送り出す | 読書セラピー(幸せのページ)

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木に吹いた風が緑色になるように
花に吹いた風が芳香を運ぶように
風に言葉を託して届けます。

「好きな芸能人が亡くなって
心の穴が埋まらない」というEさん。

直接面識はなくても
テレビや本を通して
その芸能人に
好意を抱いていれば
喪失感があるのは自然です。

「自分の日常が
失われたみたいで
ああ、もうあの人は
どこを見てもいないと・・・」

「Eさん、『喪の仕事』を
やってみませんか」

「『喪の仕事』って?」

「フロイトが唱えた
『喪の仕事』という概念を
イギリスの精神分析学者ボウルビィが
4段階に細分化したものです。

(第1段階)
親しい人が亡くなったとき
喪失感で何も考えられなくなる。

(第2段階)
亡くなったことを
現実として受け入れたくない。

(第3段階)
亡くなった事実を受け入れる。

(第4段階)
この3つの段階を経て
生前あんなことを言っていたな
自分にとってはこういう人だったな
と冷静に回顧できる。

例えば、お寺や神社にお参りして
相手の死の旅路が
安らかであらんことを祈る。
愛読書を読んでみる。
行きつけのお店に行ってみるなど
そうやって故人を送り出しては
いかがでしょう」

出典:『脳脳と生きる』(中野信子、文藝春秋、p40)