【3232】時事問題(台湾有事と国際刑事裁判所)を話します
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昨年11月の高市首相(1961- 現在65歳)の台湾有事発言以降、日中関係は冷え込んでいます。
中国は今も発言の撤回を強く求めている。
日本が発言を撤回する可能性はあるんでしょうか。
高市早苗首相の「台湾有事は日本の存立危機事態」であるという、去年(2025年)の11月7日の発言ですね。
それに中国が怒り狂って、「お前の汚い首を斬ってやる」とまで言った。
言ったのは薛剣(せつけん 1968- 現在57歳)という中国の大阪総領事です。
高市の発言に中国は怒っています。
だから日本の太平洋側にいた漁船まで臨検(りんけん)するとか、そんなことまでやりだした。
日本が発言を撤回するまで、それをやり続けるということはないでしょう。
しかしね、それでも日本は発言を撤回するわけにはいかないんです。
撤回しません。
中国に進出している大企業連合体の経団連とか、特に大阪経済連が高市首相に「政府のそのような発言はやめてください。中国と仲良くしてください」と言います。
でも日本側は絶対に撤回しない。
なぜ撤回しないか。
それは高市発言は、発言としては、日本の官僚たちと自民党の合意事項です。
高市発言は発言ミスじゃない。
間違いじゃないんです。
なぜかを説明します。
2015年9月19日に平和安全法制(以下、安保法制 =あんぽほうせい=という)が成立した。
安倍政権のときです。
国会の周りでワイワイ、大規模な反対集会とデモがありました。
この安保法制で、政府は従来の憲法9条の解釈を変更した。
限定的な集団的自衛権の行使や他国軍への後方支援(こうほうしえん)を可能にした。
その時に政府の有識者懇談会が示したのが「4つの類型」で、これが憲法解釈の変更や法整備の前提になりました。
(ここから引用はじめ)
安保法制における4つの類型
4つの類型
(①公海における米艦防護、
②米国に向かうかもしれない弾道ミサイルの迎撃、
③国際的な平和活動における武器使用、
④同じPKOなどに参加している他国の活動に対する後方支援)
について検討し、これまでの政府の解釈は、激変した国際情勢およびわが国の国際的地位に照らせばもはや妥当しなくなってきており、むしろ、憲法第9条は、個別的自衛権はもとより、集団的自衛権の行使や国連の集団安全保障への参加を禁ずるものではないと解釈すべき旨などを提言
平成26年度版防衛白書から
(引用おわり)
あの時(2015年)に決まった法律の一つが「重要影響事態法」(重要影響事態に際して我が国の平和及び安全を確保するための措置に関する法律)です。
これは「周辺事態法」が改正されてできた。
日本国の主権(ソヴリーンティ sovereignty )の外側の、要するにフィリピンと台湾、朝鮮半島で、戦争の一歩手前である「有事」という事態が起きた時に、日本国がどう対応するかを決めとかなきゃいけない、ということでできた法律です。
戦争の手前の「有事」の時に、日本の軍事力をどこまで出せるかをあらかじめ決めておこう、ということです。
その重要影響事態法の中に段階が3つあってね。
「周辺危機事態」と言うのはまだ2つ目の「注意する段階」です。
本当の危機事態というのは、台湾で米軍が中国軍とぶつかるときだ。
台湾政府の台湾軍と人民解放軍がぶつかるときに、米軍が台湾軍を助けるために軍事出動するということですね。
これはもう戦争です。
そのときに日本軍、自衛隊は米軍を後方(こうほう)から、物資と弾薬とかの補給係(ほきゅう。ロジスティックス)をやるという決まりがあるんだけど、そこをいい加減にしてあった。(わざと棚上げ)
今の法律は、本当に危機事態(戦闘)になったら中国軍と戦うと、それとなく、書いてあるんじゃないかな。
しかし周辺危機事態の段階ではまだ物資補給です。
このとき日本は米軍の後ろからついていくと決めている。
それが安保法制です。
そこのところでは官僚たちと自民党は一致している。
だから周辺危機事態、すなわち、「もし政府が台湾有事だと認定したら」ということを、首相が言っただけであって。
だから高市たちは今も自分たちが悪いとは思っていないんですよ。
自分たち(日本)の主権に基づいて、「ここは決めていい範囲だ」と判断している。
別に「中国と戦争するぞ」って言ったわけじゃないから。
【じゃあ、「戦争になる前の周辺危機事態になったら、2015年に定めた安保法制で決めた通り、後方から米軍に物資を補給します」ということを言ったんですか?】
