「日本背脂四天王っ!?」

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 2020年、ドラマ化をきっかけにビッグコミックスペリオールで連載中の「らーめん再遊記」。第1集第2集第3集第4集に続いて、第5集が2022/6/30に発売されました。

 

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 もともとは短期連載と告知されていた「らーめん再遊記」が、5巻目に突入。今回は4つ目のストーリー「背脂ラーメン編」を中心にした内容。芹沢と同時代で「ライバル」だったが、時代遅れになってしまった背脂ラーメン店の板倉を、彼の息子であるラーメンYouTuber「グルタくん」との出会いで何とか助けようとするストーリー。今流行っている「二郎系・家系」をやらせればいいという現実的な提案は、過去の因縁から拒絶され、板倉の過去を聞いた芹沢が、「ラーメンでなくてもいい」という解決策を提案して成功へと導いていく。


 冒頭の引用部に挙げたのは、芹沢と有栖のラーメン談義から出てきたヒトコマ。京都・尾道・燕・東京の背脂ラーメンを並べた総称だが、背脂ラーメンが決して時代から取り残されたわけではなく、こってりラーメンの一形態として残っている事や、二郎系も背脂ラーメンの一部として考えられるといった点が、その前後の会話に現れている。


 第5集の残り2話で新しいストーリーに。「グルタくん」がストーリーに残り、彼がラーメン界の昔話(「ラーメン発見伝」の初期エピソードを含む)に改めて触れている。第5巻の帯には「自由人・芹沢」とあるが、自由人が様々な人と絡みながら話が進んでいく様は、ラーメン版「男はつらいよ」と思えてきていた(色恋沙汰はないですが)。そうなると、芹沢が「寅次郎」で、グルタくんは「満男」になっていて、「最近の若者」の動きを芹沢が見守っている構図なのかなぁと思える。


 そして、新エピソードの冒頭では、芹沢が中華チェーン「ほりでい」の、どうってことないタンメンに辛味噌を入れて、無邪気に喜んでいる姿が取り上げられていて、そこを巡る通りすがりの人の会話で、最新のラーメンをアップデートしていこうとする芹沢と、中華チェーンの平凡な一杯に心躍る芹沢との対比を見せる構成になっている。ストーリーは、塩ラーメンの大御所とその弟子が登場し、その2人の間にグルタくんも絡んだ色々な人間関係が描かれると思われる。次巻以降の展開が気になる所です。