記憶が新しいうちに、記録しておきたい。

 

************

 

朝10時頃、駅で待ち合わせた。

 

はらぺこくんは慣れない駅だったので

落ち合うまでに、時間がかかって

電話で連絡をとりあった。

 

やっとホームに現れたはらぺこくんは

暑い中、歩き回った後で、疲れた顔してた。

こういう時の彼は、ちょっと不機嫌になる。

 

歳をとったな・・・

 

その顔を見て、最初に思ったこと。

出会った頃、40代だった彼は

まだほんの少し青年の名残があった。

今、その影はもうない。

 

「ごめんね、待ち合わせ場所の

 説明が足りなかったね~。」

 

するっと、そんな言葉が出てきた。

あ、もう心の距離が離れてきてる・・・

はらぺこくんのご機嫌斜めな態度に全然影響を受けず

とても客観的に、対処することができたから。

 

はらぺこくんは、すぐに

いつもの優しい笑顔に戻り

電車に乗り込んで、ピトっとふたり、並んだ。

 

距離が離れてきていても

こうやって身を寄せると、すごく落ちつく。

いつものように、愛しさが満ちてくる。

 

頭と体のそんな矛盾を感じつつも

わたしは、動揺しなかった。

 

あ、今日は、ちゃんとやり遂げられる・・・・

そう腹の底で感じた。

朝、ベッドの中で号泣したのに。

あれで、全部洗い流せたのかもしれない。

 

**************

 

「今日、なんか予感してたりした?」

 

車内でしばらく雑談をした後

切り出してみた。

 

わたしの故郷への突然の小旅行。

わたしは何も理由を言ってなかったし

彼もなんにも聞かなかった。

 

はらぺこくんは、不思議そうな顔で見返した。

 

「ここが

 わたしとはらぺこくんが行ける

 一番遠いところだと思ったからだよ。

 区切りとして、いいかな、と。」

 

「区切り?」

 

「そう、区切り。」

 

「そっか」

しばし微笑して、うなずくはらぺこくん。

 

「って?」

 

「そういうこと」

 

「ん?」

 

「最後の、冒険。」

 

「・・・・・・・・

 それって・・・

 そういうこと?」

 

「うん。そう。」

 

はらぺこくんは虚を突かれたように

何秒か沈黙し、

 

「・・・そうか・・・

 冒険が・・好きだもんね。」

 

と、弱々しく笑った。

 

それから、しばらく、わたしは窓の外を見つめ

沈黙が流れた。

 

でも、その後はまるで何事もなかったかのように

またいつもの楽しい雑談に戻って

やがて電車は目的の駅へ着いた。

 

乗り換え駅で、はらぺこくんは

トイレへ行く、と姿を消した。

 

「うんちがしたい」

って、言って。

 

後ろ姿を見ながら、思う。

こんなことを、お互いケロっと

言えるようになったもんだ。

そして、そんな彼とわたしは

今もたくさんセックスもする。

まあ、夫婦みたいになったのだ。

 

乗り換えて、短い編成の列車に揺られる。

やがて、わたしが育った町が見えてきた。

 

「あ、〇〇山!××川!

 あれは、わたしの高校!」

窓の外を指さすと

はらぺこくんは、全部いちいち興味深そうに

見てくれるのだった。

 

わたしの実家の最寄り駅に到着。

田舎すぎてタクシーがいないので

電話で呼び、

しばし駅前のベンチに座って待つ。

 

「不思議な気分だ」

と、はらぺこくん。

そうだよね。来たこともない駅。

わたしと知り合わなければ一生

来なかっただろう駅。

 

駅前には、全然人がいなくて

ミーンミーンとセミの鳴く声が

木々から聞こえていた。

 

やがてタクシーが来て、乗り込むと

故郷の村の名前を告げた。

 

(つづく)

 

 

 

 

 

旅立ちの日が近づいている

そんな予感がひたひたと打ち寄せる。

 

 

 

朝から、ブログを振り返って読んでいた。

5年の間

はらぺこくんとの揺れ動く気持ちを綴ってきた。

ものすごい記事の数!!!

