パリの夜を照らす灯りほど
何もかも棄ててしまいたいほどの
悲しみを背負い
旅に出ることがあるとするならば
パリを目指すがいい
その旅路の果てがこの街ならば・・・
何人をも受け入れてきた
その美しさと
その優しさ故に
引き受けねばならぬ悲劇だったと
誰が認めることができるだろう
パリが泣いている
君が鳴らしたノートルダムの鐘が
悲しみに包まれた
パリの宵闇に響いている
鐘は弔いのレクイエムとなった
痛みを分かつ者は
心の底で結ばれている・・・
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2013年11月17日、パリのベルシー体育館でエリック・ボンパール杯のエキシビションが行われた。
そこで結弦くんが演じてくれたのは「ノートルダム・ド・パリ」。
濃紺とオレンジ色の照明は、宵闇に包まれたパリに映える美しい街の灯そのもので、深紅のグラデーションの衣装と彼のしなやかな動きを、一層際立たせていた。
結弦くんはツィッターもフェイス・ブックもブログもやっていない。彼にとってそれは良いことだと、私は今も思っている。
ただ、先日のボンパール杯中止の一報が配信され、多くのスケーターの方々がソーシアル・メディアを介し、それぞれのメッセージを世界に向けて発信している中、彼は人一倍歯がゆい思いをしていたのではなかっただろうか。
大自然が相手の災害は、それ自体を防ぐことはできない。しかし、憎悪の連鎖は人の力で防ぐことができる。
そのようなことで命を落とさねばならなかった人々がいたということは、やるせない気持ちにさせられる。
「僕自身が震災を経験し、同じように被災した人々をつぶさに見てきました。これは被災した全ての方々に捧げるものです。彼らが乗り越えてきたもの、全ての苦しみと悲しみ、そしてこの苦しみをどのように克服し、前に向かって行ったのか。この曲はエキシビションには少し深く、重いものかもしれませんが、僕たちは皆、同じような経験や感情を持っている。」
"We do have a common experience and emotion."(僕たちは皆、同じような経験や感情を持っている。)
スケート・カナダで、初めて「天と地のレクイエム」を世界に届けた結弦くんのメッセージである。
この次にレクイエムを演じる時、彼はどんな思いを込めて滑ってくれるのだろうか・・・。
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http://hama-sush-jp.pro/tomiiyoshio/entry-12022458743.html
ノートルダム大聖堂の画像は世界遺産写真家富井義夫さんのブログ「フロム」よりお借りしております。素敵なお写真と文章が満載です。世界旅行に行った気分になれるブログです。富井さん、いつもありがとうございます!
photo : http://www.nikkansports.com/sports/figure/hanyu/photo/article/


