モーツァルト:弦楽四重奏曲 第19番 ハ長調 <不協和音> K.465 (ハイドン・セット 第6番)
シューベルト:弦楽四重奏曲 第12番 ハ短調 <四重奏断章> D.703
ベートーヴェン:弦楽四重奏曲 第7番 ヘ長調 Op.59-1 (ラズモフスキー 第1番)
(アンコール)
ベートーヴェン:弦楽四重奏曲 第16番 ヘ長調 Op.135 より 第3楽章
滝廉太郎 (三枝成彰編曲):荒城の月
フィルハーモニア・カルテット ベルリン:
ダニエル・シュタブラヴァ (1st Vn), クリスティアン・シュターデルマン (2nd Vn), ナイトハルト・レーザ (Vla), ディートマール・シュワールケ (Vc)

ベルリン・フィルの来日公演のあと、オケメンバーは様々な形で出稼ぎに、いえ、各地で公演をしている。東京近辺はかなりいっぱいあったんじゃないだろうか。
福岡ではベルリン・フィル関連の公演は二つ催された。
このフィルハーモニア・カルテット ベルリンとクラリネット首席奏者のオッテンザマーのリサイタルだ。 今日は1週間くらい前のフィルハーモニア・カルテット ベルリンの公演から書きます。
フィルハーモニア・カルテット ベルリンは1984年に当時のベルリン・フィルの首席奏者たちによって結成された。
現在のメンバーも第1ヴァイオリンのシュタブラヴァさんはいわずとしれたベルリン・フィルの第1コンマス、第2ヴァイオリンのシュターデルマンさんも1987年からベルリン・フィルの第2ヴァイオリンの第1首席奏者、ヴィオラのレーザさんも2011年まで首席奏者を務めた。この3人は長年のメンバーのようだ。

左からシュタブラヴァさん、レーザさん、シュワールケさん、シュターデルマンさん
かつてあのメニューイン(ヴァイオリニスト)が、「いつもいつも聴いていたい美しさ」と言ったというこのカルテット、なんと初の福岡公演
ベルリン・フィルの顔ともいえる、長年第1コンマスでご活躍されているシュタブラヴァさんの演奏姿はブラウン管ではしょっちゅう拝見するものの、いつもオケでの演奏なのでご自身から醸し出される音色ってどんなんだろう?とすごく楽しみだった
会場に行ってびっくりしたこと・・・ お客さんがす、少ない!!
ホールが大ホールというせいもあって余計少なくみえたのかもしれないが、2,3割くらいの入りだろうか?? せっかく遠いところを来福してくださった演奏者の方々に気の毒な気がした・・
とはいえ、演奏はもちろん手抜き一切なしの本当に素晴らしいものだった
いつもカルテットを聴くときは、ついつい第1ヴァイオリンとチェロばかりに注目しがちになってしまうのだが、この日は第2ヴァイオリンとヴィオラにも目がくぎづけ~
もうね本当にうまいんです!
これこそほんとのカルテット! 4人がそれぞれの旋律を奏でていて、あるときは対等にまたあるときは主となり従となりひとつの音楽をまっすぐに作っていく醍醐味を感じた。
たった4人での演奏のはずなのに、聴いているとまるでオーケストラを聴いているような錯覚を覚える。 しかも一度も不安定なところがなかった。
「こんなすごい人たちだからこそあのベルリン・フィルの凄すぎる演奏ができるのだ」としみじみと思った。
そして第1ヴァイオリンのシュタブラヴァさんの演奏は、予想していた以上、その何倍もとても素晴らしかった
姿勢もそんなに動かないのに手元から奏でられる音は実に多彩で本当に美しい。手をガン見したところではそんなに大きな手でもなさそうだし指もどっちかというと短い方なのでは?
前半も素晴らしかったが、後半のベートーヴェンが個人的には一番感動した。
4人ともさほどアイコンタクトを交わさないのに、あうんの呼吸で息がぴったり。
最終楽章のシュタブラヴァさんのヴァイオリンの美しさが際立っていた。
アンコールは第2ヴァイオリンのシュターデルマンさんが、
「私の日本語は限られているので英語で失礼します。」といいつつ曲紹介をした。
2曲目は「荒城の月」(これ12人のチェリストたちでもアンコールで弾いていた)で、演奏が始まると会場から思わずため息がもれていた。
終演後には4人のサイン会があった。
チャンス!と思い、シュタブラヴァさんにサインをもらった際に握手してもらった。どんな手なのか実際に触ってみたかったからだ
予想通り!手そのものは割とちっちゃくてかわいらしい手なんだけど、もおとっても柔らかい!
肉厚も豊かで赤ちゃんの手みたいにぷくぷくしてた。
「この手だからあんなに豊麗な音が出せるのかも」と思った。
4人とも本当に優しい感じでした。レーザさんに「こんな遠くにまではるばる来てくださってありがとうございます」というと、「喜んで来ましたよ~」とにっこり微笑んでくれた。
こんなに素晴らしい演奏なんてめったに聴けないのにお客さんが少なかったのが残念だなあ。
「ベルリン・フィル」が福岡にきたら間違いなく満席だろうが、カルテットとなると皆さん興味がなくなるのだろうか。東京だったらきっと大入り満員だと思う。 だから福岡にはあんまり来てくれなくなってしまう。このカルテットも来福は今回が最初で最後だろうという話を聞いた・・
会場で思わずCDを購入したが、CDでもやっぱり素晴らしいです。
- Beethoven: String Quartets/Thorofon

(これは全集版ですが小売りもあり)