その声に睦美、安堵したような顔で…。
車の中で睦美、ポツリと。
「耀司さん。」
その声に汐梨、
「うん…???」
睦美を見て、そして…、前を見て、
「うん。2億円の詐欺。まぁね~~~。」
そして、
「損失か~~。」
そこまで言って汐梨。
「でも…。」
睦美、その声に汐梨を見て、
「…でも…???」
「あん。」
汐梨。
「兄さんの気持ち、分かる。…って言うかぁ~~。…まっ。さすがは兄さん。何とか、ビシッとしてる。」
睦美、また汐梨を見て、
「え…???」
いきなり汐梨、
「かかかかか。はは。うんうんうん。…まっ。おっちょこょいで鈍感な兄さんだけど、しっかりと、やってる事はやってるし。将来は見据えてる。…まさか、芙美花のために5千万の蓄えって。」
睦美も、
「うんうんうん。私も聞いて驚きました。」
「まっ。確かに。2億の詐欺。落ち込むよ。…って言うか、ほら。」
睦美を見て、
「睦美さんの韓国のおとうさんの事。インサイダーの、何て言うか、濡れ衣…???…って、実際、幾らくらいだったの、インサイダーでの金額って。」
睦美、
「ん~~~。」
顔を傾げて、
「…確か。…2億…???」
「うそ。」
汐梨。
「兄さんのと同じじゃ。」
睦美、頷いて、
「えぇ。会社のビルの屋上から…。」
汐梨、頷きながら、
「うんうん。」
睦美、
「だから。今回の耀司さんの。」
「確かに。…でも、多分、兄さんは、大丈夫だよ。しっかりしてる。何てったって、IT、一企業の経営者だもん。株式会社ウェルストン。凄い業績よ~~。」
「そうなんですか…???…私、全然知らなくって。」
汐梨、そんな睦美に、
「ふふふ。機会があったら株式会社ウェルストン、調べてみてもいいかも。凄い素敵なホームページ。」
睦美、その声に、
「へぇ~~~。」
汐梨と睦美が帰った後で。
芙美花、
「鍋。残っちゃったね~~。」
耀司、
「ん~~~。明日の朝、温め直して。」
芙美花、そんな父に、
「おとうさん、今は、食べられ…。」
「まぁな。今後の事。」
「会社の…???」
「うん。」
そして耀司、芙美花に、
「おとうさん、先、風呂、入るわ。」
芙美花、
「あん。うん。」
風呂の中で耀司、お湯に浸かりながら目を閉じて…。
「うそっ!!!」
「えっ…???…マジで。」
「あら、ま~~~。」
晄史と誓、そして暁美。
「2、2億って…。」
晄史、ビックリ仰天の顔で。そして、すぐさまスマホで。
けれどもそんな晄史に睦美、
「あ、やめて。それは駄目。」
晄史、睦美に、
「へっ…???」
睦美、
「もしかして、耀司さんに。」
瞬間、晄史、誓、
「え…???」
暁美も、
「おや。」
すると睦美、3人を見て瞬きしながら、
「え…???」
晄史、にやけた顔をして、
「姉さん。」
誓はニコニコと、
「お義姉さん。」
睦美、瞬きをしながらも、
「え…???…何…???」
暁美は、
「かかかかかか。」
晄史、まだにやけた顔をして、
「姉さん、今、高井戸さんじゃなくって、耀司さんって。くくくくく。」
誓も、ニコニコしながら、
「ねぇ~~~。」
暁美は、
「ははははは。」
思わずブスリとした顔で睦美、
「あ、いや…。…って。なに。…いいじゃん。」
誓、ニコニコと、
「ふふふふふ。」
「…って言うか。」
睦美。
「電話はしないで。耀司さん、今、多分、悩んでる。そんなところに電話したら。ますます。」
誓、
「あ、うん。」
「帰りに汐梨さん。とにかく今は兄さん、見守ってって。とにかく、とんでもない金額だから。振込詐欺の何十万、何百万のお金じゃないから。」
誓、
「あ、うん。」
ソファで暁美、
「確かに。一企業だったら、その被害で倒産なんて、当たり前の金額だからねぇ~~。億の金。」
「最初はとにかく、ガックリと。…でも…。汐梨さんから言われて。…ん~~。でも、その後は。…ん~~。何て言うか、冷静に…。」
「まっ。…考えてみれば、高井戸さん、相当な人物なんじゃない…???…普通だったら、2億円、詐欺って。その場で倒れちまうよ。会社の資産だろ。並大抵じゃ~~。ずっしりと自分に責任。…それこそ、社員の事、考えれば…。何十人、何百人の社員の事。下手すりゃ夜逃げ。…或いは…。」
暁美、そこまで言って。そのまま。沈黙。
数秒。
睦美、
「私も…。韓国の。」
晄史、
「あぁ。うん。」
誓も、コクリと。
「うん。晄史から…。」
「そしたら、耀司さん。」
睦美、ポツリと。
晄史、
「へ…???」
思わず睦美を見て、
「韓国のおとうさんの事、高井戸さん、知ってるの…???」
その声に睦美、コクリと。
「あ、うん。…って言うか、そんな話の流れになって、いつだったか。」
数秒の沈黙。
睦美、
「…だって。耀司さん、汐梨さんの実家のご両親の事だって、私たち、何もかも、知ってるし。」
晄史、
「あ、あ~~~。確かに。…和歌山の…。」
「うん。…だから、私の過去の。」
暁美、
「まっ。確かにね~~。…一言。話せる。…って言う事は、ある意味、感性が豊でも、ある証拠だから。」
睦美、
「だから…。何でも話せる。そんな風になりたいって。」

ママでいい…。 vol,256. 「…一言。話せる。…って言う事は、ある意味、感性が豊でも、ある証拠…。」
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