何気ない日常が織りなす人生―「この世界の片隅に」の巻 | カフェときどき読書

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映画「この世界の片隅に」を見てきました。

 

こうの史代作品は「夕凪の街 桜の国」から好きで

これも昔一度借りて読んで、

その良さを知っていたのですが

映画版、思っていた以上によかったです。

 

 

太平洋戦争前後の広島県・呉市を舞台に

主人公・すずを取り巻くささやかな毎日。

 

戦時中で、空襲のシーンもあるのだけれど

戦争の悲惨さ、愚かさを声高に訴える、という感じでもなく

歴史の教科書とか本やテレビとかには出てこないような

普通のひとたちの、普通の暮らし。

物がどんどんなくなっていく中で

工夫して毎日の食事を作って、好きな絵を描いて、

家族と笑いあったり、痴話喧嘩したりして、

海軍さんの制服や軍艦をかっこいいと思うこともあって-

一日一日を確かに生きている、

そんな様子が、たんたんと描かれていました。

 

大変なことがあっても、

生きていれば、生活があり、それが続いていく。

 

 

生きているって、いいことばかりじゃなくて

目立つことばかりでもなくて、

うまくいかないなあ、パッとしないなあ…

と思うような日々の中にも

今日食べたごはんがおいしかった、とか

ちょっと素敵な人に会えた、とか

ドジやらかして笑っちゃった、とか

空に浮かぶ雲に見とれちゃった、とか

ほんのちいさなできごと、心の動きが

人生という模様をつくっていく。

 

そして自分たちはそれぞれ

歴史という大きな大きな布の中のちっちゃな端切れで

でもそのひとつひとつが重なり連なることで

模様に深みや味わいが生まれていくんだな…

 

そんなことを思いました。

 

最後は続いていく日々に希望がほんのり差して

観終わって時間がたった今も

じんわりと、こころがあったかい。

 

 

コトリンゴさんの歌と、主人公ののんの声がまた、

作品のイメージぴったりで。

マンガのアニメ化、実写化で

イメージ合わない~というのはよくあることだけど

これは本当に、原作の良さがさらに引き立てられた感じ。

 

あと!

主人公の旦那さん役の細谷佳正さんと

主人公の幼馴染役の小野大輔さんの声が

めちゃめちゃ素敵で、聞き惚れた~。

声優に萌える長女の気持ちがわかる(笑)

 

 

見終わった後あらためてマンガも買っちゃった。

そしてネットサーフィンしていたら

実は気づかなかった細かい描写も多々あったみたいで

映画もまた見てみたくなるなあ。