汐梨、耀司に、
「いやいやいや。いないって…。」
耀司、コーヒーを飲みながら汐梨を見て、
「ふん。独身。」
途端に汐梨、
「はい…???」
芙美花、
「……。」
汐梨、瞬きして、
「いや。いやいやいやいや。45歳にして独身。…で、義姉さんに似てる。…って。」
そこまで言って汐梨、耀司を見て、
「まさか、兄さん。宮前師長に、この人、あんたにどお…???…な~~んて、言われなかったでしょうね~~。」
いきなり耀司、慌てて、
「えっ…???」
顔を引っ込めるように、
「あ、いや。いやいやいやいや。全然。」
首を振り、左手を振り、
「うんうんうん。いやいやいや。全然。」
そんな表情を見て汐梨、何かしら、人を軽蔑するような目で、顔で。
「あ。言われた~~。」
瞬間、睦美、木守を見て、
「えっ…???」
芙美花、すかさずぶすっとした顔で、
「おとうさ~~ん。」
汐梨、まだ同じ表情で、
「この人の悪い癖。事実を突きつけられても、何とか言い訳をして繕う。しかも、懸命に誤魔化して。はい。そうですって言えない。何とか誤魔化す、逃げる。まぁ…。言っている事は。真面で立派なんだけどね~~。とかく、自分にはね~~。」
そこまで言って汐梨、
「まぁ~~。凡そ、義姉さんが亡くなって高井戸家、家事、大変でしょ。芙美花も来年は高校3年生。例によって、お受験。そんな中で家事出来ないあんた。どうするの。芙美花に試験勉強も家事も全部~~。とんでもない親だね~~。とか。この人、あんたにどうよっ。とか。」
思わず耀司、眉間に皺を。そして口を尖らせて。
瞬間、汐梨、
「ほ~~ら、見ろ。図星~~。」
その頃、車の中では宮前、
「はい、着いた~~。」
そして麻友を見て、
「はは。何、黙ってんのよ~~さっきから~~。…もしかして、高井戸耀司、気に入った~~???」
その声に麻友、チョコンと顔を傾げて、
「さ~~てね~~。どうかな~~。」
そんな麻友を見て宮前、
「…と、言う事は~~。満更でも。…あんたが、そういう事を言う時は~~。大概…。」
耀司、睦美を見て、
「睦美さん、困ってるよ。」
その声に思わず睦美、
「あ、いえ…。」
汐梨、
「それはこっちの台詞。ねぇ~~。」
睦美に。
「こんな、どっちつかずの兄です。睦美さん。」
睦美に丁寧に頭を下げて、
「よろしくお願いします。」
顔を赤らめて睦美、
「いえいえいえ。」
そして、
「はい。こちらこそです。」
途端に汐梨、睦美の方に体を伸ばすように、そして両手を。
「優しい~~。そして、可愛い~~。」
思わず芙美花、
「かかかかか。」
睦美、差し出された両手を両手で握って、
「ありがとうございます。」
ペコリと。
そして汐梨、睦美に、
「あ、睦美さん、また夕飯、食べてって。」
その声に芙美花も、
「うんうんうん。睦美さん、お願~~い。」
汐梨、椅子から立ち上がり、
「今日、ハンバーグにポテサラ~~。ふふ。」
いきなり麻沙美、
「わ~~い。ハンバーグ~~。」
その声に睦美、ニッコリと。
芙美花、
「麻沙美、ハンバーグ大好きだもんね~~。」
「う~~ん。」
芙美花、
「よし。」
椅子から立ち上がり、
「私も手伝う。」
瞬間、汐梨、
「あんたは勉強~~。」
そして、笑いながら、
「かかかかか。何のために私がいるんだよ~~。」
芙美花、その声に舌を出して、
「へへへへ。…でした~~。」
そんな芙美花と汐梨に睦美、
「えっ…???」
汐梨、キッチンに。
「要は~~。今のまんまじゃ、芙美花、家事と勉強でバッタバッタ。」
そして、耀司を見て、
「そっちのでくの坊のお蔭で~~。来年の受験勉強に大影響。だから~~って。私がここにいる訳~~。その条件として~~。麻沙美の保育園のお迎えと~~。ヨシカワへってね~~。」
睦美、その話に、
「あ~~。うんうんうん。でしたね~~。」
汐梨の声に耀司、ぶすっとして、
「良く、目の前にいる人に言えますよね~~。」
汐梨、そんな耀司、
「はいはい。言えますよ~~。本当の事だから~~。まっ。何とか、洗濯物の畳み方は、以前より上手にはなったけど~~。単にそれだけ~~。」
睦美、クスクスと。
汐梨、
「だから、早く再婚しちゃえ。」
瞬間、耀司、汐梨に、
「あのな~~~。」
「こんな唐変木でも、真面目ですから~~。」
思わず赤くなり口に両手を当てる睦美。
またまた耀司、汐梨に、
「おまえ。」
そして睦美を見て、頭を掻いて、照れながら、
「申し訳ない。あぁだの、こぅだの。」
睦美、まだ可笑しがりながら顔を左右に。そして、
「あ。じゃあ、私も何かお手伝い。」
汐梨、口を真一文字にしてニッコリと。
「睦美さんは~~。お客様~~。ゆっくりとどうぞ~~。」
その声に睦美、
「あ。え…。」
耀司も椅子から立ち上がり、
「んじゃ、俺は、もぅひと踏ん張り~~。」
汐梨、
「頑張れ、頑張れ。」
睦美、
「じゃあ~~。」
そして麻沙美を見て、
「麻沙美ちゃん、お絵描きしようっか。」
その声に麻沙美、バセットから起き上がりニッコリと。
「ほんと…???」

ママでいい…。 vol,180. 瞬間、汐梨、「ほ~~ら、見ろ。図星~~。」
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