言ってないけど、官僚と政治家たちはそう思っている。
戦争するとは言ってない。
戦争の一歩手前の段階、米軍に後方から物資の補給をする段階の話だ。
しかし中国はそういう風には考えない。
「日本は新型の軍国主義になった」
「高市、お前(日本)は言ってはいけないこと言った」
「台湾有事は危機事態であるから、自衛隊を出動させるというんだな」と。
このように中国側としては「日本は中国と本気で戦争をする気か、こらっ」となる。
「日中友好と言いながら、一方で戦争するって何事(なにごと)だ」ってことになる。
「発言」の一週間前の日中首脳会談
こういう、日本と中国の解釈に齟齬(そご)がある。
日本国民はそのへんが分からないからポカンとしてる。
でも日本の官僚レベルでは、きちっと理屈を詰めていると思い込んでいるわけ。
国民は知らない。
このことを説明する新聞記事もない。
【でも中国側からしたら、米軍への物資の補給というのもダメなんじゃないですか?】
いや、それはもうはっきり、日本側は「する」と言っている。
日米安全保障条約(安保条約、1951年締結)があるから。多くの人が分かっていないけど、安全保障の条約というのは、軍事条約なのです。
軍事条約というのは恐ろしいんですよ。
「一緒に戦う」ですから。
「どちらかの国が外国から侵略=軍事侵攻=されたら、自国の軍隊も出動して戦争をする」(第5条。NATOも第5条)という契約です。
【日米安保条約に沿って、物資の補給をすると】
そう、そのとき、司令官はアメリカ軍で、日本はその家来になるんです。
そこはぐちゃぐちゃといい加減にしてあるけど。
要するに自衛隊は米軍の指揮下に入るんです。
【じゃあやっぱり、日本は高市発言を撤回しないんですね?】
しない。
いや高市政権の間はしない。
次の、アホの小泉進次郎も撤回しないだろう。
【公選法違反の疑い】小野田紀美経済安保相が“ヤミ選挙事務所”を作っていた《現役市議が証言》
— 週刊文春 (@shukan_bunshun) September 1, 2026
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だから中国との対立関係はこのまま続く。
そのことを今月一緒に私が対談本を出した近藤大介(こんどうだいすけ)氏が、中国の最高度の専門家として、心配している。
「日中関係は、酷(ひど)いことになっています」と。
でも私は別に心配してない。
この程度のことはなんともないと思っている。
【日本ごときを、中国は本気で相手しない、ということ?】
そうです。
中国が怒っていると言ったってね、いやがらせはするだろうけど。
日本の大企業たちに対して「中国から出ていけ」とは言わないからね。
それに中国はもう一段階、大人(おとな)だから、日本のその辺りの事情も分かってて、怒っているふりをしてる面もある。
それを理由に日本をギューッと締め上げてやるっていう態度だ。
だから、まあ、日本はこれからも締め上げられるんですよ。
日本はこれぐらいでは、まだアメリカに「助けてくれー」と言いたくもない。
大事なのは、中国とアメリカが、日本の頭越しで、上の方でいろいろ勝手に取引して決めちゃうことです。
これが外交上一番怖いことだ。
日本の官僚たちは一番恐れている。
去年の11月に、私は佐藤優(さとうまさる)氏と対談本を出しましたが、佐藤氏は、そればっかり心配している。
日本の頭越しで、大国(たいこく)同士で、G2(ジー・ツウ)でね、アメリカと中国が2大国だけで決めちゃったら、日本はどうするんだ。
日本自身が取引の材料、すなわち “まな板の鯉” になることも有り得る。
そのことを本気で心配しておろおろしているのが、大人の政治言論人たちです。
だから周辺危機事態という問題を、政治言論人はもうあんまり相手にしない。
この発言までは日本としてやっていい、ということになっているから。
怒っている中国側だって、とにかく日本政府と話し合いをしなきゃいかんと思っている。
最近、立憲民主党の下っ端議員が訪中したんだけど、向こうの対外連絡部(たいがいれんらくぶ)いう中国共産党の、いや、あれは国務省の外交部(外務省)の副部長ぐらいが出てきて相手をしていましたね。
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— リチャード・コシミズ/richard koshimizu (@ric_koshimizu) September 3, 2026
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