「自分のトラウマのような事がいきなり目の前に。」 | THMIS mama “お洒落の小部屋”

ドキドキ 凡そ1時間半。晄史、高井戸家の玄関で…。
高井戸と芙美花に丁寧にお辞儀をして、
「ご馳走様でした。」
そして、頭を掻きながらペコリと。
「姉さんの方は…。本当にごめんなさい。…まさか…。」

耀司、
「いやいや。」

芙美花も両肘を曲げて、手の平をヒラヒラとさせながら…。

耀司、晄史に、
「まっ。しょうがないよ。…そんな…。自分のトラウマのような事がいきなり目の前に。…誰だって。…もし仮に…。…僕だって…。…そうなる可能性、ない。とも、限らない。」

晄史、またペコリと、
「はい。…でも。ごめんなさい。…そして…。」
芙美花を見て、
「料理、ご馳走様でした。ほんと、凄い美味しかったです。」

芙美花、晄史に丁寧にお辞儀をして、
「ありがとうございます。」
そして父を見てニッコリと。

耀司もそんな芙美花を見て頭を撫でる。
「ウチの自慢の娘なもんで。はは。」

晄史、ニッコリと。
「ですよね~~。料理も出来る、家事も出来る。凄いや。…じゃあ、僕はこれで。」
ペコリと。
「あ。」
晄史、高井戸に両手の平を。
「ここで、大丈夫です。はい。」

耀司、そんな晄史に、申し訳なさそうに、
「はは。」
顎だけ前に突き出して、
「ごめんね。」

晄史、ドアを開けて、
「じゃあ~~。ここで。」
コクリと。

耀司、右手をかざして、
「また、遊びに。待ってる。」

晄史、
「はい。喜んで。」
ドアの外でまたお辞儀をして、ドアは閉まる。



耀司、
「いやいやいや。」

芙美花、
「帰っちゃった~~。」

「それにしても…。」
耀司。
「まさか…、犬に噛まれた。」

芙美花、廊下を歩きながら、
「ん~~~。」
そして、
「でも…。奇麗な人だよね。眞鍋さん。」

耀司、芙美花のその声に、
「えへっ…???」

「見た瞬間、そう思った。奇麗~~って。」
僅かに芙美花、首を後ろにチラリと。そしてまた元に。

耀司、瞬きしながらも芙美花に、
「あ、あ、あ、あ、あ~~。うん。…じゃないの…。かな…。」

その声に芙美花、今度は父に振り返って、
「はっ…???…何よ、それ。あ、あ、あ、あ、あ~~。うん。…じゃないの…。かな…。って…。おとうさん、奇麗なら奇麗って、素直に言えばいいのに~~。」

その声に今度は耀司、顔を傾げて、眉間に皺を。
「はぁ~~~ぁあ…???」

芙美花、キッチンに入ってひとりでボソッと。
「もぅ~~。この鈍感。」
けれどもこの声は耀司は聞いていない。

ただ、芙美花も、眞鍋と言う女性を見た瞬間、目を真ん丸に、頭の中で、
「…うそっ!!!…この人…???…奇麗~~。…それに…、可愛い~~。」
いきなり心臓をぶち抜けられた感じだったのである。
そして…。こんな風にも感じたのだった。
「…さすが、おばちゃん、目の付け所~~。」

つまりは、耀司と麻沙美がバセットと散歩している隙にリビングで、
「兄さんに、眞鍋さん。どうよ。…いいと思わない…???」
と、汐梨が芙美花に吹き込んだのであった。

ただ、当の芙美花本人は、事実、まだ眞鍋と言う女性、見た事もないために、その時は、
「誰々…???」
と、はしゃいではしまったのだったが…。あの時から、頭の中で、
「…どんな人…???」
が繰り返されてはいたのだった。




耀司、ゆっくりと椅子に。
「ふぅ~~~。」

芙美花、
「バセット~~。後で一緒に散歩ね~~。」

その声にバセット、キッチンの方に顔を。
「ワン。」
そして、そのバセットの前にはルンバが。

耀司、
「あれ…???…いつの間にかルンバ。はは。どこを掃除していたのやら。」



晄史、スマホで、
「てかさ~~。…このままでいいの…???」
相手は睦美である。

睦美、晄史からの電話に、口を尖らせて、
「ん~~~~。…でも…。…これ、ばっかりは…。」

晄史、スマホに、
「ん~~。確かに。姉さんのトラウマは分かる。その時の傷だってまだ…。…それに…。今日、いきなりで…。」

睦美もスマホに、
「まさか…、高井戸さんの家にあんな犬がいるなんて…。…想像もしなかった。一言も犬の話し、なかったから~~。さっき、誓からも電話で。…で、犬の事、話したけど…。」

晄史、
「うん。…でもな~~。このまんまだと…。」

睦美も、
「ん~~~~。」
溜息交じりに。

晄史、
「どうすんだよ。姉さん。今、姉さん、溜息だったよ。そんな風に感じた。つまりは、姉さん、高井戸さんの事…。」

瞬間、睦美。瞬きしながら、
「へっ…???…はっ…???…いやいやいや。」

晄史、キッパリと。
「姉さんっ!!!…阪部洵はいないんだよ。」
そして、
「姉さん、病院でも、それ~~。自分から。」

睦美、
「そ、それは~~。それで…。ん~~~。」

「…って、もぅ~~。どうすんの…???…このまんまじゃ、高井戸さん、打撲が治らないと、姉さん、会えないよ。見舞い、出来ないよ。」
キッパリと。そして晄史、
「あっ。…て事は~~。うんうんうん。」

睦美の声、
「何よ。」

晄史、
「もしかして…、高井戸さん、ヨシカワ音楽教室にも…。」

瞬間、睦美、
「あっ。確かに。…あの日…。…木守さんだった。」

晄史、
「あの状態じゃ~~。」

睦美、瞬間、
「あ、あぁ~~。」








ママでいい…。   vol,120.   「自分のトラウマのような事がいきなり目の前に。」
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