雨のフィレンツェ、制作に没頭し娘とお雛様を飾る | 人生の果実を味わう彫金職人の暮らし フィレンツェ物作り物語

人生の果実を味わう彫金職人の暮らし フィレンツェ物作り物語

フィレンツェ在住26年の、ジュエリークリエーターKaorukoが、物作りについて、イタリア子育て生活をまじえながらお伝えします。

日本の皆様


おはようございます。


今日は曇り空からスタートしてお昼頃からは雨のフィレンツェでした。


こんな日はこもりきりで制作に没頭。


雨音を聞きながら、しっとりとした繭に包まれているような静かな空気の中で、物作りに集中する。




フィオル ダ フィオーレシリーズのブレスレットパーツに彫りを入れてつるりとした花の形を立体的にして行く。




こちらは石が入った同じくフィオル ダ フィオーレシリーズのオーダーリングに最後の彫りをこれから入れるところ。

今回のオーダーでは、アメジストとタンザナイトが人気でした。



花びらの先から石までの数ミリに絹地加工をほどこし、ピカピカに磨いて、

メッキ工場へ持って行ける段階になる。



そして夕方になり、

雨のせいで、お蔭で?テニスのレッスンがなくなった次女と一緒に、お雛様を飾る。


今年の雨水の日だった月曜日に飾ろうと思いつつ、結局金曜日になる。






愛猫ルイが、家族に加わった年から、お雛様の飾り場所を本棚の一区画に変えていたが、


最近、この飾り棚に上る姿を見なくなったので、


思い切って、昔の場所に戻してみた。


外出中に、お雛様がボロボロになっていないことを祈る。



この飾り棚の横に、私の彫金作業台があるのだが、こちらにも上がることは、めっきりなくなり、

外出時には必ずカバーをかけていたのが、


今では、その日の作業終了時まで、そのままの状態でも、彼は全く興味なし。


これまた、試みである。


トライアンドエラーで、仕事も暮らしも良くなって行くのであるが、

もしもエラーが出た時が、

お雛様の場合、ちょっと損害が大きいかも知れない。




次女とお雛様を飾りながら、毎年のように話している、これを買ってもらった時のエピソードを語る。


長女が2歳の時、父の危篤で、日本へ呼び戻された。


高次治療室に毎日通い、意気消沈している母と一緒に、雛人形を求めに行った。


いつもなら可愛らしいものよりも、シックだったりクールだったりする綺麗系に惹かれる母と私が、

意外にも優しいまろやかな顔立ちのお雛様を選んだ。


このお雛様を見るたびに、その時の心境に舞い戻る。





「お父さんからの最後の贈り物よ。」

と母が言った。


今年はこれを一緒に買った母もいない。


お雛様を見ながら、なんとも切なくなる。


子供たちとの恒例のお雛様飾りも、あと何回できるだろうか?

本来ならばこれは長女のお雛様だが、もう彼女は一緒に飾り付けをしない。


しかし、このお雛様にまつわる祖父母のエピソードを忘れることはないだろう。


物と思い出と記憶は、


私の切ない思い出と共に、彼女たちに語り継がれている。


きっと父と母が、このお雛様を通じて、異国の孫たちを守り続けてくれるだろう。



今日も最後まで、読んでくださり、ありがとうございました。





フィオル ダ フィオーレ ブレスレット 925シルバー アメジスト 西洋彫り




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