ピアノ演奏に拍手が鳴り止まない内にMCの女性、
「それではここで、新郎新婦に記念品、花束贈呈です。」
瞬間、ピアノの演奏が、「ディズニー・イッツ・ア・スモール・ワールド」に変わる。
男の子と女の子が高砂のふたりに。
出席者から、
「かわいい~~。」
MCの声、
「沢村可乃子(さわむらかのこ)ちゃん、そして薮木勇馬(やぶきゆうま)ちゃんのふたりで~~す。」
汐梨、
「うんうんうん。いいぞぉ~~。可愛い~~。それにしても、睦美さん、イッツ・ア・スモール・ワールド。ふふ。さっすが~~。」
MCが続ける。
「それでは、ご出席のみなさまからの記念品、花束などありましたら、お願い致します。」
「イッツ・ア・スモール・ワールド」がフェードアウトする。
そして、曲は、「愛をこめて花束を・Superfly」に変わる。
ある住宅のガレージから車が出て走り出す。
新郎新婦は喜び満面で記念品、花束を受け取っている。
睦美は一切鍵盤を見ることなく、場面を見ながら弾いている。
そして…。頃合いを見ながら曲をフェードアウトする。
中には、
「あん。もっと聴いてた~~い。」
の、声もあったが…。
MCが、
「それでは…。新郎新婦より、両親への手紙になります。」
高砂から離れる新郎新婦。
式場の入り口に立ち尽くす新郎の両親。
そして…。
新婦、花嫁の…。従姉の葉山凌子。
ピアノは、「バッハのG線上のアリア」
新郎から花束を。
そして新婦の花嫁から花束を。
そして、新郎の父親が出席者に挨拶。
「え~~。みなさま。本日は…。……。」
車はとある駅を過ぎ、そのまま高速に向かう。
ピアノ演奏は、「シューベルトのアヴェ・マリア」
葉山、涙ボロボロの顔で、鼻水を啜りながら、
「みなさま、本日は真登香、篤志君の為に…。」
車の後部座席での年老いた夫婦。
式場内では葉山の声。そしてピアノのメロディ。葉山、深くお辞儀をして、
「本当に、ありがとうございました。」
一斉に拍手。スポットライトが照らし出す。
そして…。高砂に向かう新郎新婦。静かに流れるピアノのメロディ。
MCの女性。
「それでは…、新郎より、本日、お集まりの方々への感謝の言葉をいただきます。」
新郎新婦が立ち上がる。そして新郎が手紙を読み始める。
スタッフが汐梨に、
「この曲、何て言う曲ですか…???」
汐梨、その声に、顔を傾げて、
「ん~~。私も…、分かんないかな~~。」
支配人、
「リスト、愛の夢ねぇ~~。…とにかく、奇麗だわ。」
けれども、その曲から…。新郎の手紙を読む内容に睦美、リストの愛の夢をフェードアウト。
そして、読み進める内容に合わせて…。
弾き始めた曲。映画、「炎のランナー・Chariots of Fire 」である。
高揚感たっぷりの新郎の声がピアノのメロディと共に。睦美が感情を込めて演奏する。
新郎、声を大きく、
「本日は、本当にありがとうございました。」
ピアノはエンディングに差し掛かる。新郎新婦共に高砂で一礼を。
拍手喝采。式場内が拍手に包まれる。
新郎側の出席者、
「ピアノ、炎のランナー。ヴァンゲリス。」
「うんうんうん。」
「凄ぇよな~~。」
新婦側でも、女性たち、誰もが目にハンカチを。そして、抱き合いながら…。
葉山も目に涙。ハンカチで押さえて、
「うんうんうん。」
大学教授の佐伯、拍手をしながら、
「うんうんうん。」
そしてピアノの演奏者を見ながらも、
「とにかく、見事。素晴らしい~~。」
汐梨の隣で支配人、
「前以て準備したBGMじゃあ、こうはいかないよね~~。この臨場感は素晴らしい。何と言っても、ピアノの演奏者の演出。」
そして、木守を見て、
「木守さん。最高っ!!!」
汐梨、支配人にお辞儀をして、
「ありがとうございます。」
「さて。新郎新婦、退場ね。最後まで見させていただくわ。」
汐梨、
「はい。」
MCの女性から新郎新婦退場の言葉が続いている。
「…それでは、新郎新婦の退場です。」
ピアノは、映画、「プリティウーマン」
もぅ既に式場内も和気藹々。全員が椅子から立ち上がる。
「イェ~~イ。」
「ほぉ~~~。」
「うんうんうん、プリティウーマンだ~~。」
「ヘィ~~~。」
高砂から離れる新郎新婦。出席者たちから絶賛されながらも。
そして、次に流れる曲が、「木村カエラ・Butterfly」もはや握手が絶えない。
思わず出席者数名による新郎の胴上げまで始まる始末。
そして…、曲が丁度、終わる頃には新郎新婦は式場の扉で、再び出席者に一礼。
拍手喝采。
そして…。新郎新婦がドアの外。ドアが閉まる。
束の間の静寂。
…けれども、またここからピアノはメロディを奏でる。
大学教授の佐伯、
「おぅ~~。この曲~~。」
葉山も、
「へぇ~~。懐かしい~~。」
新婦の友達、
「奇麗~~。」
「何の曲。」
佐伯、
「映画、愛と青春の旅立ちのテーマ曲だ。」
葉山、
「うんうんうん。」
その時。新婦の友達がいきなりピアノ演奏者に。
「すみません。」

ママでいい…。 vol,198. MCが、「それでは…。新郎新婦より、両親への手紙になります。」
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庄司紗千 「雫音〜shizukune〜」
※ご本人の承認の下、紹介させて戴いております。
