最終決定の連絡がなく、ぬか喜びに終わった感じだった。
「もし、今週テニスが始まらなかったら、走りに行こうよ。」
長女のウェブ授業の前に戻ってくるために、朝7時に起きて外へ出る。
朝の空気が清々しい。
マスクをしたまま、アルノ川に出るまでの距離はウォーキングをする。
長女と他愛のないおしゃべりをしながら歩くのが、ことの外嬉しかった。
あれは何年前だろうか?
フィレンツェマラソンの余興の子供の部に、出たがった長女と
そのための練習として、毎日走った同じ道を通るのは感慨深い。
小さくて可愛かった彼女は、今では私の身長を越えている。
走り始めたら、それぞれのペースで行くことを約束して、最終地点だけ確認しておく。
川辺に出て、ヘッドフォンをして、駆け出す長女。
私はその後からゆっくりゆっくりジョギングする。
彼女の背はあっという間に20メートル、100メートルと小さく遠くになっていった。
最後の方は見えなくなったが、そのこと自体にも、子供の成長に心が熱くなった。
長く走れなくて、
「あのパラッツォ(建物)のところまでがんばろう!」
と長女を励ましながら、ついて走った昔が嘘のようだった。
たらたら走りの私だったが、昔走ったなんちゃってジョギングコースは完走できたので、
運動不足の身としては上出来だった。
そして先に行った長女は、橋のたもとで満足そうに私を待っていた。
そこから、ウォーキングに切り替え、再びマスクを着けたのだが、
これが結構苦しかった。
しばらくはマスクを顎にずらした状態で歩き、ちょっと落ち着いた頃にもとに戻す。
そして長女は帰路へ、私はメルカート(市場)へと途中で分かれた。
爽快感でいっぱいの中、早朝のメルカートでは長く並ぶこともなく、サクサクと買い物ができた。
運動と早起きで、三文以上の徳をした気分だった。
家に帰ると
「明日も走る?」
と尋ねてきた長女。
思春期の娘との嬉しい習慣が始まりそうだ。
今日も最後まで読んで下さり、ありがとうございました。



