認知症 | kyupinの日記 気が向けば更新

日本を除く先進国で認知症の発症率が低下していること

日本では認知症が増加しており、今後、高齢者の認知症の有病率(65歳以上、12%~13%)が高くなっていく見通しである。これは日本国民の高齢化が今後一層進んでいくことも反映している。

 

一方、欧米の調査では近年、認知症の発症率の低下が起こっているらしい。

 

基本、ほとんどの精神病は「老化」ではない。精神病は老化とはほとんど関係していない。

 

これを精神疾患にまで広げると、僅かに老化が関係している疾患もある。

 

まず神経症は老化ではない。ASDやADHDも生来の疾患なのでもちろん老化とは関係しない。高齢になるとASDやADHDの症状に変化が生じることがあるのは、脳の老化により制御する(抑制系)が衰えていくからだと思う。

 

脳動脈硬化症は明らかに血管系の老化と関係している。これを精神疾患に含めるなら、脳動脈硬化症は老化をパラメータとしている。アルツハイマー型認知症は、直接、老化ではないが、若い人には極めて稀なので、老化による脳内環境の悪化が影響していると言える。

 

このようなことを記載した理由は、この考え方をすれば欧米の認知症の発症率の低下傾向がなんとなく理解できるからである。

 

認知症は生活習慣病を放置すれば罹患しやすい。上に挙げた脳動脈硬化症から発展する脳血管性認知症は特にそうである。ここで言う生活習慣病とは高血圧や糖尿病などである。

 

日本人は数千年、穀物を主食としてきた歴史がある。日本人が米を食べ始めたのは縄文時代の約3000年前らしい。その後、弥生時代に本格的な水田稲作が始まったと言われている。このようなこともあり、日本人はいわゆる高脂肪、高カロリーに耐えられない遺伝子を持っていると思われる。

 

日本人の食生活が次第に欧米化し糖尿病の罹患率が増加している。糖尿病は肥満と関係が深いが、それほど肥満していない人でも、日本人は欧米の人よりインスリン分泌能が低いとされている。また、デスクワークが増えて、運動不足になりやすいことも関係している。

 

欧米で認知症が減少している要因の1つは、これら糖尿病や高血圧の治療が進化していることも大きい。特に糖尿病薬は僕が学生時代の医師国家試験のヤマどころではないほど、斬新で画期的な薬が開発されている(例えば心血管保護作用も持つSGLT-2阻害薬など)。

 

血圧の薬も昔のように直線的に下げるだけではなく、組織の保護作用もいくらか併せ持つ降圧剤も処方されるようになった。実際、高血圧のために降圧剤を服薬している人は、服用していない人より認知症の有病率は低くなると言われる。

 

他、認知症減少をもたらす医療として、睡眠時無呼吸症候群のCPAP療法も挙げられる。睡眠時無呼吸は脳の低酸素状態を来たすため脳には明らかに有害である。これは脳血管性認知症と言うより、むしろアルツハイマー型認知症の抑制効果があると思われる。

 

また帯状疱疹ワクチンも認知症発症に抑制的に作用する。日本は、かつてあったHPVワクチンのマスコミによるネガティブキャンペーンも影響し、このワクチンも含め接種率がかなり低い。酷い話である。

 

 

帯状疱疹ワクチン接種は水痘、帯状疱疹ウィルスの再活性化を抑制し、脳内炎症や微細な脳血管障害を軽減することにより認知症を発症しにくくさせる。

 

アメリカの高齢者の接種率は約50%に対し、日本では10%に過ぎない。

 

ただし新型コロナパンデミックにより、日本に比べ先進国で高齢者がかなり亡くなっていることもいくらか統計に関係しているかも?とも思っている。