クリスマスの想い出・・・。「聖母の御子」 | fadoおじさんのblog~明日の君に~

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 昨日、12月24日、とてもチャーミングな女子高生blueさん(私が良く訪問させていただくアメーバーブログのお友達・・・笑い)から私のブログに「メリークリスマス」という素敵なメッセージをいただきました。その時、「おお~。今日はクリスマスイブか」と思ったわけです。人間、歳をとるとクリスマスなど忘れてしまうものなのですね。

 そんなこんなで、今日は「外し技」・・・「クリスマスの想い出」を書かせていただきます。

 

 私の亡き母は、三十代の前半に脳梗塞を患い、入退院を繰り返していました。それで私は、小学校の1,2年ぐらいまで、ほとんど母親と過ごした記憶がありません。特徴的なのは小学校に入る前、父に連れられて母の入院している病院に行ったときのことでした。ベッドにいた女性が「母親である」という事を認識するまで時間がかかったそうです。(母からよく聞かされました)

 

聖母の御子(El Noi de la Mare

 

 灰色の煤煙(ばいえん:石炭ストーブの煙突から出る煙の粒子)に染まった雪の上に積もった真っ白なわた雪。粗末な造りの田舎の住宅街を通って市街地まで続く雪道を、兄と二人、わくわくしながら歩いていました。兄の手には、十円玉が6枚しっかりと握られていました。

 市街地に一軒しかないケーキ屋さんを目指して、「キュッ・キュッ」と長靴を軋ませながら二人で歩いていました。数日前に入院していた母が何度目かの退院をしてきました。

 12月24日のクリスマスイブの日、母が兄に60円を渡し、ケーキ(初めてのこと)を買ってくるように言いました。

 ケーキ屋さんのおばさんがガラスのケースからバターケーキを4つ箱に入れて、兄に手渡してくれました。新聞紙の壁紙を張った質素な6畳の部屋、粗末な木製の折りたたみテーブル、4枚の皿にのったケーキ、湯気が立ち昇る真っ白いカップに入ったココア、母の優しい笑顔と共に今でも忘れることは出来ません。

 

  -「聖母の御子」(El Noi de la Mare)訳詞 濱田慈郎(スペイン音楽研究家)-

 

  かあさまの坊やに何をあげよう

  何をあげよう、おいしいものを?

  干しぶどうにイチジク、クルミにオリーブ

  干しぶどうにイチジク、蜜に牛乳どうふ

 

  空の天使たちの腕にあやされて

  この世じゃ聞かない、誉の歌を

  楽しい歌を聞かされながら

  連れて来られたこの坊や

 

 You Tubeに松田先生の演奏がありませんので、松田先生の先生、世界最大最高の巨匠、アンドレス・セゴビア(Andres Segovia)の演奏を紹介いたします。(画像はかなり古いです)

 You Tube https://www.youtube.com/watch?v=ZHwL6wzMskA&list=PL9C96CCDC48401B88

 

 昨日の夜は、近くのケーキ屋さんでケーキを3つ買って帰りました。食後、紅茶とケーキをいただきながら、尊敬する松田先生のCDを取り出し、そっとCDプレーヤーの中に挿入しました。そして、3曲目に入っているスペインのガリシア地方の民謡ともカタルーニア地方のクリスマスキャロルともいわれている「聖母の御子(El Noi de la Mare)」を聴いたのです。松田先生の演奏する美しいこの曲。突然、小学校4年生のときのクリスマスの出来事が蘇ってきました。母の背中で聞く子守唄のように、あたたかく、ひたすら優しく、気が遠くなるように美しい松田先生のギターの音色が部屋の空間を満たし、次々と亡き母との思い出が頭に浮かびました。松田先生の奏でる美しい音楽は、私の心に母のような、あたたかさ、安らぎ、ぬくもりをしっかりと与えてくれました。

 

 昨日は、「聖母の御子」の美しい音、甘くほろ苦いココアの味とバターケーキのとろけるような甘さ、そして、母のやさしい笑顔が頭にうかび、寝付かれませんでした。でも、寝付かれないことが幸せと感じることもあるのですね。夜中、濱田先生の訳詞があることに気づきそっと起きだして紙にメモし、今回のブログに記しました。そして、この曲を亡き母に聴かせたいと心から思いました。

 

※松田晃演(まつだあきのぶ)

 日本のギタリスト。Ben Cisco’s World of Music(アメリカ人)のarticleにクラシックは勿論のこと、ロック・ジャズを含めたすべてのギタリストの中で最高のギタリストとして紹介されている。

 

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