内気な女性が厳しさを乗り切るには? | 真面目に脱線話@リンガランド英語塾

真面目に脱線話@リンガランド英語塾

英語や芸能など、思いついたことを適当に書いていくという、そういうブログです。

前回、ご紹介したスーザン・ケインさんによる内向的な人たちのための本、『Quiet: The Power of Introverts in a World That Can't Stop Talking』(『内向型人間の時代』)は世界的ベストセラーになりました。



日本ではいまだにポジティブ・シンキングを提唱する人が多いのですが、世界的に見ると、とくにケインさんの登場以来、すっかり流れが変わった印象があります。



世の趨勢はむしろ内気さを肯定し、相手への気遣いを見せることの美徳が成功を呼び込むといった考え方に変わりつつあります。



これは、女性が第一線で活躍する機会が増えて、世の中が「男性的な猪突猛進型」から、「女性的な共感優先型」に変わってきたことと対応しているのだろうと思います。



私たちもそろそろ「おじさん企業文化」に見切りをつけて、最先端で活躍するべく「次」に進もうではありませんか。本ブログを読んで下さっている奇特で賢明な読者の方には、とくにそう願わざるを得ません。



「次」はもう始まっていますから。



真面目に脱線話@リンガランド英語塾



さて、そのケインさんのインタビューが同じPsychology Todayに掲載されていたのでご紹介します。Psychology Todayでインタビューが載るのは珍しいのですが、それだけスーザンさんの主張が世界に大きなインパクトを与えたことが見て取れます。



本インタビューは『Quiet』のプロモーションの一環で、ニューヨーク大学で行われた公開インタビューの要約です(→外部記事リンク)。



司会者はまずケインさんに、「内向的人間」として長く生活してきたのに、世界的に注目されている中をどうやって元気に乗り切っているのかと聞きます。



At first, it was exciting, but also tiring and scary. But over time I learned to take it in stride. Two things really helped: The first was learning to shift my internal focus. When I feel overwhelmed by the demands of publicity, I try to focus on feelings of warmth and caring instead. I think of the people I wrote the book for, especially the next generation of quiet, thoughtful children. The second is: the miracle of desensitization! Desensitization is the practice of exposing yourself to the thing you fear, in small and manageable doses, until eventually you overcome it. I've used this practice to overcome my fear of public speaking, which I would have said was an impossible task.

「最初は盛り上がっていましたが、同時にしんどくてびくびくしていました。でも、徐々に乗り切り方がわかってきました。役立ったことが2つあります。1つは内省する対象を変える方法です。世間の注目に圧倒されたら、それを忘れて優しさと思いやりに集中してみます。私が本を読んで欲しいと思っている人たち、とりわけ内気で思慮深い次の世代の子供たちのことを考えました。もう1つは奇跡の鈍感力です! 鈍感力とは、あえて怖いものに近づき、ただしほんのちょっとだけですが、最後はそれを克服してしまうことです。人前で話す恐怖を克服するこういった練習をしましたが、以前なら絶対無理だと言ったと思います」



desensitizationはフィルムなどの感度がだんだん落ちていくことですが、心理学では過敏だったことにだんだん慣れて、さほど過敏でなくなっていくことをさします。この場合は、世間に騒がれることに慣れたということです。ここでは、渡辺淳一大先生の提唱する用語を使って「鈍感力」と訳してみました。




真面目に脱線話@リンガランド英語塾



こういった短い言葉からでもケインさんが並の人材ではないことが伺えます。次に司会者は本について聞きます。「本書にはたくさんの研究が盛り込まれているが、内向性についてあなたが最も驚いたことは何ですか」と尋ねます。



Introverted leaders often deliver better outcomes than extroverts do, according to research by the great Wharton social scientist Adam Grant.

「リーダーは外向的であるより内向的なほうが良い結果を出すことが多いということです。これはペンシルバニア大学ウォートン校の優秀な社会学者アダム・グラントによる研究によるものです」



グラント氏は『Give and Take』という本で時の人になった若手研究者です(→過去ログ)。




次に、司会者は本の批判者について尋ねます。内向的な人は批判をどのように乗り切っているのでしょうか。



Oh, this is a very important question. I'm a constitutionally thin-skinned person. But the criticism has taught me so much about how to handle life's slings and arrows. When the detractors detract, I always experience a momentary kick-in-the-stomach sensation. But I have learned how to work through it. When it's valid, I try to think of Maya Angelou's advice that you can't change the past, you can only learn from it. And when it's not valid, I wait for the bad sensations to pass-they always do-and then forget all about it. Book- and blog-writing is great practice for life in general!

