今村翔吾さんの小説『茜唄(上・下)』を読み終えました。
久しぶりの「羽州ぼろ鳶組シリーズ」以外の今村作品で「平家物語」を題材にしています。
2023年3月に単行本刊行、25年5月に文庫本化された第1刷を僕は読みました。
上巻391頁、下巻本文428頁の大作です。
上下巻各々について、出版元の角川春樹事務所のHPに掲載されている紹介文を以下に転載させて頂きます。また、表紙カバーの画像もネットからお借りしました。

祇園精舎の鐘の声、諸行無常の響あり。朗々とした唄、琵琶の音が闇夜に響く。何者かが男に伝える、二十余年の歳月を要して編み上げた物語。その名は──。平氏棟梁・平清盛が四男・知盛。清盛最愛の息子とまで呼ばれた彼だが、幼い頃から病弱で出世は遅かった。だがそんな彼にも源氏という時代の荒波は容赦なく襲い掛かる。弟分で「王城一の強弓精兵」と呼ばれた教経と共に否応なく前線に立つ知盛。没落に向かう平氏を盛り返すことはできるのか。直木賞作家による、熱き血潮が巡る「真」平家物語!

 

歴史とは、勝者が紡ぐもの。では、何故『平家物語』は「敗者」の名が冠されているのか? 現代では作者不明の『平家物語』は誰が書き、何を託されたのか──。平清盛最愛の子・知盛は交戦を続ける源氏を前に、木曽義仲を水島の戦いで破った。だが、敵には源頼朝、そしてまだ、戦の天才・義経がいる。知盛はこの苦境に、どう抗っていくのか。平家全盛から滅亡まで、その最前線で戦い続けた知将が望んだ未来とは。時代を創った綺羅星の如き者たち、善きも悪きもそのままにそのすべて。

 

紹介文に記載されている通り、平家物語は作者不明で、かつ、敗者の名が冠されている物語ですが、それは何故か?何を伝えようとして、伝文されたのか?を今村さんの解釈で紡がれた作品で、読み応えがありました。
元々、史実の詳細が不明なので、登場人物がどのように考え、どんな想いを持って行動したのかはわからないけれど、その内面を今村さんの豊かな表現力で描かれると、そんなことがあったのか!と思えて引き込まれますグッ
ネタバレになることは書きませんが、親子・夫婦・一族の絆に、読んでいて涙するところもありました泣
 
下巻巻末の解説で、クリエイティブディレクターの佐藤可士和さんと言う方が記載されていることが、正に、この作品を的確に捉えておられるように思えたので、その部分も転載させて頂きます。

平安時代末期を生きた平家の人々の、血の通った躍動、思い、覚悟、そして愛。平家だけでなく闘いを繰り広げた木曽義仲、源義経と弁慶やその家中の武者たち、そして源頼朝、後白河法皇など、登場人物が今、この場で動いているかのような鮮やかさで眼前に現れる。 世の中が大きく変わろうとする中で、勇気を持って挑む者と妨げる者、信念と信念の人間の在り方に触れ、魂が揺さぶられる。

 

長編ですが、感動する作品だと思います。おススメします。