
CPAPの継続率の話
過去ログには睡眠時無呼吸症候群とCPAPについて触れた記事がある。
CPAP(持続性気道陽圧療法)は、睡眠時無呼吸症候群(SAS)の代表的な治療法で、現在、中等症から重症のSAS患者の第1選択の治療法である。睡眠時無呼吸症候群は薬物療法はなく、CPAPで治療を行う。
しかしながら、鼻を覆うマスクに違和感を感じることもあるのか継続率はあまり高くない。僕の患者さんでもN数が少ないが、半分弱は止めてしまっている。
ある日、CPAPについて大学時代の同級生と話す機会があった。彼はCPAPをしている患者さんを持っており内科医の中でも詳しい方である。彼によると約3分の1の患者さんはCPAPを止めてしまうと言う。
特に是非続けた方が良いと思われるまだ30歳代の若い患者さんが受診しなくなることを心配していた。その若者は肥満し体型的な要因が大きいタイプだったらしい。
しかしCPAPは任意の治療なので強制はできない。来なくなればほぼ放置するしかないのである。
本人が自ら止めたと言うことは、CPAPのメリットが感じられなかったのかもしれない。
到底止めることなどできないと言う人は、睡眠の質の改善、日中の眠さの減少、夜間頻尿の減少などの実感を持つ。
睡眠の質の向上とは、熟眠感や中途覚醒の減少などである。ここで言う中途覚醒は、一般的な精神科の中途覚醒とは異なり、夜間頻尿による二次的な中途覚醒も含まれる。
30歳くらいの若者がCPAPを続けることの面倒さを考えるに、気持ちはわかるような気がする。
なぜならほとんどの若者は、CPAPなど受ける必要がないのである。機器の大きさはそこそこあるし、重さもあり、例えば旅行などに持っていく際も荷物になる。患者さんの友人がその機器を付けたのを見た時、重病感を抱くことも本人は嫌だと思う。
また費用的な問題もある。メンテナンス(機器のリース費用)の1か月の受診費用は若者にとってそう安価ではない(健康保険が適用されて1万円未満だが)。
ほぼ毎日CPAPをしていても受診がおろそかになり、3~4か月に1度しか受診しない人もいるらしい。
何歳であれCPAPの適応レベルの人は、CPAPを中止することはメンタルヘルスへの悪影響も含め、非常に良くないことだと思う。
なぜなら、睡眠時無呼吸症候群は、身体的ダメージが蓄積する疾患だからである。
参考
