触れたビアトリクス・ポターの住んでいた村はぜひとも
訪れたかった。その他にもマストとして候補に挙げていた場所が
詩人ワーズワース関連の村々。
ワーズワースが通ったグラマー・スクールには、彼の落書きも
机にそのまま残っていた。当時から鬱鬱としていた他の子供と
違う青年だったらしい。

グラスミア湖のそばにあるダブ・コテッジ。春には水仙が
咲き乱れる場所なので、次回はぜひとも春に訪れたいと
思ったが、夏の終わりでも十分に私を満足させてくれる
グラスミアの村だった。今回訪れた湖水地方の中では1番
気に入った場所だったかもしれない。

このグラスミアから2時間半ほどかけてハイキングもした。
あいにくの雨の中、ハイカーとすれ違うこともほとんどない
静寂に包まれた地域だった。

写真撮影のため、足を止めたくなる景色ばかり。
時には急な斜面に「下りる時に怖そう」と思い・・・。
(山のような斜面では高所恐怖症になる私である。下の写真を
撮る間もクラクラしそうな気がした。)

汗と雨でびしょ濡れになりながら到着した山頂には、表現の
できないような美しいタルン(=盆状の湖)が私たちを
待ち受けてくれていた。

そして、グラスミアへと夕暮れの中、山を下りてくると
お腹をすかせた私たちの前に、ベジタリアン・レストランの
サインが突然現れたため、宿で自炊をするはずだったところを
豪華な夕食へと予定変更。

イギリスの料理はマズイ、というのは完全に嘘である。
このベジタリアン・シェパーズ・パイは芸術的一皿であった。
他でもあちこちで美味しい食事やスイーツに舌鼓を打ちながら、
ローマ人の残した城跡も見学に行った。本当はハドリアン・
ウォールを見に行きたかったのだが、スケジュール上無理が
あったため、近場で、ということで妥協案を出したのだが、
遺跡も荘厳だったが、そこに到着するまでの数時間のドライブ中の
景色が名状しがたいものであった。


羊の領域に人間の私たちが押し入ってしまったよう。

左上に写っているのが私だが、何とも小さい存在!
ローマ人たちは、誰も襲ってこないようなこんな場所に、苦労を
重ねて城壁を築く必要があったのだろうか、などと野暮な疑問を
抱きながら、「兵どもが夢の跡」という一節もふと心に思い浮かべ、
10度を下回る寒さの中、ローマ人の足跡の一部に触れたのであった。

そして、もちろん湖も。

ラスキンの邸宅が対岸に見えるコニストン。
雨の降っている時間のほうが多い湖水地方での滞在となったが、
その止み間には、光が踊り輝く本当に美しい場所だった。

まだアジサイも咲いていた。