誰も読んでくださる方がいなかったらすぐにやめよう、そう思いながら始めたこんなマニアックなブログも、何とご紹介させていただいた天野さんの曲がついに百曲目を迎えました。ここまで続けることができたのは本当に多くの方々の温かい言葉のおかげに他なりません。心より感謝を申し上げます。かなり以前より百曲目はこれと決めていた曲は、もうファンの皆様にはご紹介する必要もあろうはずのない、NSPの誇る代表曲中の代表曲です。
田舎の堤防 夕暮れ時に ぼんやりベンチに 座るのか
散歩するのも いいけれど 寄り添う人が 欲しいもの
あの娘がいれば僕だって 淋しい気持ちにゃならないさ
周りの暗さは僕たちのため あの娘がくるのを待っている
実はこの曲は私が初めて聴いたNSPの曲でもあります。そしてまさに家の裏に河川敷や堤防のあった田舎者の私にすれば、当時これほど一瞬にして心をつかまれた曲はありませんでした。
こんな河原の夕暮れ時に 呼び出したりしてごめんごめん
笑ってくれよウフフとね そんなにふくれちゃ嫌だよ
学生時代、周りにNSPファンなどいるはずもなく隠れキリシタンのようにひっそりと自分の部屋でNSPの曲を聴いていたあの頃でも、時折誰かにNSPの話をすると多くの方がこの曲だけは知っており、あの「ゴメンゴメン」の曲ねと良く言われたものでした。例えばこの短い部分だけをとっても、他の歌手の曲からは決して聴くことのできない詩が詰まっています。描く風景はあくまで素朴で温かく、そして綴る言葉はとても弱くて優しすぎる男性の素の思い。こんな魅力的な世界を一人でも多くの人に伝えたいと始めたこのブログの原点もまた、この曲にあるのです。
夕暮れ時はさびしそう とっても一人じゃいられない
デビュー間もない頃には創作活動に悩んでいたと話されていた天野さん、この曲のヒットがなかったらその後のNSPが続いていたかどうかわからなかったかもしれません。都会に出て誰にも負けないという思いからいっぱいいっぱいになっていたそんな時、ふと故郷の「田舎の堤防」を思い浮かべ、純粋で素朴な自分達の本当の姿と、心にしまっていたNSPの原風景を素直に描こうと思って生まれたのが、この素敵な曲だったのではないでしょうか。
この曲がNSPを救ってくれたおかげで、その後数え切れない程の素敵な曲達が我々に届けられました。そして45年の歳月を経た今年、一ノ関では田舎の堤防のベンチがメモリアルスポットとなり、駅のホームではこの曲が流されました。天野さんの思いを永遠なる形で故郷やファンの皆様に繋いだこの曲はまさに、神様が天野さんに与えてくれた奇跡の曲だと、今も思うのです。