こいつとの最初の出会いは……こんな感じだった。
私は自分の部屋のカーテンすみにハンガー掛けをかけてある。
そこへは服やらバスタオルやら自分のものを掛けて……
夜の間掛けたものは、翌朝晴れたら学校へ行く前に外干しすることにしていた私。
その朝もいつものようにハンガーを外すと、ハンガーを持った右手に何か乗っかった感触を得て……!
え!? 何か一瞬黒いものが落ちた気がして……
まさかネズミ!? とか思って恐る恐る見てみると。
うっ! こ、これは……
ネズミじゃない!
コ、コウモリだあ~~!!
壁際でそいつはひっくり返ってあまり動かない。
し、死んでる?
いや……生きてる!?
え、え、え、え……何で~~!?
ど、ど、どこから入った!
いつ入った!
何で私の部屋なわけ!?
いろんなことが頭の中を巡った。
今、家には私だけ!
お父さん会社。
お母さんパート。
弟は小学校……
誰にも助けてもらえない!
私が何とかしないと!
えーと、えーと、とりあえず画像撮っておこう。
スマホで撮影。
怖くてあまり近くで撮れないけれど……
それでも、やはりコウモリはあまり動かない。
昼間なせい?
素手では止めた方がいいよね?
私は考える。
あ、部屋のすみにあったちり取りを偶然目に入った私は、これだー! となりちり取りでそのコウモリをキャッチした!
我ながらいい考え!
そしてそのまま、運動会のスプーンレースみたいに玄関を開けて、庭先の植え込みにそのコウモリを投げ捨てた。
やはり微かに動いて……
そのまま、勢いよく私は家の中に入る。
そして改めて、学校へ行こうと玄関を開けて外へ出ようとした時だった!
「うわっ!!」
私は驚いた拍子にしりもちをついた。
だって……だって……だって!
うちのその玄関から、なんと人が……
逆さにぶら下がっていたから……!
しかも男!
「な、な、な、何やってんですか~!? 人の玄関先で~!
こんなことするのは、リュック・ベッソンのレオンか、妖怪人間ベム(!?)かそれからコウモリぐらいですよ!」
私は座り込んだまま見上げて言っていた。
「オレはレオンじゃねー! お前にさっきそこの植え込みに投げ捨てられたコウモリだあ! コノヤロウ!」
うわ~! メッチャブラック! しかも、その男は黒髪で服も黒くて……
とにかく私に向かって怒鳴りつける。
次にそいつは逆さになっているのを止めて、スタッと着地。
「お前、オレをゴミみてぇに捨てやがって! お前をぜってぇ、呪ってやるからな~!」
そう言ってそいつは指をひと振りしてきて、うっ! とすくむ私。
でも、いつまでも何も起きない。
恐る恐る見ると、
「あれ? おかしいな? 外した……」
自称コウモリのブラックさんは怪訝な様子になり、
「くそ、今度こそ!」
何も起きない。
「くっ、もう1度」
やはり何も起きず……
まだ繰り返して……
終いにはぜえぜえ息切れ気味に。
「何で呪えないんだ!」
勝手に叫んでいた。
私はポカーン。
もしかして、こいつ、ポンコツ?
その答えが頭の中に浮かんだ途端、とうとう失笑してしまった私。
「お前っ! 何がおかしいんだよ~!」
ムキになってて、面白~い!
しかも容姿は文句無くカッコいいのに、中身ポンコツって!
ギャップ激しすぎて笑わずにいられっかっての!
とにかく私は腹を抱えて足をバタバタさせて、笑い過ぎてヒーヒー! になる。
「クソッ、笑ってんじゃねー! ぜってえ、お前を呪ってやる!」
指をさされて宣戦布告? をされてしまい……
私の日常はどうなる!?
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