「へぇ~~。ようやくお昼~~。」
晄史。弁当持参で社員食堂に。他にもまばらにスタッフが…。
ある種の情報交換だろうか、知らない顔も…。晄史、
「さっき…、見れなかったから。」
ポケットからスマホを。高井戸からのラインが入っていた。
「こんにちは、高井戸です。睦美さん、この前は、我が家のバセットのせいで申し訳なかったです。でも、昨日、何とか、バセットとも。逆に、バセットが睦美さん、気に入ってくれたようです。安心しました。」
メッセージを見て晄史、ニコニコと、
「うんうんうん。」
そして、晄史の方から、
「お疲れ様です。お蔭様で、姉のトラウマも、クリアしたみたいで、僕たちの方こそ、ありがとうございます。送信。」
パソコンで仕事中の耀司、ラインの着信音に、
「うん…???」
スマホの画面を見て、
「はははは。晄史さん。」
メッセージを見て、
「ほほぅ~~。うんうんうん。」
馴れたものである。どうにかこうにか、右手でも、何とか仕事を。
確かに、両手よりも遥かにペースは落ちるものの…。
お昼は定番の芙美花の料理を。
「さてと~~。いただきますか。」
そしてバセットに。
「バセット~~。待たしてごめん。お昼だよ~~。」
バセット。「待ってました。」と言わんばかりに立ち上がり、
「ワン。」
一気に、食事に。
耀司、
「はははははは。」
博楼高校では午後の授業が…。
芙美花、昨日の事もあってか、朝からご機嫌な様子。
景織子、芙美花を見て、頭の中で、
「…こいつ~~。またな~~にか良い事あったな~~。朝からニコニコじゃんよ~~。」
詩乃も、
「…帰りにとっちめてやるか…???」
そんな風に思いながら、口に手を当てて、
「シシシシ。」
千愛は…。授業に集中~~。
夕方近くに、高井戸家の玄関のチャイム。
耀司、リビングのモニターに。
「は~~い。」
モニターから、
「宅配で~~す。」
「あ~~っと、ちょっと待って。」
玄関に。ドアを開けて。耀司、
「おっと。」
宅配便の配達員、ダンボールを抱えて、
「受け取り、サイン、お願いします。」
耀司、段ボールを見て途端に、
「ぃえ…???うそ。」
そして、
「あ、あの…。ここに…、置いてくれます…???」
配達員、かなりの汗。
「あ、はい。」
そして、
「こちらにサイン。」
耀司、
「あ、はいはい。」
サインをして。
配達員、
「じゃ、どうも~~。ふぅ~~。」
耀司、
「お疲れ様~~。」
ドアが閉まる。
段ボールを見て耀司、
「え~~~ぇえ…???…って、言うか、珍し。」
送り状を見て、
「親父…。」
耀司、スマホで実家に。
「あ、おふくろ。親父。」
スマホの向こう、耀司の母の香奈枝。
「あ~~。とうさんなら今いな~~い。寄り合い行ってるよ。」
そして、
「あ、荷物、届いたかい。」
耀司、
「あ、うん。今、届いた。…って、何、あの段ポール、しかも、テープベタベタ。何入ってんの…???…いつもの倍以上だけど…。」
「あ~~。うんうん。徳さんと、八重さん。それに、柳原さんからね~~。B級品だからって食ってくれって。コンテナで持って来てくれてね。おめぇんちで食えねぇんなら、東京にでも送ってやんなって。…で、結局、あんたんとこと、汐梨のとこに送ったって~~訳~~。」
耀司、真ん丸の目で、
「汐梨んとこにも同じ…???」
「そうだよ、段ボール。同じの。」
「嘘だろ。俺と芙美花だけじゃ食えねぇだろ、幾ら何でも~~。それに…、汐梨のとこだって~~。…って言うか、まだ開けてないけど。」
スマホから香奈枝の声、
「かかかかか。送ったからにはそっちで処分しとくれ。頼んだよ。」
プツリと切れる。
耀司、
「え…???」
耳からスマホを放して、
「…って、おぃ。…いきなり切るし。…ったくぅ~~。」
足元の段ボールを見て、
「どうすんだよ~~。こんなに~~。」
スリッパの爪先で段ボールの側面を。何かしら鈍い弾力。
「えっ…???」
耀司、今度は膝ま付いて右手で段ボールの底に。そして上に。
「うそ。重っ。…って何…???」
そして今度は、リビンクからカッターを。
「…って。カッター、何処だ…???…えぇ~~~???」
つまりは耀司、カッターのある場所、すら、分からない。
「…嘘だろ。」
そして…。
「まっ。家の中でカッター使うのって、あんまり、ねぇか。…昔は、家電が故障したら、直してたから。今じゃ。そう言う事もないし。」
つまりは…。時代が変わっていた。家電の故障、つまりは…、寿命という事になる。
下手に部品を調達して直そうとも、それに掛かる費用で新規が買える時代なのだ。
耀司、ガックリと頭を下げて、
「…最悪。…ってか、芙美花を待つしかないかぁ~~。」
汐梨、麻沙美を連れて玄関のチャイムを。そしてドアに鍵を。ドアを開けて、
「あれ…???…兄さ~~ん。」
そう言って、段ボールの差出人を。
「おとうさん…???」
そして段ボールを両手で…。けれども、
「うそ。何コレ…???」

ママでいい…。 vol,134. 「気に入ってくれたようです。安心しました。」
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