今をさかのぼること数年前、

我々が『家探し』に狂奔していた頃

内覧をさせてもらった某豪邸

元高齢者向けケアホーム施設。

 

パンフレットに並んでいたのは

いかにも清潔で暮らしやすそうな

室内風景の数々と

堅牢なジョージアン様式の外観。

 

外観はまさに写真の通り、

しかし中に入ってみると

・・・不動産屋さん、アンタあの写真、

すごく前に撮影したものでしょう・・・!

 

パンフレットで見た『談話室』は

ペンキ塗りたて

床にはお掃除かけたて

そこに窓から陽光が差し込んで!

みたいな素敵な佇まいだったのが

まず第一に窓が板張りされているから

お日様は入ってこない、故に薄暗い、

薄暗い中で見ても明らかに

埃とカビに浸食されている壁と床、

まあいい仕方ない、不動産屋さん

とりあえずこの『談話室』と

『対になっている』という

『事務室』を見せてくださいな!

 

その事務室がですね・・・

 

ドアを開けるでしょう?

 

窓は板張りされているから

薄暗いのは仕方ない、が、しかし、

薄暗さを通り越した

この漆黒の・・・これは・・・

 

 

懐中電灯の明かりをつけると

そこにあったのは・・・

 

いえ、広い部屋なんです、

小さな舞踏会くらい

開けるくらいの大きさで

天井も見事に高いんです、

その長さ・奥行き・高さのある

贅沢な空間をぎっしりと埋める

これは・・・ゴミ・・・?

 

ケアホームが終業した後

この家の元持ち主は

目につく備品をすべてこの部屋に

押し込んだらしくて

もうテーブルから椅子から

そういう家具・生活用品が

立体パズルのように

室内に隙間なく

押し込められておりまして。

 

下手に椅子を一つ引き抜いたら

上から机と書類棚と花瓶と諸々が

一気に落ちてきますよ、みたいな。

 

「何事ですか、これは?」

 

「・・・ハハッ、お客様たちが

もしこの家をご購入になったら

生活備品はしばらく

お買い求めにならなくても

大丈夫でございますね!」

 

いやまあ私はそういう

苦し紛れの力技ジョーク

嫌いじゃありませんけどね。

 

しかしもうこれは明らかに

我々のような素人に

どうこうできる物件じゃないな、

ケアホーム運営者とか

ホテル経営者とか

大きな資本を持った組織が

問題を承知でガッと購入して

その資金力に物を言わせて

専門の人に掃除とか改装を

お願いしないことには

何をどうしようもないな、と

少なくとも私はこの時点で

「この家は買わない」方向に

腹を決めていたのでございますが

まあ一応家の他の場所も

後学のため

見せていただくことにしまして。

 

というわけで事務室から出て

例の豪華な吹き抜けロビーにある

大階段を上がって2階に。

 

この大階段とロビーは

上部のはめ殺しの窓から

自然光が入っていたせいもあり

その魅力をまだ保っていてですね、

いや本当にあの家は

元々かなり素晴らしい

お屋敷だったのだと思います。

 

それ故に後日加えられた

安っぽい改装が

もったいなくて仕方ない。

 

2階にはケアホーム時代に

『個室』として使われていた部屋が

ずらりと並んでいたんですが

これが・・・勿体ないっていうか

ちょっと怖いっていうか・・・

 

その怖さ、明日に続く。

 

 

文中の写真は羊でございます

 

本日は『怖さ』は薄目で

あったかと思うんですが

『事務室』にあれ、絶対に

元利用者の個人情報とか

そのまま残っていた気が

するんですよね・・・

 

物件の元所有者は

ケアホーム経営者としては

かなり怖い人間だな、という・・・

 

あと不動産屋さんもですね

本来なら内覧の前に

ああいうゴミは片付けて

おくべきだと思うんですよ

 

やっぱり怖いのは

お化けとか幽霊じゃなくて

人間ということなんですかね

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