はらぺこくんはわたしのミューズなんだ。

 

↓ これだ。

  この記事を探してた。

 

 

3年ほど前に書いたヤツだった。

 

ここ数日、映像が繰り返し浮かんでいた。

↓ (ちょっとポエムだけど・・・💦)

************

 

「いっしょにいられるのは

 ここまでだよ。」

 

はらぺこ少年と

リトルかっぱが向き合っている。

 

森をぬけた、村のはずれで。

 

村の向こうには、

ちゃぷん、ちゃぷんと、寄せる海。

 

「ここまでなの?

 どうして?」

 

「ぼくは、ここから先、

 行けないから。」

 

「なぜ?」

 

「ぼくには、持ち場があるから。

 そこを守るのが、ぼくの役目。」

「そうなの?

 でも、私といっしょに行きたいでしょう?

 私のこと、好きでしょう?」

 

「うん。

 もっといっしょに行きたいよ。

 きみのこと、愛してる。」

 

「じゃあ、どうして?

 愛してるなら

 いっしょに行けるでしょ?」

 

「ううん。

 ぼくは、ぼくを、やめられない。

 きみも、きみを、やめられない。

 きみは、冒険者で

 ぼくは、守り人。

 きみは、進んでいくし

 ぼくは、とどまる。」

 

・

・

・

ただただ、一緒にいたかった。

 

はらぺこくんがはらぺこくんのままで

わたしがわたしのままで

 

一緒にい続けるにはどうすればいいか?

その思いだけで、ここまで来た。

 

でも、今

出航を知らせる汽笛が聞こえる気がしている。

 

もしかしたら

はらぺこくんにも、聞こえているのかもしれない。

 

お互い、なにも言葉にしていないけれど。

パートナーとは感じ合うものだから。

 

***********

 

今度、遠出をする約束をした。

 

お互いに休みがとれると

前々からわかっていた日。

 

休みが決まった当初は

「いっしょに海水浴行きたいな」

って、ぼんやり思ってた。

 

かっぱの泳ぎにつきあってもらう!!

って。

 

でも、この前の記事・・・

岬を旅した日から、

ちがう映像が浮かぶようになった。

 

ポン!っと浮かんできたのは

緑色の田んぼ。

 

 

そうだ、

今度の旅行は、わたしの故郷へ来てもらおう。

 

 

わたしの育った村、わたしの家

通った学校・・・

そんなものを、一緒に見てもらう。

 

それは、わたしたちの

ひとつの「旅の終着点」になるだろう。

 

故郷に来てほしい、と言ったら

はらぺこくんは、すんなり同意してくれた。

少し複雑そうな間があったけれど。

 

おそらく彼は

つきあい当初から

わたしの故郷方面へ行くのを警戒していた。

わたしが彼の故郷方面へ行きたがるのも

いつも、いなしていたし。

 

本能的に、近づくのを避けたい心理が

働いていたんだろう。

 

だから、ここが終着点なんだ。

 

わたしたちが到達できる

一番「遠い」場所。

ここまで来れたら、もう悔いはない。

 

かっぱをどんなに遡っても

ここより前の歴史はない。

 

赤ちゃんみたいに、丸裸。

はらぺこくんには

そういうわたしを手渡したい。

 

 

 

車でも電車でも、どっちでも行ける。

 

今回、はらぺこくんは電車を選んだ。

いつもドライブが好きなのに、めずらしい。

 

でも、ふさわしいかもしれない。

密室ではないほうが。

 

 

その時、どんな気持ちがあふれるんだろう?