「わあ、それはとても鋭い質問ですね。私は気が弱いですから。でも、批判からは、生きていれば受ける理不尽な攻撃を乗り切る方法をいろいろと学べます。そういった批判を受けると、私はいつもショックで胃が痛くなりますが、そこからやるべき事がわかります。それが正しいなら、過去は変えられないというマヤ・アンジェラスのアドバイスを思い出すようにして、そこから学ぼうとします。それが的外れなら、悪感情が抜けるまで待ちます。実際、抜けてしまうものです。そうしたら、すべて忘れちゃいます。本やブログを書いていると、大きな人生経験になりますね」



ある著者は「最近は私が新しい本を書くと、ファンよりアンチが先にアマゾンに1つ星のレビューを書き込みます」とこぼしていました。何度もやられているのに、やはりそのつどヘコみますとのことでした。



批判されてうれしい人なんていませんが、ヘコんでばかりいてもしかたがないので、有効利用しようというわけです。


真面目に脱線話@リンガランド英語塾



司会者は、子供の頃から内気でおとなしかったケインさんが、企業内法律家としてどうやってウォール街の猛者たちと渡り合ってきたのかと質問します。



I believe that whatever your inner state is will find a way of manifesting itself outwardly -whether you like it or not. So if you are speaking from an inner state of conviction, that will come across, and people will listen. The trick is to know what your convictions are. It helps to sit down with yourself before a meeting to figure out what you truly think and believe.

「内心はどうであれ、意志があればおのずとそれを表に出す方法は見つかると信じています。好むと好まざるとにかかわらず。だから、もしあなたが説得しようという意志で話をしたら、それが表れて、相手は聞こうとするでしょう。重要なのは説得するということがどういうことをわかっていることです。自分が本当は何を考えて、何を信じているかを理解するために、会議の前に自分と対峙すると効果があります」



「思っていることは、たとえ話さなくても相手に伝わる」というのは、私たちも経験からわかります。だとしたら、相手に何を伝えるには、その何かを本気で思うことから入るというのは、たしかに筋が通っています。



逆に、自分が信じてもないのに、相手を説得できるはずなどありません。



そして「最後に言いたいことは」と司会者が促します。



We are at the earliest stages of the Quiet Revolution! If you agree with the idea of creating a society that values and benefits from the talents of its introverts, please pitch in...talk to your child's teacher about introversion, organize a book group at your office, write a blog post. And don't forget to draw attention to your own contributions. I often receive mail from artists, writers, and other idea generators who are creating amazing things, but uncomfortable with "putting themselves out there." So no one gets to see their work or hear their ideas. That's such a shame. Nancy's book on self-promotion for introverts is a great place to start!

「私たちは内気革命の第一段階にいます。内向的な人たちの才能を尊重し活用するような社会作りをすることに賛成なら、ぜひ参加してください。子供の担当教師と内向性について話し合い、会社で読書クラブを作り、ブログを書いてください。また、自分の社会貢献についても必ず注意を払ってください。私はすばらしいお仕事をしている芸術家や作家などクリエイターからよくメールをいただきますが、自分をひらすらプッシュするという態度だと不愉快です。だから、そういう人の作品を見たり、アイデアを聞くことはありません。そういうのはとても残念です。内向的人のためのセルフプロモーションに関するナンシーの本は、とっかかりとしてすばらしいものですよ」



「自己主張は当たり前。やればやるほど善」という風潮にある欧米社会にあって、ケインさんの登場がいかに多くの内向的な人たちに福音をもたらしたかは言うまでもないでしょう。「内気でもいい」ではなくて、「内気だからいい」というケインさんは、まるで私たち日本人も応援してくれているように感じます。




ネイティブ発想でやりなおし英文法-リンク


にほんブログ村 <br /><br /><br />英語ブログ 英文法へ にほんブログ村 英語ブログ やり直し英語へ

Image(s): FreeDigitalPhotos.net



【告知】
ディスカヴァー・トゥエンティワンからマイケル・マハルコ著の翻訳書『クリエイティブ・シンキング入門』を出版いたしました。日本ではロジックの大切さが強調されていますが、世界的な趨勢はロジックにとらわれずに、自由な発想でクリエイティブに活動するほうへと流れています。

それを実践するのがクリエイティブ・シンキングです。本書はクリエイティブ・シンキングを身につけるための最良の入門書です。ビジネスやアカデミズムの最先端で活躍していく方はぜひご一読ください。定価は2400円+税です。





真面目に脱線話@リンガランド英語塾