全員で玄関に。麻沙美は母に纏わり付きながら。
バセットも玄関に。そして尻尾を振りながら。
宮前、全員に、
「じゃね。」
耀司、ペコリと。
「何もお構い出来なくって。」
芙美花も、
「宮さん。」
宮前、
「ううん。全然。高井戸家が、大丈夫って、分かったから。うん。じゃ。」
そして、ドアを開けて。
耀司が出ようと。
けれども宮前、それを制するように、
「あ。うん。大丈夫、ここで。」
耀司、
「師長。…そうですか…???」
宮前コクリと。
「うん。じゃ。」
耀司、ペコリと、
「すみません。」
ドアが閉じる。
数秒後、汐梨、思い切り顔を伸ばした感じで目を真ん丸に、
「いや、びっくり。何と。」
そんな汐梨を見て耀司、困ったように、
「まぁねぇ~~。」
芙美花も同様に。
麻沙美、今度は睦美に纏わり付きながらもニコニコと。
そんな麻沙美の頭を撫でながらニコニコと睦美。
汐梨、
「まさかね~~~。…そんな話になっていたとは。」
耀司、
「ほら。この前に師長とその人が来た時。」
玄関の外では宮前、アプローチを過ぎて、道路に。そして、空を見て、
「あぁ~~~。」
ふぃに涙が。そして、その涙を指で拭って、
「はぁ~~~。そっか~~。新しい人生。ってねぇ~~。」
そして、高井戸家に振り向いて、
「耀司、芙美花。しあわせになれよ~~。」
リビングに入りながら耀司、汐梨に、
「おまえ、匂いが違うって。」
汐梨、
「あぁ。うんうんうん。確かに。」
そして、
「あんときは、私もビックリしたもん。」
睦美を見て、
「運転席からふたりを見たの、宮前さんともうひとり。そしたら何と。私いきなり、義姉さん…???…って、口から出たもん。それほどそっくり。」
バセットはまた定位置。
そして麻沙美はまた絵本を持ってバセットに凭れて、
「ヨイショッと。」
4人、今度はいつもの定位置の椅子に。
睦美は椅子に座りながらキャビネットの上に飾られてある写真を見ながら、
「まさか。そういうのってあるものなんですね~~。亡くなった奥様にそっくり。」
耀司、睦美に両眉を上下に。そして、
「そっ。そっくり。」
芙美花、
「私なんて、涙出たもん。」
そんな芙美花を慰めるように汐梨、
「だよね~~。いきなり目の前に母親とそっくりの人が。」
耀司、
「まっ、けど。…雰囲気、的には…。」
空を見て、
「うん。やっぱり違った。」
芙美花も父を見て、
「うん。」
いきなり汐梨、
「ふ~~~ん。…って、何処が…???…義姉さんとそっくりな人が…。」
途端に耀司、ブスッとした顔で、
「当たり前だろ。んなの、分かるでしょうよ~~。何年も一緒に暮らしたんだから~~。」
その声に汐梨、申し訳なさそうにペコリと顔を。
「すみませんでした~~。無粋でした~~~。」
小さくなったような体で、チロリと舌を。
いきなり睦美、眉間に皺を。
「え…???…ぶすい…???」
すると芙美花も、
「あ、私も知らない。どういう意味…???」
耀司、
「あ、そっか~~。あんまりは…。」
汐梨、
「うん。使わないか~~。あん。つまりは~~。」
テーブルに、
「無いって字と粋な奴の粋って書いて無粋。」
いきなり芙美花、
「あ~~~。何か、分かる気する~~。」
睦美、
「ええ…???…どういう意味ですか…???」
耀司、
「つまりは。ん~~。人の愛情…、こころ。ん~~、そんな心の動き…???…って、言うの…???…微妙な事情や様子が分かんない事。かな~~。まま、男女間の微妙なね。深い愛情って言うのか、そういうのが分かんない事。」
いきなり睦美、納得したような顔で頷いて、
「あ~~ん。はい。うん。分かります。」
耀司、芙美花を見て、
「芙美花が今、無いに粋と書いて無粋って聞いて、分かる気がするって言ったのは、多分、粋じゃないって感じ…???」
すぐさま芙美花、
「あん。うんうんうん。読んで字の如し。」
「確かに。」
汐梨。
「まっ。遊びが分かんないって事や、面白味がないって言う意味~~。兄さんが何年も一緒に暮らしたんだから~~ってね~~。何年も一緒に暮らしてりゃ分かって当然でしょって意味。それを敢えて私は滑稽にした。」
睦美、
「あ、滑稽は分かります。」
ニコニコと。
耀司、そんな睦美を見て、
「いやいやいや。睦美さん、凄いや。」
けれども睦美、
「あん。でも、もっと日本語。難しい日本語でも良いですから、教えてください。私、日本語、好きですから。」
そんな睦美を見て汐梨、ニコニコと、
「凄~~い、睦美さ~~ん。うんうんうん。」
「いや。」
耀司。
「確かに。凄いよね、睦美さん。100人以上の顔と名前、2週間で覚えるんだから~~。それに。もしかしたら、ジャズにしたって、俺より知ってるんじゃない…???」
いきなり睦美、赤面状態になり両手を顔の前でヒラヒラと。
「いえいえいえ。そんな事は。」
汐梨、ニタリと、
「分かんないかもよ~~。…って言うか、兄さん。」
耀司、汐梨に、
「うん…???」

ママでいい…。 vol,249. 「耀司、芙美花。しあわせになれよ~~。」
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