセント・ジョーンズ・ワート製品と医薬品との相互作用について注意喚起が行われました。 この注意喚起によれば、セント・ジョーンズ・ワート製品に含まれる成分が薬の分解に関与する酵素の活性を高めるため、ある種の医薬品の血液中濃度が十分に上がらず、治療効果が減弱されるおそれがあるということです。また、セント・ジョーンズ・ワート製品は、英国や米国では医薬品としては認められていませんが、ドイツでは抗うつ剤として使われており、その作用機序は、最近日本でも承認されたSSRIと同様に脳のセロトニン作動性神経を活性化するといわれています。したがって、SSRIと併用した場合には、セロトニンによる作用が増強され、副作用が現れやすくなると指摘されています。

日本でも通販等でセント・ジョーンズ・ワート製品が販売されています。もし、下記に記載した医薬品とセント・ジョーンズ・ワート製品を併用されている方は医師または薬剤師に是非ご相談下さい。

下記の医薬品とセント・ジョーンズ・ワート製品を併用中の方への注意

HIVプロテアーゼ阻害剤(インジナビル、サキナビル、リトナビル、 ネルフィナビル)、HIV逆転写酵素阻害剤(エファビレンツ、ネビラピン)

医薬品の血中濃度レベルが低下し、HIV抑制作用が減弱されている恐れがあるので、医師の検査を受けるとともに、セント・ジョーンズ・ワートの中止について医師に相談下さい。

ワルファリン、ジゴキシン、テオフィリン、シクロスポリン、抗てんかん薬(フェニトイン、カルバマゼピン、フェノバルビタール)医薬品の分解が促進され、作用が弱まっている恐れがあるが、セント・ジョーンズ・ワートを急に中止すると分解促進作用がなくなるため、医薬品の血液中濃度が高くなりすぎる危険性があります。医師の検査を受けながら中止の判断を仰いでください。時には薬の量の調節 が必要になるかもしれません。

経口避妊薬

避妊効果が得られない恐れがありますので、セント・ジョーンズ・ワートの使用を中止して下さい。

SSRI(マレイン酸フルボキサミン=デプロメール、ルボックス) 副作用が現れやすくなる恐れがあります。セント・ジョーンズ・ワートの使用を中止して下さい。

英国 Medicines Control Agency ホームページより
ttp://www.open.gov.uk/mca/csm/stjohn.pdf

(これは1998年頃にウエブにアップしたものです)