「ラーメン発見伝」をレビューするシリーズ、第5回になります。
第1期:イントロダクション(1巻・2巻)
第2期:芹沢への挑戦期(3巻~6巻)
第3期前半:芹沢対藤本の構図に変化(7巻~8巻)
第3期後半:ラーメンマニアキングへ(9巻~10巻)
第4期:芹沢との拮抗期(11巻~15巻)<今回>
芹沢との「大地」新作コンペでは互角の戦いを見せる。勤務先では上司が変わり、ラーメンテーマパークを企画へ
第5期:全国遠征期(16巻~20巻)
テーマパークとの関連で全国のご当地ラーメンを探訪し、その流れで地元の人たちと勝負。
第6期:芹沢との全面対決期(21巻~26巻)
芹沢率いるラーメンテーマパークとの全面対抗戦。そして夢だった独立開業へ
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ラーメン発見伝(11) (ビッグコミックス)
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ラーメンという料理は既成の概念に捕われず、常に進化し続けてきたことで、現在の広範な支持を得るに至りました。
こうなると人間、現状に安住したくなるもの…
しかし、そうして進化を止めた料理は、例外なく衰退の一途をたどります。
(12巻、p34)
物語は後半に入ります。とはいえ、これまで同様に「大地」でのコンペ勝負が行われます。11巻では細かいテーマを決めずに勝負したものの引き分けで両者採用。芹沢も「アイツにしては頑張った方かもしれんな」と評価。14巻の冷やしラーメンコンペでは、引き分けならコンペ勝負を終わらせるという提案が入り、芹沢は「氷を使う」と細かい条件をつけて藤本の腕を引き上げます。結果引き分けるもののコンペは継続という判断が下されます。この流れは、芹沢が藤本とのコンペを望んでいるという描写なのですが、実は「大地」でのコンペは結果として最後になります。
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ラーメン発見伝(12) (ビッグコミックス)
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一方で芹沢は、テレビの料理対決番組(「どっちの料理ショー」がモチーフかな)に藤本を強引に出演させます。会社にラーメンの腕前を明かせない藤本は覆面をかぶって「ザ・ラーメン・マスク」として出演。12巻での相手は「ラーメンマニアキング」で藤本に敗れた千葉。芹沢引用した部分をテーマに掲げ、斬新な一杯での対決を設定。そして、プロである千葉がリスクを背負っているのだからと、藤本に敗れたらマスクを取る「覆面剥ぎデスマッチ」を強引に追加しました。芹沢の真意を推し量ると、いつまでもプロの世界に来ない藤本に踏ん切りをつけさせたかったのかもしれません。しかし藤本は千葉相手に快勝。その後、15巻では芹沢本人が「ザ・ラーメン・マスク」と対決。審査員が5組なのに、強引な引き分けが発生して、藤本のマスク剥ぎは避けられました。
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ラーメン発見伝(13) (ビッグコミックス)
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地方出張は香川県と福岡県へ。12巻の香川県では連載当時大ブームだった讃岐うどん店を巡り、讃岐うどんの魂で作られたラーメンの再現に挑むという物語が進行します。このシリーズでは「発見伝」で初めて、実在の店舗が登場します。14巻では2巻以来、2回目の博多に行きますが、メインは屋台で実在店舗は登場せず、「水だき」をベースにした鶏白湯スープを取り上げます。この頃は「鶏白湯」という言葉は石神さんだけが積極的に取り上げていた時期でした。
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ラーメン発見伝(14) (ビッグコミックス)
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また、ダイユウ商事営業一課には女性の葉月主任が登場。ラーメンテーマパークプロジェクトが動き出し、後半の主な舞台になっていきます。連載時は、ラーメン店集合施設のバブル絶頂期だった2004年に企画が立ち上げられ、バブルが弾けた1年後には「大多数が大苦戦」と描かれていて、時季を得た内容になっています。
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ラーメン発見伝(15) (ビッグコミックス)
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また、5巻と6巻では屋台で勝負を挑んできた天宮が、「店の味を完璧にコピーする」ラーメンコンサルタントとして再登場。この勝負は藤本が勝利。これまでは藤本は常に芹沢の下にいましたが、徐々に藤本が力をつけ、芹沢との対等なライバル関係を感じさせます。