 

おそろしいような気もするけれど

でも、ただ静かに、

わいてくるものを受け止めればいい。

経験からそう知っている。

 

 

(おしまい)

 

 

 

 

 

このタイトルは、ヨシタケシンスケの

この本から連想したのです。😊

 

 

 

かっぱは、どこにでも行ける。

55歳でも、シングルマザーでも、富豪でなくても

たぶん、ほんとにそうなんだ。

 

 

先日、誕生日だった。

 

はらぺこくんがドライブに連れて行ってくれた。

すごくきれいな海の岬。

 

 

堤防にのぼり、風に吹かれて歩く。

 

はらぺこくんが、日よけのために

頭にかざした白いタオルが、ハタハタとなびいた。

 

海鮮丼を食べて、

ソフトクリームも食べて

おみやげも買ってもらって

楽しいドライブだったけど

 

わたしの気持ちは、どこか落ち着いていた。

 

いつもの日帰り。

近場に行って、帰ってくるヤツ。

ぐるぐると、力のない凧みたいに

同じ軌道を回るだけ・・・

 

そんな風に感じる自分を持て余した。

 

わたしは

飽きてしまったんだろうか?

 

最初の頃は、どんなおでかけも楽しめたのに。

 

***********

 

車の中で、秋に行こうと言っている

旅行について話した。

 

それもなんか、ワクワクしない。

 

はらぺこくんが出してくれた案は

1泊で福島だった。

 

1泊だけー?

福島ーー?! 

東北とはいっても、関東に毛が生えたようなもんじゃん。

昔、2泊で行ったことあるし・・・

 

とはいえ、はらぺこくんにとっては

大きな一歩。

だって、初めての泊まり旅行。

彼は、そもそろも若い頃から、あまり旅行しない人。

 

だからそのときは

歩調を合わせようと思っていた。

うむうむ。

わたしは、すぐ求め過ぎちゃう。

いっしょに出かければ、

いっぱい楽しいこともあるにちがいない。

 

でもなーー

その後、福島のガイドブックとか見ても

ぜんぜんワクワクしないんだよなあ。

(福島のせいじゃなくて

 わたしが行ったことあるからですね💦)

 

***************

ドライブの終盤、はらぺこくんは

誕生日プレゼントをくれた。

 

すごくサプライズな贈り物!

本だった。

 

以前記事に書いたけど

はらぺこくんが大好きな「スリバチ学会」の本。

東京の面白い地形を研究する人たちの

マニアックな本だった。

 

しかもちゃんとカードが付いていた!

彼がカードをくれたのは、

1回目の誕生日以来、久しぶり!

わたしが、「カードがほしいな~」って

誕生日前につぶやいていたので、応えてくれたんだ。

 

「いつも楽しく一緒に

 過ごしてくれてありがとう。

 仕事や家のことで毎日大変だと思うから

 そんな時は

 この本を見ながら、息抜きに散歩に行こう。

 Go!Go!」

 

そんな短いメッセージが

こちょんとした、可愛い文字で書いてあった。

 

嬉しい!!

こういう、心のこもった贈り物が大好き。

 

と、感激したのと同時に

どこか、がっかりしたのも、

自分で見ないふりできなかった。

 

ちぇっ!

5年たっても、散歩かよぉ~~っ

はらぺこと付き合ってる限り

ちまちまと、同じようなとこを

グルグル回るしか、できないんだな。

 

いや、はらぺこくんと散歩するのは

本当に楽しいのです。

はらぺこくんには、地井武男のような味がある。

いっしょに歩くだけで癒される。

 

が!!!

 

「散歩も楽しめる」のと

「散歩しか楽しめない」のは

ぜんぜん違う!!

 

もう、かっぱは

もっと遠くへ行きたいんじゃーーーっ!!!

地の果てみたいなとこに、行きたいのだーーっ!!!

