先日、特別支援学校のPTAが主催する施設見学に行ってきました。見学させていただいたのは、就労継続支援B型に生活介護が併設されている、この辺りではかなり大規模な施設。いわゆる、多機能型事業所です。


今回の施設は校区内とはいえかなり遠いので、残念ながら家から通うなら選択肢としては外れてしまいます。でも、一度は就労B型や生活介護の現場をこの目で見ておきたかったので見学を申し込みました。


ちなみに、ここの生活介護事業所は3年前にエクステリア職人の旦那が施工した現場でもあります。利用者さんの飛び出し防止のためにアコーディオン門扉を作りました。ちょうどこんな暑い時期だったな。


↓その時の記事はこちらです



ちなみに、見学に来ていたのはほとんどが中学部の親御さん。小学部の親は私含め3人しかいませんでしたし、低学年の親で来ていたのは私だけ。
とある保護者さんには、
「まだ10年以上先なのに、こうして見学に来られるなんてすごいですね!意識高いですね」
と感心されました。

高等部になると授業で実習に行くようになります。そこで小耳に挟んだのですが、その実習先の事業所を探したり、連絡を取るのは親の役割らしい……!もしかして地域によるのかもしれませんが、未知すぎて何もかも分かりません。
たしかにうちの学区は3市にまたがっている上に田舎なのでとても広く、事業所もそれなりに多い。その中から、その子に合っていて通える事業所かどうか、親と本人が相談して選ぶのが確かなのでしょう。本人の意思が確認できない場合は、親がすべて決めるわけで……就学の時といい、終の住処(入所施設など)を探す時といい、最重度の子の親ってその子の人生をほぼ決めないといけないと言っても過言ではないなぁと改めて感じました。
ともかく、事業所はたくさん見ておくに越したことはありません。

知り合いはほぼいなくて基本はポツンとしていたけれど、他の親同士の会話を盗み聞くだけでもすごい情報の宝庫だな、と感じました。

職員さんが丁寧に説明をしながら、見学は進んでいきました。就労A型とB型、生活介護の違いも詳しく教えていただきました。


ちなみに、各事業所の違いはこんな感じ。


●就労継続支援(A型・B型)…就労の場の提供や就職支援などを行なう。


・A型…雇用契約を結ぶ。最低賃金以上の給与が保障される。


・B型…雇用契約は結ばない。作業に応じて工賃が支払われる。


●生活介護事業所…日中の介護や活動(レクリエーション、作業、リハビリなど)を提供する。作業に応じて工賃が支払われることもあるが、就労継続支援に比べるとその額に規定はなく、少なめ。


建物が5棟あり、それぞれの部門に分かれています。3棟は就労B型、2棟は生活介護です。すべての建物を見せていただきました。


就労B型でもいろいろなタイプがありました。


まず、洗濯部門。洗濯と乾燥は機械がやってくれます。洗濯物のポケットが空っぽかどうかのチェック、洗い上がった洗濯物のサイズの仕分け、畳む仕事がありました。仕事の受託先は病院や介護施設、役所や警察などからです。

次は製菓部門。支援学校の実習先としては一番人気らしいです。みなさん、真剣な表情で製菓の材料を計ったりこねたりしていました。できあがったお菓子はとても評判がよいそうで、市内のお店に置いたり、喫茶店に卸したり、ふるさと納税の返礼品に使われているそうです。

その次は調理補助部門と洗い場。配達するお弁当を作っていました。調理をするのは調理師さんで、利用者さんはその補助です。器を出したり、タッパーを片付けたり、忙しそうでした。弁当は昼までに配達しないといけないので、時間に追われとてもバタバタしています。その流れに付いていくにはかなり大変そう。

洗い場は夏は暑くて冬は寒く、その中でどんどん来る洗い物をさばかないといけないので、ここで一日頑張れる子はどこに行っても通用すると言われる、いわゆる花形の部門だそうです。


以上の部門は、月に3〜6万円ほど工賃がもらえるそうです。皆勤手当もあるとのこと。


別棟の就労B型に移ります。

ちょうど休憩時間で、アンパンマンのキャラ図鑑を眺めている利用者さんがいました。

木工班では、糸鋸盤を使って木工細工を作っています。見事な作品がたくさん置いてありました。これらはすべて利用者さんが作ったもので、職員さんの手直しなどは全くしていないそうです。職人と言っていいレベルでした。

