出席者たち、どこもかしこも目を手で押さえながら…。
そして、男性ふたりと、ピアノ演奏者にも、拍手喝采。
どこからともなく、
「お見事。」
「アッパレ~~。」
そして…。
拍手が鳴り止んで、次には、新婦側から女性たちふたり。
「真登香~~。篤志君、ご結婚、おめでとうございます。私たち、4人、この曲が好きでした。」
そして、ピアノに向かって、
「お願いします。」
もうひとりの友達は、
「私、歌は絶対にダメ。勘弁して。」
と、断られたのだった。
睦美、演奏を始める。
いきなり出席者たち、
「おぅ~~。」
曲名は、「未来予想図Ⅱ ・ DREAMS COME TRUE」である。
ピアノ演奏も冴えわたると同時に、女性ふたりたちの熱唱振りに静まり返る会場内。
歌い終わるとまたまた拍手喝采。
スタッフが汐梨に、
「とにかく、凄いとしか言いようがありませんね。」
と、にっこり。
汐梨、顔を傾げて、
「いや。それは私の台詞。まさか、ここまでとは…。」
耀司、自宅で仕事をしながら、
「今頃…。…どんな、かな~~。」
そして…。
芙美花も授業中に、
「今頃、睦美さん。」
そして、にっこりと。
「私も聞きたかった~~。」
式場内での余興は続いている。
男性のひとりからは、「福山雅治の家族になろうよ。」これもまた、拍手喝采。
そして…。最後のひとりが…。
葉山から、
「先生、頑張って。」
女性たちからも、
「先生。」
それに頷く佐伯、コクリと。
そして…。
「え~~。先ほどのゲストスピーチでもお話させて頂きました。池波真登香君在学中にも、そして、今も大学の教授を務めさせて頂いております……。」
そして、ピアノに向かって、
「では。お願いします。」
ピアノから流れるメロディ。
新郎側では、
「この曲。」
汐梨、
「えっ…???…この人、こんなにキーが…。」
スタッフ、
「ONE OK ROCK、WHEREVER YOU ARE。凄い、この人の声。」
葉山、ニコニコと。
女性たちも、
「はは。や~るぅ~~。」
歌い終わるや否や、こちらもまた拍手喝采。
新郎の母親、
「いいもんですね~~。若い人たちの歌。」
その声に新郎の父親。
「大したもんじゃ。」
そして…。
場面は祝電披露に移る。MCが紹介する。流れるメロディは…。「久石譲のSummer」
紹介されながらも出席者たちは頷きながらも…。
そして…、最後の祝電が…。花嫁の母親から。
新婦の真登香、
「おかあさん。」
新郎の篤志も花嫁を見て、
「おかあさん。」
新郎の母親、聞きながらも、夫に、
「あんた。」
新郎の父親、
「ケッ。そんなに思ってんなら、来てみろってんだ。」
MCの女性が続ける。
「…真登香、今日は朝から、おとうさん、書斎から一歩も外に出てない。多分、あんたの小さい頃からのアルバムをず~~っと見てるんだろうね~~。あるところにあるアルバム、ないから。…とにかく、許しておくれ。あれでとにかくおとうさん、頑固だから。…でもね。一度だけ、五六庵(ごろくあん)に行った時、あるの。お客としてね。おとうさんが行くぞって言って。」
五六庵とは、老舗そば屋の店の名前である。
瞬間、出席者たち、
「えっ…???」
新郎の母親も父親も、顔を見合わせて、
「えっ…???」
「いや。俺ぁ、知らねえ。顔、見た事もねぇし。」
「私もです。」
新郎新婦も顔を見合わせて、そのまま顔を左右に。
MCが続ける。既にピアノのメロディは止まっている。
「お昼時だったから、店内、物凄い混み様で。」
新郎の父親、
「あったりめぇでぇ。」
MC、
「でもね。入った時から、凄かった。奇麗に整えられて。そして店員さんの案内の仕方も申し分なし。店内も行き届いていて。そして、食べてみたら美味しいの何の。おとうさん。あの時、多分、涙、出てたみたい。何も言わなかったけど。帰る時に、レジの人に、きちんと。ご馳走様でしたって。そして、良い店ですね。って。羨ましい限りです。老舗、そのものだ。これなら客も来る。って。そのまま、帰ってきたけど。多分、おとうさん、まだ、あなたたちの結婚は反対していると思う。けれども、これだけは分かって欲しい。おとうさん。昨日、寝る前に私に、好きなようにすればいいだろうって。私は許さない。…けれども、おまえたちは、おまえたち自身の、しあわせを掴めって。愛する娘だからこその、反対なんだよ。いつの日か、きっと、あなたたちを、守ってくれると思うから。真登香、篤志さん。ご結婚、おめでとう。」
静まり返る式場内。
静かに流れるピアノのメロディ。曲名は、「手紙・手嶌葵」
聞き入る出席者たち。
スタッフ、涙を浮かべて、
「はぁ~~~。」
汐梨、
「睦美さん。」
どこからか聞こえる声、
「良い曲ね。」
「うん。」
「手嶌葵」
「手紙かぁ~~。」
ただ、ただ、出席者はピアノの演奏に聞き入っている。
MCの女性も何も言わない。演奏が終わる。
パチパチと拍手。その拍手が広がる。
新郎新婦が立ち上がる。そして、出席者たちに、一礼。
その姿に出席者たち、拍手。
そして、ピアノ演奏にも拍手。

ママでいい…。 vol,197. 流れるメロディは…。「久石譲のSummer」
※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※
《PR》
庄司紗千 花笠音頭
※ご本人の承認の下、紹介させて戴いております。