 

はらぺこくんと一緒なら

どんなところでも楽しい

 

そういう時期は、過ぎたんだ。

 

わたしは、もっと冒険がしたい。

 

それは、仕事や家の状況と無縁ではない、きっと。

 

今のわたしは、フルパワーを出力して

人生の軌道を新たに作る時期。

男性性を発揮するべき時なんだ。

 

そういう時は

依存的な女の子のかっぱキャラは

少し出てこなくなるのだと思う。自然に。

 

***************

 

最近、新しい人と出会った。

 

その人といると

はらぺこくんといる時とは違うわたしが

出てくるのを感じる。

 

彼は、はらぺこくんよりも、ずっと

言葉でコミュニケーションをとる人。

だけど、その水面下にも、何か世界がある気がする。

 

おそらく、魂の相性は

はらぺこくんとのほうがいい。

いっしょにいると、言葉がほとんどいらないから。

 

だから、新しい人に

無性に惹かれる、ということはない。

どこか理性的なかっぱなのだ。

 

でも、なんとなく

色んな面がバランスよく、ほどほどに合うような気がする。

まだわからないど。

 

シングルファザーの川崎さんも

そういう意味ではそう。

無性に惹かれはしないが、ほどほどに合う。

 

その人と会った帰り道、

駅で、熊本と、北陸のチラシをふと手に取った。

 

あ、わたし、このくらい遠くに行きたいんだな、ほんとは。

 

エジプト、ポルトガル、北欧に行きたい!

って、その人に言ったら

ぼくも、全部行きたいところです、

と言ってくれた。

 

 

そっか。

はらぺこくんと付き合うようになってから

わたしはつい、近場の日帰り旅のチラシばっかり取っていた。

 

でも、ほんとは、どこにだって行けるんだ。

行こうと思いさえすれば。

 

お金がない?

 

そんなの稼げばいい!!!✨

 

かっぱの中の少年が、めっちゃ元気になってきた😊

 

ただ、もしも

はらぺこくんと離れて違う人とつきあうならば

わたしは、寂しさを抱えることになるだろう。

 

次に付き合う男性がいたとしたら、

それは、元夫やはらぺこくんのような

母子一体感を強く感じさせてくれるキャラではないだろうから。

 

でも、それは、進んでみなくちゃわからない。

強烈な寂しさだって、感じてみないと、

次に自分が何がほしいのか

わからないんだから。

 

(おしまい)

 

 

親離れと言っても、

子どもたちのことではなく、わたしのこと。

 

わたしの中で

不可逆的な変化が始まった。

 

この5年間

はらぺこくんは「絶対的」な存在であり続けた。

まるで「親」のように。

 

わたしは

彼にすべての甘えをぶつけ、

受け入れてもらうことで満たされた。

 

彼はわたしの憧れだった。

親のように。

わたしの知らない世界の道理を知っている人。

依存の存在でいられる「繭」。

 

でも、子どもはやがて

親を相対化することを学ぶ。

 

親もまた、ちっぽけな、ひとりの人に過ぎない。

限界にがっかりする。

憤りを感じる。

もっとずっと、わたしを安心させる「憧れの人」で

い続けてよ!

 

 

この「がっかり」には、覚えがある。

元夫との関係が変化したとき。

20年くらい前にも味わった。

 

わたしは、あの時、恐慌を起こした。

パニックになって、不安でたまらなくて。

ずっと依存の「子ども」でいさせてくれないの?!

 

2回目の今回、それはもっと静かに起こっている。

わたしは、もう少し成長した。

じわじわと、静かに変化を受け入れいてる。

 

それに、はらぺこくんは、元夫と

似ているけれど、ちょっと違う。

 

彼は、ちゃんとした「親」たりうる。

 

元夫は、わたしが離れていくことに

ものすごく抵抗した。

依存的な母親のように。

 

でも、はらぺこくんは、きっと違う。

 

彼は、強い痛みを感じながらも

わたしの自立を、まぶしく受け止めてくれるだろう。

母性の塊のような人だけど

それなりの強さもある大人だから。

 

はらぺこくんの方からは、絶対に離れていかない。

どんなに振り回し、勝手なことをしようとも。

いつでも帰れる場所であり続けてくれる。

でも、わたしから手を離すならば、受け入れてくれる。

 

それって、本当に「親」そのものだ。

 

わたしは、ちょっと罪悪感を感じる。

そんな大きな愛で包んでくれる親を見限るのだから。

 

そして、今までどれほどの大きな愛で包んでくれていたのか

思い知って、涙が出る。

 

感謝・・・・

心からの深い感謝が湧いてきたら、

関係は、次のステップへ進む合図なのだ。

 

でも、急がなくてもいい。

 

関係性が、どんな風に着地するか?

