「へ? 森野……紘夜(コウヤ)……様って……もしかして……あんたのこと~~!?」
「指をさすなっ!」
私が指した手をコウモリ男子の森野紘夜に思い切り、バシッと弾かれた。
「いったいな~~! 何よ~! コウモリの群れを回収出来なかったくせに!」
「うるせえなー! 黙れっ! ちり取り女!」
ついつい、お互いむきになっちゃって言い合いになりそうになり……
「はいはい、まあまあ、落ち着いてふたりとも場所を移そうか」
そう言って、メガネの先生の後をついていくと、
「あ、え、相談室!?」
私はそれで瞬時に気づく。
「カウンセラーの先生なんですか~」と私。
すると、メガネの先生はニッコリ笑む。
「んあ~? カウンセラーだあ~~? お前がかよ」
森野紘夜はあきれながら言った。
「学校にいる時は甲本先生でお願いしますよ、紘夜様」
メガネの先生は甲本だと名乗ると、メガネの真ん中を押さえた。
「はあ~~!? 先生だとお~~!」
何でこういちいち高圧的なんだろう? こいつ。
「えーと、どういう関係なんですか?」
私は甲本先生に尋ねた。
甲本先生は、
「一応、紘夜様の元教師みたいなものですよ、そして今はお目付け役ですかねー」
「へ?」
ますます判らん! 判らな過ぎる……
「お目付け役はいらねーて言ったじゃんよ!」
いちいち怒る紘夜。
「そうは言われましても魔力もままならない内に、人間界にひとりで乗り込むとは無謀にも程があります」
魔力……ままならないって。
「あ~あんた! やっぱりポンコツだったんだあ~! ワハハハハッ!」
私は爆笑していた。
「うるせえな! オレはポンコツじゃねーよ!」
「だってね、こいつ、私を呪うって言って呪えないんだから! それどころか電柱倒したりしてんの!」
私は思い切りバカにすると、
「えーと、あなたは失礼ですがお名前は?」
「あ、すみません、私は駒田陽果です」
「陽果様ですね」
キャー! 陽果様って初めて呼ばれたし!
私が浮かれていると、
「どういういきさつでふたりはお知り合いに? あ、ビジョンを見ればてっとり早いですね」
甲本先生はイスに座ると、突然目の前に小さなプロジェクションマッピングを出すと、私と紘夜の様子が映像に出ていて……
それを巻き戻したり一時停止したり再生したりしていた。
おお、未来のビデオデッキみたい!
そして、
「あーこれは紘夜様、呪いは効くわけがありませんね」
甲本先生の結論だった。
「ええっ⁉️」
思わず私と紘夜ははもる。
「陽果様は、紘夜様を助けたんですよ? 傷つけたわけでも殺しかけたわけでもありません。
むしろ命の恩人には紘夜様だとしても呪うことは叶いません。
逆に紘夜様は、陽果様の心から願うことを見つけ出して、それを叶えなければなりませんね~、だって命の恩人ですから」
甲本先生は冷静に言いのけた。
それを聞いて、
「え、そ、そんな~マジか~~!!」
かなりショックを受けてしまう、森野紘夜がそこにいた。
続き
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