睦美、何とか平常心を。口を丸く、そして、小さく、
「ふぅ~~。」
そして…。自分に言い聞かせるように、頭の中で、
「…ひとりじゃない。」
と。
耀司、椅子から体を後ろに。バセットと麻沙美を見て。そして、睦美を見て、
「どぅ…???」
睦美、その声に、
「えぇ。…でも、まだちょっと。」
耀司、そんな睦美に、
「無理しなくていいですよ。そんな、簡単に、トラウマって…。」
いつの間にか芙美花はキッチンに。
汐梨、耀司の声に、
「うんうんうん。その通り。…でも。バセットは。」
リビングの奥の方を見て、
「あの通り。物凄い大人しい。」
睦美、
「えぇ。」
汐梨、
「睦美さん、食事。いいよね。一緒に。」
瞬間、睦美、腕時計を見て、
「あ、そんな…。食事まで。」
汐梨、声を渋らせて、
「食べていきなさい。」
そして、ニッコリと。
「ねっ。」
芙美花も、笑顔で、
「ねっ。」
睦美、コクリと、
「すみませ~~ん。」
耀司、汐梨を見て、睦美に、
「電話で、レッスン終わったから、これから行くって。」
汐梨の方に顎をしゃくるように。そして、
「はは。」
睦美、
「今日は、ピアノ講師が以前から時間調整という事で。」
汐梨、
「そうみたいですね。」
そして、
「睦美さん、ナポリタン、お好き…???」
睦美、
「えぇ。」
汐梨、ニッコリと。
「では…。」
そして…。
「はい。出来ました~~。」
芙美花はテーブルにサラダを。
耀司、
「お~~、ほほほほほ~~。」
汐梨、
「麻沙美、ご飯~~。」
麻沙美、
「は~~い。」
バセットから起き上がり。
芙美花、バセットにドッグフードを。
「はい、バセットもご飯だよ~~。」
ゆっくりと上体を起こすバセット。
気になる睦美。
耀司、そんな睦美を見て、
「大丈夫ですか…???」
睦美、少し、緊張しながらも、
「えぇ。えぇ。はい。」
汐梨、睦美に、
「へぇ~~~。ヨシカワの…、あの…。」
麻沙美を見て、
「麻沙美のピアノレッスンの先生。講師って、睦美さんを~~。」
耀司、
「僕も初めて知った。し、聞いたし。」
汐梨、
「ピアノ講師の小白川亜耶乃(こじらかわあやの)先生。」
芙美花に。そして耀司を見て。
芙美花、
「へぇ~~~。…って、私。」
耀司も、
「はは。僕も、面目ない、顔は、まだ、拝見できてないけど…。」
面映ゆく。
睦美、
「小白川先生。忙しいから。先生と初めて会ったのが、私、小学の時、ピアノコンクールで…。」
芙美花、
「小学でピアノコンクール。凄っ。」
汐梨も、
「わ~~お。」
睦美、
「その時に、先生から褒められて。あなた、おっきくなるね~~って。頑張んなさいって言われて。それからですね~~。私も、先生のリサイタルには出掛けて。先生も可能な限り私のピアノ演奏は、聴いてくれて。何か相談に乗って欲しい時は連絡してって。」
耀司、話を聞きながらに、
「凄いな。」
「大学を卒業した時も、ピアノで出来るだけ生計をって、薦めてくれて…。本当に感謝してるんです。でも…。」
その最後の言葉に汐梨も耀司も、
「うん…???」
睦美のスマホに着電。睦美、バッグからスマホを。3人に、
「すみません。」
画面を見ると、晄史。
「晄史からです。」
耀司、
「うんうんうん。」
汐梨もニッコリと。
睦美、
「もしもし、晄史。」
いきなり耳に、
「姉さん、今、何処…???帰ったら、まだ帰って来ないけどって、かあさん。」
睦美、
「あ、あ~~~~。はは。…実は…。」
高井戸と木守を見て。
耀司、両眉を上下に。汐梨、ニッコリと。
睦美、
「今~~~。高井戸さんの家。」
すぐさま晄史の声、
「うそっ。マジ…???」
「ほんと。」
耀司、睦美のスマホに、
「晄史君、睦美さん、ウチに来てます。」
晄史、
「え~~~~~っ!!!」
晄史の声が小さく、
「今、高井戸さんの家だって。」
遠くから女性の声、
「あら。」
晄史、
「あっ。姉さん、でも…、犬…。バセット。」
睦美、犬を見て、
「あ、うん。…何とか…。…とにかく、大人しい。」
スマホから晄史の声、
「へぇ~~え~~。」
「今、高井戸さんの家で食事してる。木守さんとも一緒。麻沙美ちゃんとも。」
麻沙美は美味しくナポリタンを食べている。
スマホから、
「そっか~~。じゃあ、姉さん。犬、大丈夫…。」
睦美、口を搾って、
「ん~~~。まだ…、分かんないけど…。今は、何とか。」
耀司、睦美を見て。汐梨もニコニコと。
睦美、スマホに、
「はいはい、は~~い。」
通話は切れる。
耀司、
「晄史さん、ビックリしてた。」
睦美、両眉を上下に、そして、
「えぇ。」
すると…。睦美の右大腿に触れる何か。いきなり睦美、
「キャッ!!!」
バセットが何かしら甘えるように顔で睦美の右大腿を撫でるように。
一瞬、体が凍り付くように。
耀司、
「はは。バセット~~~。」
そして耀司、睦美に、
「大丈夫。そのまま、そのまま。恐がらないで。恐がるとバセットも恐がっちゃう。」
睦美、
「…で、でも…。」
睦美、眉間に皺を。
芙美花、
「バセット~~。」
睦美、犬の目を見て。すると、何とも優しそうな目で。思わず睦美、
「えっ…???」

ママでいい…。 vol,128. 汐梨、「睦美さん、食事。いいよね。一緒に。」
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