「ラーメン発見伝」をレビューするシリーズ、いよいよ最後の第8回になります。
第1期:イントロダクション(1巻・2巻)
第2期:芹沢への挑戦期(3巻~6巻)
第3期前半:芹沢対藤本の構図に変化(7巻・8巻)
第3期後半:ラーメンマニアキングへ(9巻・10巻)
第4期:芹沢との拮抗期(11巻~15巻)
第5期:全国遠征期(16巻~20巻)
第6期前半:芹沢との全面対決勃発(21巻~23巻)
第6期後半:芹沢対藤本、最終決戦(24巻~26巻)<今回>
藤本が秘密を明かしてまで望む最終戦。そして夢だった独立開業へ
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ラーメン発見伝 24 (ビッグコミックス)
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ラーメン屋が「これはラーメンだ」って言ったら、
それが、うどんだろうがパスタだろうがラーメンなんだよ。
(24巻,p187)
連載最後の3巻は、ほぼ「全面対抗戦」の様子なんですが、24巻にはその他の話が一篇入っています。「肉をたっぷり乗せたラー油つけ蕎麦」という流行を突き付けられ、藤本はラーメン屋はそもそも自由奔放な業態であったとして、冒頭に引用したような自由なラーメンの定義を紹介します。
この話以外は、各巻ごとに「全面対抗戦」が1試合ずつ描かれます。24巻では第4戦。博多ラーメン店同士の対決という事で、同じ時間でどれだけ多くの杯数を作れるかという勝負。これまでの創作ラーメン勝負とは異なりつつも、足りなくなった豚骨スープを藤本がミキサーを使って早く仕上げたり、店主は客の顔を見て見込みで麺を茹で始めたりと、様々なテクニックで1杯差の勝利を収めます。芹沢はこの勝負を受けたのは「心のどこかで2勝2敗にしたいという気持ちがあったかもしれない」と述べ、その理由を「藤本クンとぎりぎりのプレイを楽しみたかった」と笑顔で述べる余裕を見せました。
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ラーメン発見伝 25 (ビッグコミックス)
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25巻の第5戦は、「互いに相手のラーメンをコピーする」という珍しいテーマ。六麺帝側に「ラーメンをコピーする天才」としてこれまでも登場した天宮がつき、ラーメンタイムトンネル側のラーメンを完全に再現。一方で、藤本らは相手方に寝返ったつけ麺店「東西軒」のかつての味を再現し、兄弟子の指摘もあって、東西軒店主に負けを認めさせる。この時点でタイムトンネル側の3勝2敗になり、負け越しがなくなった。天宮を擁しながら敗れた芹沢たちは怒り心頭で、東西軒を六麺帝から追放してしまうが、東西軒はタイムトンネル側に復帰し、次の勝負でアドバイスをする側になる。
第6戦は本来、残った1軒が芹沢に挑む流れだったが、この店主が大怪我をして出場できなくなり、タイムトンネルの各店主に推される形で藤本が代役として芹沢と対決する事になる。かつて会社に内緒で出演した「ザ・ラーメン・マスク」の正体が自分である事を明かしてまで勝負に臨むことに。
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ラーメン発見伝(26) (ビッグコミックス)
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退路を断った藤本が対決に至る流れが、最終の26巻に収録されている。藤本は幼き日に食べた蕎麦屋のラーメンに自分の原点を見つけ、独自の醤油ラーメンを考案する。対する芹沢は「清流房」創業時には客に受け入れられなかった「淡口らあめん」をブラッシュアップした一杯。渾身の一杯の対決になりながら、些細な点で差がつき、藤本が完全勝利を収める事になる。芹沢の敗戦の弁がこちら。

7巻に収録された番外編で描かれたように「客を信じる事をやめ」て成功した芹沢は、客を信じ切れずに藤本に敗北する事になる。
藤本はこの勝利をもってダイユウ商事を退職し、自らの味を持ってラーメン店を開業。最終回ではこれまでのキャラクターが揃う中、芹沢が最後に現れ、いじわるそうな、実は素敵なプレゼントを残していく。

これまで様々な衝突をしてきた芹沢と藤本だが、様々な事を教えられた藤本は最後に感謝の意を示す。「ラーメン発見伝」のストーリーは、「ラーメンふじもと」の開業で終了しますが、彼のラーメンは、その後の物語にも紡がれていく事になります。それはまた、次の話で。


