そして…。
麻沙美、睦美の描いた絵に、
「眞鍋のお姉ちゃん、絵、上手~~~。凄~~い。ねぇ、ママ~~。」
汐梨、料理をしながら、
「ん~~~???」
麻沙美、スケッチブックを持って母親に。
「ほら~~。」
絵を見て汐梨、
「へぇ~~~。うんうんうん。凄~~い。」
そして睦美を見て、
「睦美さん、絵、ほんとに上手いのね~~。…って、言うか、可愛い~~。」
そして、
「いやいやいや。私は無理だわ~~。絶対に、こんな風には描けない。」
睦美の描いた絵は、シリアスでもなく、劇画タイプでもなく、
とにかくコミカルな。子供向け。
食事をしながら耀司も芙美花も、睦美の描いた絵を見て、
「凄ぇ~~。」
「凄~~~。」
「…って言うか。」
耀司。
「これ、パソコンで動画にしたら、子供たち、滅茶苦茶喜ぶんじゃない…???」
いきなり睦美、真っ赤になって、
「そんな~~~。」
芙美花、
「うんうんうん。でも、それ、ありかも~~。上手~~。それに、色鉛筆の色使いから~~。へぇ~~~。」
汐梨、睦美を見て、
「睦美さんって、前々から絵を描くのって。」
「小学生の頃から…。絵を描くのは、好きでしたね~~。」
芙美花、
「うんうんうん。」
耀司、
「いやいやいや、とにかく凄いね~~。」
芙美花、父を見て、
「あん。何か、こうなっちゃうと~~。滅茶苦茶睦美さんのピアノ、聞きたいよね~~。」
すぐさま耀司、
「おっと~~。」
にこやかに。
汐梨も、
「うんうんうん。確かに。」
そして芙美花を見て、耀司を見て、
「ここで、睦美さんの生のピアノ演奏聞いたのが~~。」
そして、耀司を見て、
「兄さん、だけか~~。」
その声に睦美、思わずニッコリとして。
汐梨、耀司を見て、
「こんちくしょう~~。」
すかさず耀司、
「おぃおぃ。麻沙美の前で、その、こんちくしょうは戴けないんじゃないのぉ~~。」
睦美、可笑しがりながら。
汐梨、
「あ。」
そして、麻沙美を見て、
「真似しちゃ、だめよ~~~。」
耀司、
「良く言うわ。」
坂下家で、麻友の転職祝いの食事中。
すき焼きを家族で食べながらも…。
坂下直弥(さかしたなおや)麻友の弟である。
「うんうんうん。やっぱ、格別~~。冬はすき焼きに限る~~。」
父親の坂下顕(さかしたあきら)、
「まぁな。…けど。久し振りだよな~~。我が家ですき焼きってな。」
その声に坂下凌子(さかしたりょうこ)、麻友の母親である。
「何言ってんの~~。毎年、食べてますけど…。」
顕、
「えっ…???…そうだっけ…???」
「困りますよ、今から認知症なんて~~。」
直弥、
「…って言うか、どしたの、姉さん。さっきからだんまりで…???…姉さんの転職祝いじゃん。」
その声に上の空の麻友。
凌子も顕も、そんな麻友を見て、
「うん…???」
「……。」
恵津子、
「麻~~友。」
その声に麻友、いきなりビクンと。
「えっ…???…あっ。あ、あ。あはははは。うんうんうん。美味しい、美味しい。」
直弥、困ったような顔で、
「な~~にやってんだか。全然、箸、進んでないんですけど~~。肉、食っちまうぞ~~。」
凌子、そんな麻友を見て、
「どうしたの~~???…ほんと、さっきから。」
麻友、思わず瞬きをして、
「えっ…???…いや。うんうんうん。何でもない。ちょっとね~~。考え事~~。杉並病院、さてと。これから。…ってね~~。」
凌子、
「な~~に言ってんの~~。さんざん恵津子から話、聞いてる癖に~~。それに、病院にも、何度も行ってる癖に~~。」
「ままままま。」
麻友。
「う、うん。うんうんうん。それは。確か…、何だけど~~。あ、ほら。いざ、本格的に、働くとなると~~。ね。あれこれと…。…気持ちの準備とか。ね。ははははは。」
「院長に退職願、叩きつけた人が…???」
直弥。
その声に麻友、
「う、うるさいわね。」
坂下美優紀(さかしたみゆき)、直弥の妻である。食べながらも、器を持ちながら、
「何はともあれ、お義姉さん、転職、おめでとうございます。」
ペコリと。
麻友、嬉しそうに、
「ありがとう、美優紀さん。ふふ。」
「本当は、朋子(ともこ)も、一緒に食事。なんですけど。」
凌子、
「いいの、いいの。とにかく、仕事が忙しいんでしょう~~。出版社~~。」
美優紀、
「え、えぇ~~~。」
顕、
「ははは。とにかく、大したもんだよ。我が家の血筋に、編集者が誕生したんだからな。ははは。」
顕、口を大きく開けて、
「アチアチ。…ってか、仕事キツイ~~なんて、辞めなきゃいいけど~~~。」
そしてまた、麻友の手が止まる。
恵津子、そんな麻友を見て、頭の中で、
「…この子。」
睦美、高井戸家の玄関で、
「ご馳走様でした。」
汐梨も、コートを羽織りながら、
「うんうんうん。はは。じゃ、行こか。」
「あ、はい。」
コクリと。
「お願いします。」
そして…。駅まで送っての汐梨。窓を開けて、
「じゃね~~。」
睦美、
「あ、はい。ありがとうございました。おやすみなさい。」
「うん。おやすみ。」

ママでいい…。 vol,181. 「眞鍋のお姉ちゃん、絵、上手~~~。」
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庄司紗千 花笠音頭
※ご本人の承認の下、紹介させて戴いております。
