汐梨、芙美花に、
「まぁ~~。芙美花も、大学に入れば、こういう事も話して良いとは思うけど。今って銀行もかなり厳しくなってて、お金を引き出すにも、預けるにも上限があるの。」
いきなり耀司、眉間に皺を。
「汐梨っ。」
すぐさま汐梨、耀司に、
「いや、だ~~って~~。必要な事だよ…???…親子なんだから。そして…、家族なんだよ。で、私は、その妹、兄さんの。」
睦美、
「あん。でも。…うん。」
コクリと。
「そうですよね。ニュースでもいろいろと。」
汐梨、そんな睦美に、
「うんうんうん。今なんて、物凄いよ、詐欺、詐欺って。何十万、何百万。何千万。」
そして汐梨、耀司を見て、
「けど。…なんで…???…銀行で、そんな多額の…。気付かなかった…???」
その声に耀司、顔を振って、
「分からん。」
そして、ポツリと。
「…って言うか、取引上、数千万単位の金額、動いてるから。当然、財務もそれを管理している訳だけど。しかも、そういう場合は、稟議も入るし、必ず共同経営者の決算が入る。だから、仮に、1億って金が動いても、不思議ではないんだけど…。」
汐梨、思わず目を見開いて、
「1億。」
その声に耀司、
「まっ。一般企業でも、それくらい…、普通に…。」
汐梨、耀司を見て、
「…って言うか、株式会社ウェルストン、どんだけ儲かってんのよ。ねね、兄さん。」
そんな汐梨に耀司、俯きながらも、左手を。
汐梨、
「え…???」
そして自分の手をパッ。
その手を見て耀司、両眉を上下に。
汐梨、両目をぐるりと。
「ま、まさか…、5億。」
その声に芙美花も睦美も、
「凄っ。」
「凄い。」
「…とは言え。」
耀司。
「それだけではないけどね。」
汐梨、
「え…???…どういう事…???」
「取引している銀行がひとつじゃないって事。」
「あ、あ~~。…そういう事か。」
芙美花、
「ええ…???…どういう事…???」
汐梨、芙美花に、
「ん~~。まぁ…。会社にも寄るけど~~。一般企業って~~。ま。確かに、メインバンクはあるけど~~。その銀行一筋って事じゃないって事。仮に、その銀行にぃ、何かしら問題があって、潰れてしまったら~~。取引している企業諸共、潰れちゃう。芙美花も、これから勉強する事になると思うけど。」
芙美花、
「え…???…そうなんだ。」
汐梨、芙美花に両眉を上下に。そして耀司に、
「んじゃ、株式会社ウェルストンって他に取引している銀行って。」
耀司、汐梨は見ずに、左手でVサイン。
汐梨、前を向いて、
「2行かぁ~~。…と、言う事は、その3行のひとつの…。」
そこまで言って汐梨、
「え…???」
耀司を見て、
「…ってか、その…。詐欺に遭ったとこが、まさか、メインバンク…???」
耀司、ゆっくりと目を瞑って、そして開いて。
汐梨、顔をグシャリと。
「わっちゃ~~~。」
芙美花も顔をグシャリと。
「全然分かんな~~い。」
そんな芙美花に汐梨、微笑みながらも…。そして耀司に、
「…で、兄さん。この事、警察へは…???」
「さっきな…。」
「あ。」
汐梨。
「でぇ~~、30分。」
コクリと。耀司。そして、溜息。
「はぁ~~~。」
「…で…???…警察は何て…???」
「とにかく、明日だ。当然、銀行だって、今じゃ。」
汐梨、腕時計を見て、
「だよね~~。」
耀司、頭の中ではまだまだ困惑はしてたが、睦美に体を。
「睦美さん、いきなりこんな事になって、申し訳ない。折角の鍋が。」
すぐさま睦美、両手を前にそしてヒラヒラと。そして慰めるような顔で、
「いえいえ。とんでも。」
顔をコクリと。
汐梨も、頭をコクリと。
「ほんと。ごめんなさいね~~。」
そして、耀司を見て、
「…って言うか、兄さん。将来の奥様になる人がいて、そんな、人生が終わったみたいな顔、しな~~い~、んもぅ~~。睦美さん、心配するじゃんよ~~。」
耀司、睦美にまた頭を下げて、
「本当に、申し訳ない。」
汐梨、
「あん。…って言うか。…でも。」
芙美花、
「…でも…???」
叔母を見て。
汐梨、
「あん。」
そして、顔を傾げて、
「ん~~~。…って言うか~~。」
目をキョロキョロと。
「うん。」
耀司を見て、
「今、会社がこんな事になって、兄さん。まさか、芙美花の今後に何か問題。」
間髪入れずに耀司、
「いや。それはない。」
その声に汐梨、ホッとした顔で、思わず上体を前に、
「おわっと~~。ホッとした~~。…って、なにね。」
芙美花を見て、
「これからの高井戸家に、経済的に困窮するような事。」
耀司、ようやく気が落ち着いて来たのか、
「あ、それは、ない。間違いなく。俺のしあわせは、芙美花をしあわせにする事だから。」
そして耀司。
「芙美花を苦しめる事はまず有り得ない。」
汐梨、
「ホッ。」
そして芙美花を見て、
「ふふ。良かった~~。」
芙美花も叔母を見て、
「シシ~~。」
睦美も微笑んで。
汐梨、また耀司を見て、
「…ってか兄さん。芙美花のためにどのくらい貯めてんのよ。」
その声に耀司、目を真ん丸にして、口を窄ませて、左手を5本。
いきなり汐梨、大きな口を開けて、
「500万…???」
耀司、間髪入れずに、
「バカヤロ~~。一桁足りない。」

ママでいい…。 vol,254. 「俺のしあわせは、芙美花をしあわせにする事だから。」
※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※
《PR》
庄司紗千 花笠音頭
※ご本人の承認の下、紹介させて戴いております。
