そして…。
来る日も来る日も耀司、汐梨から家事の教育。
そして…、麻沙美の保育園のお迎え。ヨシカワ音楽教室には週に2回。
耀司、
「…って言うか汐梨~~。木守家の家事は、大丈夫なの~~???」
そして、耀司、
「ふぁ~~~。」
と、欠伸。
そんな声に汐梨、逆に、
「な~~に言ってるかな~~。私は芙美花の為にやってるの。かかかかか。兄さんひとりだったら、逆に、家政婦雇ったら~~って、見放しちゃうわよ。兄さんの人生でしょって。…って言うか、兄さんが今もこうやって家でちゃんと生活出来るって言うの、事実上、芙美花がしっかりしているから、こそなんだからね~~。洗濯なんか、朝早く起きて、ちゃ~~んとやってんだから~~。しかも、朝食の準備まで~~。普通、高校生がここまでやるぅ~~~???…まっ。最近じゃ、私が明日の準備して帰るから~~、その分、芙美花は楽になっているはず。なんだけど~~。」
そんな話に耀司、
「はいはいはい。すみません。その通りでございます。」
ペコペコしながら。
「…って言うか。」
汐梨、耀司を見て、
「何さっきから欠伸ばっか。」
耀司、
「うん…???…あぁ。…いや。まっ。何て言うか、その~~。仕事がさぁ~~。」
「ふん。」
「何故か一昨日辺りから、受注が多くって。」
その声に汐梨、
「あら。」
「他のスタッフに回そうってラインしたんだけど、何でか、他のスタッフも新しい仕事が次々とって。…だから、他のスタッフにも仕事、回せない状態。な~~もんだから~~。しかも…、納期にも間に合わせないと…。…と、なると、夜中にまで仕事…。」
「へぇ~~~。…と、なると、会社だったら、つまりは、残業…???」
「まっ。家でやっている仕事だから、元々残業なんて付かないけど。…時間配分がね~~。昨日は、終わったの深夜2時。」
「うそ。」
「まさか…、こんな受注…、そんなに続かないとは思うけど…。…ただ。…他のスタッフも同じ状況…、と、言うのがどうも、気になる。」
「何でなの…???」
耀司、両手を挙げて、
「さあ。」
ただ…。そんな耀司の仕事は…。
と、言うより、株式会社ウェルストン、耀司意外の他のスタッフたちも同じように、
その後、1週間は続いた。
その度に耀司、リビングでは、
「ふぁ~~~。」
欠伸が…。
芙美花、
「おとうさん。そんなだったら、もう少し寝てたら~~???」
その声に耀司、乱れた髪のままで、パジャマのままで、
「いやいやいや。そんな訳には…。」
そして、またひとつ、
「ふぁ~~~。仕事が遅れてクライアントに迷惑は。」
そして耀司、
「かかかかか。会社、立ち上げた時のあの頃みたい。」
芙美花、
「あ~~、うん。確かに。」
株式会社ウェルストン。元々は、会社自体、産声を上げたのは今から6年程前である。
IT関係の企業に属していた耀司ではあったが、ここでは自分の力が発揮出来ないと、
元々大学時代に交流していた仲間たち数名とで株式会社ウェルストンを立ち上げたのであった。
元々、その道のプロであり、立ち上げからの業績は右肩上がり。
但し、スタッフたちは、
「まさか、これほどまでに…???」
業績は上がるものの、疲労感もあった。
但し、その頃は自分たちの力が思う存分発揮出来ているという達成感もあり、
疲れもいつの間にか癒えてはいた。耀司、30代後半。
ただ、それから数年で新型コロナの時代が訪れてくるのだが…。
「…って言うかさ~~。今日、日曜日なんだから~~。少しは体、休めてよね~~。家で仕事だからっておとうさん、それを良い事に日曜日も仕事してるでしょう~~。少しは運動してもいいんじゃない~~~???…友達のおとうさんは、日曜日はゴルフ~~~ってぇ。まっ。おとうさんの場合、昔取った杵柄で、黒帯で鍛えても、いるから~~。大丈夫だ。とは、思うんだけど~~。」
芙美花、ヒョットコのような口をして顔を傾げて。
耀司、こちらも顔を傾げて、
「ん~~~。ま。確かにね~~。鍛えている…、ちゃ~~。…とは、言っても、何年になる…???…あれから…。」
と、変顔。
芙美花、
「…って、おばちゃんだって心配してんだから~~。」
耀司、コーヒーを飲みながら、
「ん~~~。まさか、1週間も続くとは…。なぁ~~~。いきなりドド~~ンと~~。」
そんな耀司にラインの電子音。
「おっと~~。うん…???」
そして…。
「はい。高井戸です。おはようございます。」
スマホから、
「おはようございます。晄史です。」
耀司、
「はいはい、おはようございます。…どうしました…???…はははは。朝早くから。」
晄史、
「高井戸さん、朝ごはん。」
「あぁ、えぇ~~。」
空になった皿や茶わんを見て、
「終わりましたけど…。」
晄史の声、
「どうしてるかな…、と、思って~~。」
「はははは。うんうん。まぁね~~。仕事…、忙しいです。はは。」

ママでいい…。 vol,103. 耀司、「ふぁ~~~。」と、欠伸。
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庄司紗千 つつじヶ丘の坂道で…。
※ご本人の承認の下、紹介させて頂いております。