皆様、猛暑が続く中体調を維持して元気に過ごされておりますでしょうか。今日はNSPが広く世に知られるきっかけとなったアルバム「ひとやすみ」の中から、もしかしたらこの頃の天野さんや三人の本当の思いが一番表されているとも思える、初期の名曲をご紹介したいと思います。
この灰色の空は押しつぶそうと 僕の頭の上
そんなに気持ちがいいんだろうか 僕をいじめて
なんて空だろう なんて空だろう
僕の心はくしゃくしゃになって しまいそう
中村さんのさわやかな声とは裏腹などんよりと重苦しい空の色、そしてその空に押しつぶされそうになっている辛い心模様が描かれています。以前もお書きしましたが、NSP最大のヒット曲「夕暮れ時はさびしそう」が世に出る前のNSPの活動は決して順風満帆というわけではなく、天野さんもかなり創作活動に悩まれていた時期であったと言われており、この曲はまさにその頃に書かれた曲ではないかと思われます。もちろん都会の空も毎日がどんよりとした曇り空ばかりではないはずですが、おそらくその頃の天野さんが感じていた不安や苦しさなどが歌詞に反映されたであろうことは容易に想像されます。
なんて街だろう なんて街だろう
ビルとビルとの隙間に群がる 人ばかり
さてこの歌詞、「なんて空だろう」のフレーズが繰り返される中、ここだけが「なんて街だろう」のフレーズに置き換えられています。そしてこれこそが「大きな街」に夢を求めてやってきた三人の最も正直な思いが表れたものだと感じられるのです。馴染まない街、思うように行かない毎日、心にのしかかる大都市の重圧や未来への不安は美しい青空さえも灰色に感じさせたことでしょう。
なんて空だろう なんて空だろう
都会の空は人の心も 変えるのか
なんて空だろう なんて空だろう
若者が常に抱く都会への憧れと怖さ。今も昔も、周りに大勢の人がいながらも感じてしまう「都会の孤独感」は若者を苦しめるものと思われます。そしてその苦しさを取り除くものは、一緒にそれを乗り越えようと支え合う仲間に他なりません。天野さんも一緒に歩いてくれる二人がいたからこそその辛さを乗り越え、ついには大ヒット曲を生み出すことができました。辛い日々を乗り越えて三人で見上げた空はきっともう「なんて空」ではなく、青空はしっかりと青く、そしてそれは三人が都会の空をようやく美しいと感じられた瞬間だったのではないかと思うのです。
DANKOROさん、お借りしました。ありがとうございます。