あの時の私へ。
初めて「過呼吸発作」が起きたのは
自宅に一人でいる時だったね。
茶の間にいる時、
突然 息が苦しくなったんだよね。
急に呼吸が苦しくなったから
凄く怖かったのを、
よく覚えているよ。
ひとりだったし、
凄く焦ったんだよね。
「息をしなきゃ!」って
頑張って呼吸をしようとすればする程、
更に息苦しくなって…。
ドクンドクンと 動悸が酷くて、
胸が苦しくて。
荒く早い呼吸で、息苦しくて。
頭はボーッとするし。
手足が痺れて、
すぐに力が入らなくなった。
「出掛けているお父さんに心配掛けちゃいけない!」という思いが
頭をよぎっていたね。
でも…。
呼吸はどんどん早くなるし、
息が吸えない恐怖と苦しさで、
「私は どうなっちゃうんだろう・・・」と
不安で堪らなかった。
それでもまだ、
「お父さんに心配かけない様に」って、
一人で何とかしようと頑張っていたんだよね。
そうしたら…。
力が入らなくなっていた手の指が こわばって
どんどん内側に入って来て。
自分で意図した訳じゃないのに
両手が「グー」になっちゃった時には、
「このまま死んじゃう」と、
凄く怖かった。
こうなって初めて
「お父さんに電話しよう」と思ったんだよね。
あの頃はまだ携帯電話なんて無くて。
自宅の黒電話の受話器を取ろうとしても、
「グー」になった手では 持てなくて…。
それでも必死に 受話器を外した。
ダイヤルを回そうとしても、
指が入らない。
一生懸命に
「グー」になった手の関節を使って、
ゆっくりゆっくり ダイヤルを回した。
お父さんが居る会館の人が出て。
「もしもし」と言おうとしたら、
ロレツが回らない…。
焦ったよね。
一生懸命、本当に一生懸命に、
ゆっくりと「○○を呼び出して下さい」
そう言おうとしても、
言葉にならなくて。
会館の人も 最初は戸惑っていたけど、
私の言葉を聞き取ろうとしてくれたね。
ありがたかったね。
ようやく、
お父さんが電話口に出てくれて。
ここまで
凄く長く感じたね。
あなたの話し方を聞いたお父さんは、
「すぐに救急車を呼びなさい」と言った。
あとで分かったことだけど、
「脳梗塞の発作を起こした」と
思ったらしい。
でも、
私は救急車を呼ぶ事が出来なかった。
救急車を呼んだら、
近所の人が驚いて出て来る。
こんな姿を見られたくない。
なによりも、
私の為に救急車を呼ぶのは申し訳ない。
もっと重症な人が 助からなくなる。
そんな事を思っていたんだよね。
結局タクシーで救急病院へ行った。
救急外来で点滴を受けている時
お父さんが駆けつけて来てくれて、
やっとホッとしたのを覚えている。
症状が治まったあとで
「過呼吸発作」だと教えて貰ったんだよね。
初めてのことだから、
びっくりしたよね。
怖かったよね。
このまま死ぬんじゃないかと思ったもんね。
一人で居る時に起こったから、
とても不安だったよね。
怖かったね。
そんな中、
必死にお父さんに電話して、
偉かったね。
頑張ったね。
あの時のことを振り返ってみるとね…。
2人暮らしにも ようやく慣れて来た頃で。
「お父さんが居なくなっちゃったら
どうしよう…」って、
とても大きな不安が
急に襲って来たんだよね。
その不安がどんどん膨らんで行った時に
急に息が出来なくなったんだ。
あなたが初めて過呼吸の発作を起こしたのは
「不安」が原因だったんだと思う。
更に、
「お父さんに心配かけちゃいけない」とか
「迷惑かけちゃいけない」とか
「私の為に救急車を呼んだら、もっと重症の人が助からなくなる」
そう考えて、
症状を酷くしちゃったんだと思う。
過呼吸になる人は、
真面目で頑張り屋さんが多いらしいよ。
あなたは
まさにそうだもんね。
沢山のガマンを溜め込んで来たところに
大きな不安を感じた事が、
過呼吸を起こすキッカケになったんだと
思うんだ。
あなたは、
もっと自分を大切にして良かったんだと思うよ。
お父さんに心配を掛けても良かった。
迷惑かけても良かった。
救急隊の人に助けて貰って良かった。
近所の人に迷惑かけても良かった。
今は、そう思うよ。
救急外来の問診のときに、
看護師さんが背中をさすりながら
「ゆっくりと 息を吐いて〜」って
声をかけてくれたね。
隣に居る人が、
そばにいる人が、
そうしてくれると安心するね、きっと。
過呼吸の発作が起こっても
ゆっくりと息を吐くことを意識していれば
元の状態に戻れるから、大丈夫✨
いつでもそこに太陽が居てくれるから💕