他のいくつかの班は、部品や食品の袋詰め、梱包用のロープの裁断など、内職のような作業をしているそうです。また、駅や公園に出かけて清掃をしている班もあるとか。


上記の部門は仕事内容により月に1〜6万円ほどの工賃だそうです。皆勤手当もあり。


就労B型で働くために必要なことはなんですか?と質問された方がいましたが、職員さんの回答は、

①集団生活ができて、集団の和を乱さないこと

②衛生観念がきちんとしていること(特に食品を扱うところ)

③基本立ちっぱなしの仕事が多いので、体力があること。普段からよく食べ、よく眠れること

……というものでした。


「たくさん稼ぎたいから、B型からA型や一般就労に移りたいと頑張る方もいますよ。親御さんが定年になったり、歳を取ってきたりすると、自立しなきゃと実感するパターンが多いように感じます。グループホームからこちらに働きに来る方もいますよ」

そんな説明を聞きながら、長男は就労B型もけっこう難しいだろうなと感じました。


見ていて思ったけど、まず大前提として排泄が完全自立してないといけないだろうし、ある程度の口頭指示も理解しないといけない(必ずしも文字は読めなくてもいいとは言ってましたが、やはり言語理解は大前提)。機械や道具なども適切に扱わないといけないので、危険が分かる必要がある。脱走や飛び出しなんてもってのほか。


これから成長するだろうけど、長男の場合6歳の時点で発達年齢1歳だから、あまり期待しないほうがいいというのが現実的かな……就労B型でお見かけした利用者のみなさんのレベルまで伸びるとは思えない。


そんな思いを抱えたまま、生活介護の棟に移動しました。


最初に入った建物は、長テーブルと椅子が置いてあり、なんとなくデイサービスのような雰囲気でした。利用者さんは高齢の方がほとんどで、みなさんくつろいだ雰囲気でした。車椅子の方もいたかな。作業(袋詰めなど)の時間やレクリエーションの時間など、予定がホワイトボードに書かれていました。これからカラオケが始まる、と言ってました。


その次の建物は、入り口に旦那が取り付けたアコーディオン門扉がありました。鍵を開けて中に入ります。よほど飛び出しや脱走はないとのことでしたが、前の道は車通りも多く、万が一のことがあるといけないので取り付けたとのことでした。

若い利用者さんがほとんどで、職員さんの数もここの棟だけ圧倒的に多かったです。

ちょうど作業の時間でした。フリーペーパーに広告を挟む仕事と、新聞紙を丸める仕事の二種類がありました。新聞紙は陶磁器の梱包材として使われるそうです。


門扉のところにはゴム手袋をお手玉のように投げている子がいたり、ドアの辺りでエコラリアを唱えている子もいましたが、その子らは作業はしていませんでした。

「作業は必ずしもしなくても大丈夫です。工賃が付かないだけなので。作業をすると一日100円が工賃として付きます。皆勤手当もあるので、毎日頑張ると月3000円ほどの手当になりますね」

やはり、就労B型と比較すると金額はかなり低めです。一日中作業をしているわけではなく、レクリエーションや機能訓練などもやっているとのことだったので、そんなものだろうな。作業するにしても職員さんの手助けがいる利用者さんばかりだし。


一番最後に見学した生活介護の建物が、一番支援度の高い部門だそうです。長男の将来を考えた時に一番しっくり来た場所でした。こういったところに行けたらいいな、と心から思いました。というか、おそらく長男の選択肢はそれほど多くないとも感じました。


どこかで読んだのだけど、小学1年生の時点で支援学校に入る子(いわゆる最重度や重度知的の子や、自閉症の特性が強い子)のほとんどは、進路が生活介護事業所になるらしい。実際に見に行って、納得しました。


もちろん将来はどうなるかなんて分からないけど、でも何となく分かる。矛盾しているようだけど、これは実際に見れば分かると思う。

授業参観でも実感したけど、長男は支援学校の中でも特別手のかかる方です。生活介護に通えるようになるなら御の字、強度行動障害でも出てしまったらそれすら叶わないかもしれない。就労B型なんて夢のまた夢、行けるくるい伸びたら幸運、くらいに思わないとね。


でも、施設を見たからこそ将来に向けてのビジョンが何となくだけど定まった気がします。

まずは情緒の安定。生活リズムを整える。集団生活に慣れる。生活動作の獲得。

基本だけど、大事なこと。

頑張ろう。きっと、先のようですぐだろうから。