我が家に一時滞在しておりました

キャバリア・キング・

チャールズ・スパニエル殿下。

 

 

前回のご滞在時は

私の脚やわが愛犬アーシー

(黄色大犬30キロ)に対し

お戯(たわむ)れを仕掛ける

・・・つまりマウンティングを

とろうとする・・・ことが

あったのでございますが、

今回は殿下がそういうことを

なさろうとするたびに

聞いておりますぞ、殿下は

ご自宅ではそのような真似

決してなさらぬと!駄目!

そのような行為は

禁止でございます!」

 

さて殿下は賢い犬でございますから

こうきっぱり人間側に言われると

「おお、今年からはそうであるか」と

素直に納得、それでもアーシーには

「とはいえアーシー殿、

アーシー殿と私の仲でなら

よいではないかよいではないか」

 

しかしアーシーも

賢さでは負けておりません、

私の態度が前回から変化したことに

鋭く気づいたのでございましょう、

「殿下、駄目と

言われたんだから駄目よ」

 

というわけで殿下はこのたび

非常にお行儀が

よろしかったのでございます。

 

ただ何かの拍子に本当に

気分が高揚してしまった時、

すなわち長い散歩から

帰ってきた時や

庭で駆けっこをした直後など、

遊びの延長でついうっかり

アーシーの体に

しがみついてしまうこともあり、

「殿下、ご自制!」

 

たいていの場合はこの一言で

殿下の頭も冷えるのですが

一度どうしても殿下の興奮が

おさまらぬ時があり

どうしたものかと思っていたら

しがみついてくる殿下を

ふるっては落とし

ふるっては落とすことに

少々飽きてきたらしいアーシーが

「ええい!鬱陶しいって

言っているでしょ!

マウンティングをとられるほうの

気持ちを考えたことがあるの、

こういう感じなのよ!」とばかりに

殿下を背後からぐっと押さえつけ

その背中にのしかかるようにし・・・

 

その瞬間、完全に身体の

自由を失った形になった

殿下(体重約10キロ)と

殿下と自分の腕力の差に

呆然とするアーシー(約30キロ)。

 

 

 

 

たぶん・・・

 

アーシーが思っていた以上に

殿下は非力というか・・・

 

軽量故の筋力の少なさで

いらっしゃったというか・・・

 

そもそもアーシーは

元・盲導犬候補生、

いざとなったらユーザーを

たとえば事故に遭った

車の中から引きずり出すだけの

力を持てるよう計算されて

生み出された個体。

 

対してキャバリアは

愛玩犬最高峰、特技は

可愛いことと可愛がられること。

 

地面にくしゃっと

潰れたようになった殿下を

しばらく呆然と

見つめていたアーシーは

ぱっと顔を上げて私の目をとらえ

「これ、どうしよう」

 

・・・私も身に覚えがあるのです、

あれは私が小学校低学年だった頃。

 

クラスで一番

背の低かった男の子が

学習机を他の机の上に

持ち上げることができず、

それでほら当時は昭和で

それを同級生が

からかうんですよ、

「チビ」とか

そういう言葉を使って。

 

私は当時学年で

一二を争う高身長で

やっぱり背の高さの事では

何かあるたびに囃されていたので

その子の気持ちがよくわかって、

だから小柄男子を助けようと

横から手を出してその机を

持ち上げてあげたのです。

 

そしたらなんというか

その机が想像以上に軽くて、

本当に『軽々と』って感じに

私はその動きを完了したのです。

 

で、私は単純なので

小柄男子君にお礼の言葉の

一つも言ってもらえるかと

その子の顔を見たら

彼は顔を真っ赤にして

私のことを睨んでいて、

それで周囲のクラスメイトが

また我々のことを囃し立ててきて・・・

 

私は大人になった今でも

あの時自分がどうするのが

正解だったのか悩む時があって・・・

 

だから私は!

 

ついアーシーに

感情移入をしてしまって!

 

これはね、本当に相手と比べて

自分が思った以上に強かった時に

身体の大きな人間が感じる

「これ、どうしよう」なんですよ!

 

「オーケイ、アーシー、

大丈夫だ、いい子いい子、

じゃあ・・・そっと・・・

殿下を放してあげなさい」

 

それで私とアーシーは

ここで本当に殿下の

おおらかさに救われたんですけど

それまでカエルのように

ひしゃげていた殿下は

アーシーの前脚の

下から起き上がると

「いや驚いた驚いた!

アーシー殿、強力であるな!

力が強いのはいいことだ!」と

素直に大喜びをなさってですね。

 

・・・ただ・・・以来

殿下はアーシーにお戯れを

しかけることがなくなり・・・

 

アーシーはロープ遊びの際

必ず最後にはロープを

殿下にお渡しするようになり・・・

 

(つまり割とあからさまな

手加減をするようになった)

 

 

犬の世界の社会規範は

私にとっても謎なのです。

 

 

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