バラード第1番 一を聞いて百を知る 芸術家としての結弦くん | ショピンの魚に恋して ☆羽生結弦選手に感謝を込めて☆

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清冽な雪解けの水のようにほとばしる命の煌めき・・・
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昨シーズン、冒頭の4回転トウループの後、チェンジフットシットスピンに入る前、ジャッジ席に氷のような視線を投げつけた直後に始まるパートの音の捉え方について、以前、楽譜を取り上げて考えたことがあった。

GPFSP 
 
「最初にいただいた時は、曲全体が単にきれいだなと思ったのですが、滑っていくにつれて3拍子がすごく難しかった・・・」という結弦くんのコメントがあった。

3拍子」という言葉に違和感を覚えたものの、プロの音楽家でなければ、実際3拍子と6拍子の違いを感じて演技に反映させるところまでは難しいだろうなあ、3拍子で捉えようとしているのはある意味、仕方がないことなのかなあと思っていた。

 

だから、昨シーズンのバラード第1番は、本来の4分の6拍子ではなくて、3拍子バージョン。

1,2,3(弱--弱)、1,2,3(弱--弱)・・・とリズムを刻みながら、チェンジフットシットスピンに入る前は、少し2拍めに強めのアクセントを置いて体を動かす。

それは1拍めにアクセントがあるワルツではなくて、ポーランドの民族音楽のマズルカにちょっと似ているなあと思ったりしていたのである。

この曲本来の6拍子の概念がわかり辛かったら、それはそれで面白い音の捉え方だなあと・・・。実際、美しかった。

ところが・・・

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オータム・クラシックの動画で久々に拝見したバラード第1番に変化が見られた。いったいどうしたのだろう。

何かきっかけがあってリズムの取り方を変えたのだろうか・・・。その疑問がピアニスト福間さんのコメントで解決した。

ピアニストの福間洸太朗さんのインスタグラムより

https://instagram.com/p/9ThN1yhXGv/

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実は、金沢でゆづ君とバラード第1番の話をしていて、「3拍子の音の取り方が難しいんです」と言われたので、

「実際には4分の6拍子(3拍子二回で一小節)だから、3拍子を一つに大きく2拍で感じると、感じ方が変わるかもよ。」

などと、今考えたら超偉そうなことを言ってしまったのですが、それが新しい感覚で滑る一助になっていれば、この上なく嬉しいです。

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該当箇所は


昨シーズン

1,2,3(弱--弱)=1小節に1拍(2拍め)
少し忙しいマズルカみたい。


今シーズン

1,2,3,4,5,6(---準強--弱)=1小節に2拍(1と3拍め)

4分の6拍子のちょっとしたまったり感が出ている!

シーズンのマズルカ的な少し忙しない音の捉え方から一転、今シーズンは少しまったりとしたようなエレガントな4分の6拍子の感じが既に体現されている!!

音符が6つ並んでいても、どこで拍子を取るかで楽曲の雰囲気は変わってしまう。

そして今週発売されたAERAに掲載されていた記事にも驚くべき事実が・・・

「シンプルなピアノの旋律に溶け込むような繊細な演技をしたい。」

「福間さんの指の使い方、身体の動かし方、間合いを見て、ショパンのイメージを作り出そうとしました。」

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金沢で福間さんは実際に、3拍子で感じるバラード第1番と4分の6拍子で感じるバラード第1番の違いを結弦くんに弾いて見せてくれたのかもしれない・・・。

そうでなくても先ほどのインスタグラムのお話だけでも十分結弦くんはインスパイアされたに違いない。

一を聞けば、百も千も知ってしまう結弦くんは、そこで何かをつかみ取ったのかもしれない。

そして福間さんのピアノを弾く指や身体の動かし方、間合いを自分の演技に取り入れるなんて・・・。

ピアノを弾かない結弦くんは、そんな風にピアノという楽器を、ショパンを理解し、氷の上で体現しようとしているのかと・・・鳥肌が立つ思いであった。

アイス・リンクという白い氷の舞台は、結弦くんしだいでコンサート・ホールにも能楽堂にも変わり得るのである。

もしも結弦くんがピアニストを目指したり、日本の伝統芸能を目指したりしていたら・・・想像しただけでため息が出てしまう。

彼の本質は芸術家だから、たまたま選んだ道がフィギュア・スケートだったのであって、どんな分野を選んだとしても相当な作品を作り出していたに違いない・・・。


※こちらに書かせていただいたものは、あくまで私個人の感想です。


photo: newscom様より