今までの経験のデータから予測しなくてもいい。

未来は不可知なのだから。

 

人との関係は

すべて唯一、ユニーク。

その人とわたしだけの形をとるのだから。

 

 

抽象的な話ばかりだったけど

 

また具体的なお話も、近いうちに書きたいと思います。

 

(おしまい)

 

 

 

30歳の頃に買った喪服をいまだに着ている。

 

54歳の今、さすがに次回は買い替えようと思った。

これからは、少しずつ出番が増えるのかもしれない。

 

5年ぶりに喪服を着ることになった。

友達のダンナさんが急逝して。

 

前回は、義理の母のお葬式。

 

久しぶりに喪服と黒いパンプスを身に着ける。

おや?

よくある膝丈のワンピース型だけど、

少し短すぎやしないか?

でも、買い替えるなら、長く使えるものをじっくり探したい。

今回は、これでしのぐことにした。

 

一緒に参列した知人はちょうど一回り上の方で

ふんわりしたパンツスーツだった。

そうか、だんだん足を隠すようになるのが

世の常なんだろう。

 

友人のダンナさんは、まだ56歳だった。

大動脈解離で

ある晩、夕ご飯を食べた後

突然、背中が痛くなり、救急搬送。

明け方には、お亡くなりになったのだという。

 

お棺の中のお顔、まるで蝋人形のよう。

お葬式で、いつもそう思う。

生きた御本人は、どこか別のところにいるんじゃないの?

 

わたしの大好きな、かっぱ子も、かっぱ太郎も

死んだら、蝋人形みたいになるんだろうか?

そしたら

こんなの、わたしの子じゃない!

わたしの子はどこへ行ったの?!

って、なる。

 

友人のダンナさんに、ひとつ、またひとつ

白い花がかぶせられていく。

参列者の手で、花にうずめられる。

そして、大きな蓋がのせられた。

棺の中は、きっととても、暗いんだろう。

 

こっちの世界とあっちの世界。

隔てる一枚の板。

 

そして、生きているわたしたちは、解散する。

それぞれの生活に帰っていく。

いい、お式だったね、なんて言いながら

帰りにアイスティーを飲む。

 

お葬式の帰り、それが必要なんだと思う。

生きている人間には。

わたしたちの体と魂は、まだ生きている

と、実感すること。

こっち側の世界なのだと。

いつかは、まちがいなくあっち側に行くし、

それは、まるでダーツに当たるかのように

今日か明日にも、自分に起きてもなんら不思議はない。

 

きっと、魂の世界には

今はこの世にいない魂がひしめきあっているにちがいない。

これから生まれる魂と、もう亡くなった魂たち。

そのほんの一隅に、「今この世に生きている魂」が光を浴びている。

稀有なのである。

体も魂も持っていられるということは。

 

夜、はらぺこくんが恋庭にメッセージをくれた。

彼は今、仕事で数日、遠くの島に行っている。

 

でも、何百キロもの距離を超えて、

彼の言葉が届く。

はらぺこくんは、生きているから。

 

何年もの間、こうやって言葉を送り続けてくれた。

なんて「有り難い」んだろう。

こういうときは、柄にもなく

神妙な気分になって、月並みなことを思ってしまう。

 

命の深淵。
隣り合わせにある深みをのぞきこんで、足がすくんだ気がした。
でも、これからは、その深みにじわじわと
慣れる機会が増えるのかもしれない。
 

5年前には平気だったヒールの黒いパンプスで

足が痛くなってしまった。

 

これから先、長く使えそうな

丈の長い喪服と、痛くならない靴を買おうかな。

 

帰りがけに、近くのお店で

喪服姿で、喪服売り場を見るのを楽しんでしまった。

わたしはまだ生きているから。

 

(おしまい)

 

 

 

家の中の誰も起きていない朝。

 

ストレッチしたり、洗濯機を回したり

朝の時間を満喫する。

 

