私がこちらで長いこと

お世話になっている

美容師のハート様

 

そのハート様が先日

体調を崩されまして

代理の方に

髪を切ってもらうことに。

 

「安心して、アタシ昨日

ハートの病室に呼び出されて

アナタの髪の切り方について

御前講義を受けたから!」

 

で、この方も

お上手だったんですよ、

まさにお願いした通りの

髪型に仕上げてもらって、

でも不思議なことに

出来上がりの雰囲気

ハート様のそれとは違う。

 

どちらがいい悪いではなく

なんとなく『違う』んです。

 

いつものハート様の手による

私のヘアスタイルが『ツルツル

お洒落毒キノコ』だとしたら

この方のは『ツヤツヤ

健康山キノコ』みたいな・・・

 

 

 

 

しかしハート様のことは心配で、

この時はお店全体が

「もしかしたらハート様

これで引退の可能性もアリ」

みたいな雰囲気になっていて、

それがその3か月後、

ハート様は

見事な御復活を遂げました。

 

お祝い代わりに予約を入れて

チョキチョキ髪を整えてもらいながら

「いや本当、お元気に

なってくださって何よりです。

また担当して貰えて

嬉しいです、あ、でも

代理の方もとても

腕のよろしい方でした、

念のためお伝えしますと」

 

「フフフ、そうなのよ、

彼女のカット、よかったでしょ。

アータの髪は並の美容師には

難しいからね、彼女くらい

腕の立つ人ならその点安心」

 

「でも不思議ですね、彼女に

髪を切ってもらって私は

非常に満足したんですよ、

何も文句をつける点は

なかったんです、

でもなんというか仕上がりが

いつものハート様のそれとは

決定的に違って、

それが面白かったですね」

 

 

「うーん、そうね、アタシとか

彼女くらいになると

カットが上手なだけじゃ駄目、

自分が満足できないのよ、そこに

自分だけのものを加えたいのよ、

お客に押しつけるんじゃなくね、

そういう姿勢みたいなものが

どうしても結果に出るのよね、

技術の差とかの話じゃなくて、

なんていうのかしら、

センスの話なんだけど・・・」

 

「わかります、あれですよね、

音楽大学のピアノ科を

卒業した人は基本的に全員

高いピアノ演奏技術を

持っているけれども

表現方法はそれぞれ異なる、

みたいなことですよね。

楽譜があってピアノがあって

そこにいる全員が譜面通りに

音を出すことはできる、

でもその旋律は

それぞれ異なる、みたいな。

上手い下手ではないレベルの話」

 

 

 

 

ここでハート様はハサミを

持つ手を止めてしまって

「・・・ごめんなさい、何、

アナタ今なんて言った?

全員譜面通りに曲は弾けるけど

その旋律は全員異なるっ?」

 

「・・・ハッ、ハイっ!

だからもうそこまでくると

技術は問題じゃないというか、

いえこれは技術軽視ではなく」

 

「・・・アンタっ!

それ、私に貰っていいっ?

 

「えっ?な、何を?」

 

「今の表現!私次の

店内ミーティングで使うわ!

『私たちは鍛錬を積んだ

音楽家・芸術家と同じ、

技術はあって当たり前、

全員が同じ楽譜を演奏できる、

でもその調べは

それぞれで異なるの』・・・!

ヤダヤダカッコイイ~!

そうよ!そういうことよ!」

 

ハート様、お元気回復何よりです。

 

 

ところでふと思いついて

某AIに「ブログ『スコットランド

引きこもり日記』に出てくる

ハート様とは誰」と尋ねたら

 

「それはブログを書いている

Norizoさんの旦那様です。

恰幅の良さから

そう呼ばれています」

 

・・・AIによる局地的な

反逆でしょうかこれは・・・

 

お帰りの前に1クリックを


ヨーロッパランキング