息子の部屋の開け放たれたドア。

通りがかりにのぞくと、

くたっと2つに折れ曲がるように寝ている。

細長い手足が折りたたまれて。

 

もう170センチは、ゆうにあるのに

寝姿は、小さいころを彷彿とさせる。

 

 

リビングへ行くと、今度は娘の部屋。

これまた開け放たれた引き戸から

「く」の字に横向きで

ぷか~っと、金魚みたいに口を開けて爆睡。

 

かわいいなぁ。

 

子どもって、人間のふだんは見せないような姿を

たくさん見せてくれる。

 

生き物なんだよなぁ。

 

そういえば、子どもたちが小さい頃

うんちをしている顔を見るのが好きだった。

 

力んで顔の血管がふくらんで

全身がプルプル震えて

目がうっすら涙ぐむ。

 

そっか~

人間ってうんちするとき、こういう顔になるんだぁ

って、しみじみした。

 

そんなとき、すごく愛おしくなる。

 

命のありのまま。
社会生活では、他の人に見せない顔。
 
寝顔、排せつ・・・
 
あと、やっぱり、セックスなんだろうな。
 
無防備な姿。
 
守りたいような愛おしさと
ただ委ねたくなる、生命力と。
 
そんな朝のひとときでした。
 
(おしまい)
 

 

ふと思った、日々のつれづれ。

 

娘のかっぱ子は、田中みな実がけっこう好き。

面白くて賢いのが、いいらしい。

 

なので、39歳で結婚、妊娠中というのが

我が家で話題になった。

 

これから、ママタレントとしても

きっと活躍するんだろうな。

 

でも、もしも、もうひとり欲しいなら

猛ダッシュしないとだな。

 

早いとこ断乳して、2人目を考えないと。

 

子どもを1人妊娠して産むのって

3年くらい、すぐに経ってしまう。

妊娠してみないと、意外とこれがわからない。

 

わたしは、1人目完全母乳で、自然な卒乳を待っていたら

2歳半までのんでいた。

そしたら、2歳になるまで生理が再開しなかった。

そこから妊娠するのに数か月、

お腹に入れて10か月・・・

気づいたら、1人目出産から3年半経っていた。

 

こんな話を、流れでかっぱ子と話した。

 

かっぱ子は、まだ21歳だけど、

このシビアさに、びっくりしていた。

ひとり妊娠して産むのに、普通にしてたら、だいたい3年。

 

就職が決まった娘を持って考える。

 

女子の人生は、忙しい。

 

本来、17歳ー42歳くらいまで

女の人は安全に出産できるのかな?

25年くらい・・・と思うと、まあまあ長い。

 

 

でも、現代、普通に生きていたら

その25年のうち、最初の10年は、産まないことが多い。

仕事して、結婚相手を見つけて、産んだら27歳くらいって

わりとスタンダードだと思う。

(東京だと、むしろ早い印象)

 

すると、残りの15年で、産みたい人数、産み切らないといけない。

そもそも、27歳までに、仕事もパートナーも一段落まで

もっていけるって、まあまあハードルが高い。

 

今から就職する娘に、

なんて言葉をかけたらいいやら。

 

とっとと仕事おぼえて、

ダンナ候補探しも並行してぬかりなく

出産しても復帰できるキャリアを身に着けて

マンションくらい買える経済力もキープ!

・

・

そんなこと、言われても~ってなるよねぇ💦

 

ひるがえって

男子のほうは、70代、80代まで子どもを持つのが可能とはいえ

仮にだいたい17歳-60歳くらい、と考えてみる。

 

40年ちょっとはあるんだよねぇ。

 

だから、人生前半で、ドタバタしなくてもいいんだよねぇ。

女子とちがって。

 

女子の産める25年だって、それなりに長いんだけど

実際、キャリアが固まってくる30歳くらいからとすると

女子は12年

男子は30年

 

この差は結構あるよねぇ。

 

なんかムカつく・・・😊

娘を持つ母なのでした。

 

(おしまい)